のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
質問があれば
gmailのnaosukikan
まで連絡ください

新しい子猫たち No.1237

2017-08-19 00:08:38 | 新しい子猫たち 

 


神一の心境は複雑だった


 


ジブトラストに入社以来、頑張ってきた。評価もウナギ上りに上がっていた。優秀な先輩たちに混じり、頑張ってきた、そしてジブに神一ありと言われるようになって、責任も増えた。優秀な後輩も育て、ジブの神一グループは儲けに儲けた


 


日本で金融危機が起こり、二大金融グループの一つである、一族の銀行の屋台がぐらつき、ジブが資本参加する事になった


 


その時でも父親の神太郎が、一族の銀行を立て直すと思われていた。


 


どういう話し合いがあったのかは、神一は知らないが、香奈は神一を一族の銀行に送り込んだ。神一のグループも一部は一緒についてきた


 


神一の天才ぶりは、一族の銀行の エリートたちたも驚いた。ジブの資本をバックについてた事もあったが、一族の銀行は急速に持ちなおした


 


この時はジブの次世代は、神太郎を飛び越して、神一になるかもしれないとも噂されていた


 


ただ、神一の替りに新宿オフィスに入った、神二郎は、本来理想主義者であって、ゼニ儲けからは遠い存在と言われていたのにも関わらず、既存のグループに権限を降ろし、相談役に香奈が神話の世界にいると思われた、ジイサンたちを口説き、短時間しか出社しないにも関わらず、ジブの新宿オフィスの成績は上がっていた。


 


このジイサンたちは、新宿オフィスを高収益のオフィスに変えた。有村は新宿オフィスに国際感覚を吹き込み、日本の会社の海外進出を手助けして、単に株式売買のさやを取るビジネスではなく仲介、斡旋そして、新宿オフィスに相談にきた会社に投資して、これからの会社の収益を上げて、リターンを貰う事もした。ジブに乗っ取られるのではなくて収益を上げて、上がった株式を売るのは抵抗もなかった。 中には新宿オフィスにそのまま保有して欲しい、配当は出すからという会社もあった。


 


特に不動産部門は、単にビルの管理人のような部門から 高杉が相談役になってから、一変した。日本各地に点在するジブの不動産を有機的に結合させ、ジブシティーの成功を呼びこみ、商業ビルでは名高い、治部ビルの小夜たちとも手を組み、日本の不動産業界を牛耳るとも言われた


 


元来ジイサンたちの手腕と初めは注目されたが、責任者は神二郎だった。神二郎は有能な人材を使いこなしていると評価は変わった。新宿オフィスは日本の有望な中小企業を発掘し、それを育て、世界にも通じる企業にもしていた。ここで評価は逆転していた


 


香奈も歳になって、神太郎をジブに戻したが、神太郎が冷静にみて、神太郎時代の新宿オフィスの何倍も利益があるようになっていた。神二郎の理想はそれなりに留意され、単にゼニ儲けだけに走っていないにも関わらず。


 


神一は、一族の銀行を立て直したにも関わらず、評価は下がった


 


香奈は日本の金融危機第二幕で、日本ともいえる大銀行の一つの もうひとつの大きな銀行の再建する事を頼まれ、香奈の資産会社が出資して、ここを再建するために資本を出して、孫の正人を単身で送り込んだ


 


実はジブ社内で検討させるとたいした危機とは言えない、含み損も巨額といわれていたが実態はさほどでもないとの分析結果があって、タダみたいなゼニで圧倒的な株式を手にしていた。ただジフは既に 一族の銀行の大株主となっていて、ジブとしての支援は出来ないので香奈個人資産で参加したのに過ぎなかった。しかも中国が、もう一つの大きな銀行の取得を興味をしめしており、それに対するけん制の意味もあって、中国と密接な関係があると言われる香奈を日本財界が口説いたのが実態だった。時の政府もそれをバックアップしていて、タダのような価格で株式を取得できた。香奈は中国にも一部の株式は取得させて、中国との抗争は避けていた、それが出来るのも香奈だからだった。


 


正人は日銀で理事まで務めたが民間銀行の実態は知らないと軽く見られていたが、香奈譲りの人を使う技には長けていた。元々たいして悪くなかったと、多くの人が冷静に見れるようになった事もあって、意気消沈していた もう一つの大きな銀行の役員たちも自信を取り戻して、業績は急速に盛り返した。巨額債務が隠れているといわれていたのも、幻と変わった


 


この過程で正人の人材活用術が評価され、それと比較する形で、神一の評価は下がった。


 


神一自身は、一族の銀行を立て直したのにも関わらず、弟の神二郎や正人が評価が上がるとそれに比較される形で評価が下がったのだった。