のら猫の三文小説

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香奈とコシロ No.80

2013-05-24 00:00:39 | 香奈とコシロ


神太郎と神子



そして神太朗が来ると、正子の取引は活発になり、大きな利益を上げていた。神太朗は大学では法学部に行っていたが、教室内は緊張感が張りつめていたので、次第に特別待遇で、授業にも来なくてもいいと言われるようになった。敷地内の木々も大きくなり、敷地そのものが大きな森になってきた。花は異様に大きく咲いていた。ジブトラストは益々大きくなった。不動産投資もピークを超え、保有する現金も増えてきた。



香奈「正子さんにも海外を見て貰ったら、成績も上がったのよ。神太朗君も見ているみたいね。私が修正する事はほんんどなくなって来たのよ。」

「正子さんは、そんなに海外に行かないよ。年に1回か2回程度だよ。ほとんどこの敷地内にいるよ。よく海外の状況がわかるね。」

香奈
「私とも少し話はしているけどね。海外のオフィスから時折来ているよ。神太朗君にも会っているよ。」



神子は、神太朗とは違う国立の経済学の名門大学に入っていた。神子は綺麗だったし、頭もよかった。何人もの男が言い寄ったが、相手にされかった。暫く大学に真面目にでていたが、神太朗と同じく、特別待遇になった。そして正子の部屋には、良く来ていた。神子は予測する力は強く、経済予測や株価展望は、正子にも言ったし、カミカミファイナンシャルの取引も行うようになった。正子が個人的に出資していた聖子や悦子の会社の株もカミカミファイナンシャルへ出資する形となった。

神子は、予測の力があり、神太朗よりも取引が上手く、正子の名義でカミカミファイナンシャルの運用を担当し、大きく増やしていった。それでも現金比重を多く、堅実に運用していた。正子の意向もあり、商会の株は、下値で拾う程度で買っていた。




正子は、神子の予測の力をジブトラストにも影響させて、この時期に運用会社は又伸びていった。あらゆる相場で勝ち続け、ついに運用会社の資産は、現金とは別に5兆を超えていた。上場株の保有評価額は、ついに海外を合わせて、2兆6千億を超え、非上場で1兆5千億になった。4千億から始めた中国での株式は少しずつ増資には応じてきたが、もう株式評価額では、8千億を超えていた。


香奈が投資した中国企業は、今や世界的企業になっていた。配当も5百億程度貰っていた。ジブ上海銀行もニューヨークとロンドン、フランクフルト、シンガポール、東京に小さい支店を出した。相変わらず為替中心の専門銀行として独特の存在だった。アメリカでも香奈が1億株、買った石油会社の株は、香奈が、結局ほとんどをジブトラストに市場価値で売却し、今では、ジブトラストに売却した価格の3倍にもなっていた。それ以外にも50億ドルを超える上場株をアメリカで持っていた。ヨーロッパでも50億ユーロの株式があり、それ以外にも海外の非上場の株式を保有する事になってきた。海外比率は、元々少なくしている筈なのに、何故か増えてきていた。ジブトラストは不動産投資も落ち着き、現金も貯まってきたので、香奈の独特の計算でも配当は、どんどんと増え、ついに出資金の3倍になった。流石にこれ以上の配当は出さなくなった。



「運用会社からの配当は凄すぎて、声も出ないよ。出資金の3倍の配当が毎年出るよ。」

香奈「これでも抑えているのよ。みんなに渡しても大変だから。私はもう見てるだけだよ。海外の大きな会社の株も低迷時期に少し買って、少しずつ増え、今では相当持っているよ。」

「今は運用会社も大変らしいね。あの付近の木は異様に大きい。真理さんに聞いても建物自体が異次元空間になっているらしいね。香奈さんも異様に若いよ。私も財団では怪物とか言われているけど、私よりもずっと若いよ。真理さんや俊子さんも若くなっているよ。怖いくらいだよ。

香奈「私は午前中は大体行くだろう。近くだから影響も強いのよ。一緒に住んでいる俊子さんも有希さんも若いよ。有希さんが商会の役員会に久しぶりに行ったら、若い秘書が、ここは役員用のフロワーだからと言って、追い返したらしいよ、たまたま社長が来て、平謝りだったらしいよ。

「有希さんは元々若い感じだけど、異様な若さだね。」

香奈運用会社の中はもっと凄いよ。空気が違うのよ。管理の人も時々交代するのよ、都心の人と。みんな若くなるけど、凄い緊張感が張りつめているからあんまり長くいると大変みたいよ。正子さんは早く帰るからまだいいけどね。



神太朗は大学を卒業するまでにも、ジブトラストによく来て正子を手伝っていた、正子は先物取引以外の仕事は神太朗に整理してもらうようになった。神子も時々来た。正子の家の部屋も一つのディーリングルームになっており、神子は、カミカミファイナンシャルで運用して、自信を付けていた。正子も刺激を受けた。そして、この時期に運用会社は更に大きくなり、国内外の証券会社も影響を受けた。



神太朗と神子の霊力がジブトラストに影響して、そして更に、ジブトラストは大きくなっていった。株式用の口座には三千億、商品や先物の口座には六千億が用意され、現金は三兆に増えた。運用利益は、一兆を超え、毎年繰り越していくお金は、二千億程度になり、配当として九百億程度出す事は問題なかった。財団への寄付は、財団の活動状況で、五百億以上出す事もあった。



神子の取引での力は、カミカミファイナンシャルでは遺憾なく発揮され、保有する現金の半分以下で運用しているにも拘わらず、その上、やはり神子は学校にも時々は行っていたにも拘わらず、カミカミファイナンシャルの資産を倍々ゲームのように増やしていった。正子の運用手数料、報酬や配当は膨大だったが、それを神子は更に増やしていった。



「運用会社は凄く大きくなったね。配当は、出資金の3倍で張り付いてるけど。」

香奈恵も惚けたね。みんなの生活はこれで十分でしょう。それにみんな、管理会社の株も何とかなったでしょう。これ以上、出しても意味ないのよ。一族の会社には、運用会社がお金を援助するでしょう。

「そうかもしれないね。財団や施設の資金も増えたよ。病院も、運用会社から寄付も貰っているよ。産婦人科小児科病院では、診察代を貰わなくても、やっていけるようになって、財団からの無利子無担保無期限の貸付で、診察代を取らなくなったよ。託児所も一杯できたよ。保育士や看護婦の学校まで作ってしまったよ。どこまで大きくなるのかね。」

香奈「もうそんなに大きくするつもりないわよ。」

「健次郎さんたちは、会社辞めて、のんびりしていたけど、退屈していたから、寿クラブ経済研究所なんか大層な名前の老人クラブ作って、遊んでいるわ。少しは役に立っているの。」

香奈
「渋谷の研究センターとは少し違う発想だから、参考にはなるわよ。」