のら猫の三文小説

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次平の挑戦 No.16

2012-12-07 11:04:34 | 次平の挑戦

鉄平一家は自由な雰囲気のする
一家であった。


お恵は、お香そっくりの口調で言っていた。それでも たまには、鉄一がお香の手伝いをしながら話をしたり、お恵が鉄一と話をする事もあった。お恵と鉄平が楽しく話していると、お香はお恵に、「鉄平は私の男なの。お恵にはお前の男がいるだろ。」と言うと、お恵はやり返した。「今は私のお父さんなの、お母さんの男になるのはもう少し後。少しの辛抱も出来ないの」と言い返したりしていた。鉄平も呆れて、二人の顔を見ていた。鉄一は鉄平に言った。

鉄一「お母さんも姉貴も、綺麗で姿もいいし、身体もきれいだ。他の娘もみてもつい比べてしまう。」

鉄平「こら お前 覗いているな。お恵の裸も覗いたか?お母さんいや俺にとってはお香という方がよい。お香は苦労して手に入れた俺の女だ。お香がいるから、今の俺がいる。お恵はお香そっくりだ。奔放だが、頭もよくて、勉強もしている。忠助にも何か聞いていたし、薬の勉強させている青年にも質問しているし、本も読んでる。姿や顔だけで判断してはいけない。お前はもっと勉強しろ。顔や姿でなく心が見えるように。そして心の綺麗な女を手に入れろ。自分がその女にふさわしい男にならないと難しいぞ。本当にいい女は、夢を待たない腑抜けには惚れてくれないぞ。」

鉄一「ここの家では、親父たちは障子も閉めずに、朝でも平気で、裸で抱き合っている。姉貴はよく本も読むし、人の話も良く聞いている。けど、俺の前でも平気で着物着替ようとする。俺は慌てて、障子を閉めたりしているけど、姉貴の裸は、それでも見えてしまうよ。お淑やかとは程遠いし、俺の事を男と思ってないみたいだ。どんな大店の息子でも、男前と評判の男でも平気で振って、俺からしたら平凡な医師見習いとよく会ってるみたいだ、俺は何か、物産問屋へ用事に言いつけられて、暫くかえってくるなと言われて、追い出される事もあるよ。」




お香は、自分の作る料理はそんなに美味しい筈はないと思ったが、鉄平や鉄一もお恵もこれは味付けが変にいいながら結構食べていた。お香もやり合っていた。鉄一もお恵も大きくなり、お香は自由に育てていた。食事中は、みんなで話をしていた。食事の片づけもみんなでして、手よりも口が動いていた。お香は物産問屋に遅くまでいる事も多いし、鉄平も忠助と帳簿や手紙を見て、遅くまで話をしている事もあって、普段はなかなか親子一緒に食事する事も少なかった。ここではみんな好き勝手な事を自由に言い合って、親子というより、4人の友達として話をしていた。一応10日に一回としていたが、4人ともここの家にくるのが待ち遠しかった。 鉄平とお香が、大坂、長崎、福岡の話をすると、子どもたちも一緒に行きたいと言っていた。ゆがて、お恵は、「もう寝ます。明日の朝は私がご飯を作り、鉄一と一緒に食べておきます。明日の昼までには、ちゃんと着物きておいてね。 管理人夫婦も昼すぎには来ます。お父さんも鉄平旦那だし、お母さんはお香様にならないと。」お香「仕方ないね。」忠助や市蔵もここには連絡する事を避けていし、江戸事業の責任者も市蔵から言われていた。



鉄平とお香は夜から、翌日の昼間まで、ゆっくりと裸で抱き合っていた。もう二人とも若くないので、やはり若い時のような激しい事は出来なかったが、やはりこの時は一番充実した気持ちになった。


鉄平の心の音を聞きながら、この人は、長崎にも次平先生の家を作り、お金を隠している。おゆきさんにはまだ黙っているべきだろうか?ここの屋敷にもお金を隠している。鉄平は薬種問屋そのものに悲観的になってみたいだ、私たちの挑戦が負けると思っているのだろうか?

私と共にこの郊外に行くのも喜んでいるし、物産問屋にもよく遊びにくる。しかし私たちの挑戦は続けなければいけないのだ。この江戸の事業場で作った鉄材や時計などの細工物なども好調だし、物産問屋にも色々と引き合いも多いし、光次さんの作った細工物も面白しい。

次平先生さんの子どもの功一さんは、学者肌だが、才能があるようだ。江戸の事業場でも、熱心な人たちを雇って検討させているし、拡張する準備もさせている。まだまだ私達の挑戦は続くのだ。私たちの夢は、もはやみんなの夢なのだ。


鉄平とこうしていると私の夢は既に実現したような気になるのはなぜだろう。鉄平が旅に出歩く事が減り、私の側にいる事は良いことだ。鉄平にはもう少しゆっくりさせよう。旅に出歩かれるよりは、ずっと良い。もう私の夢は実現しているのかもしれない。



私だってまだまだ綺麗でしょうと鉄平に自分の裸身を見せながら、鉄平のものを自分の中に入れながら、動いていた。やがて激しく動き、自分の中に放出される温もりを感じていた。そのまま鉄平の胸に抱きつき、鉄平の心の音を聞いて、暫くそのまま鉄平に抱きついていた。

お香は鉄平に抱きつき、鉄平の鼓動を、身体の温かさを、自分の身体で感じていた。充実感に包まれて、寝てしまっていた。

鉄平は苦労していた。お香は離れると怒るのだ、苦労しながら布団を被った。お香の鼓動と身体の温もりが心地よかった。俺は、次平も俺もやがて、いつかは負けるような気がして、逃げ場所を作った。

でもお香は頑張ってくれている。お香がいなかったら、どうなっていただろうか? お香はみんなの夢を結びつけ夢を大きくしている。みんなの夢になれば挑戦が続ける事ができるのだろうか?お恵はお香に良く似てきた。あいつの夢はなんだろう。一平という青年は出会った頃の次平の雰囲気があった。しかしあの青年がお恵で満足するだろうか? 

お恵も男次第で化けるかもしれない。鉄一はまだ頼りない。次平たちはもう長崎についただろうか?俺達の挑戦はいつまで続くのだろうか?などと考えている内に眠りについていた。






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