たすくの空中散歩

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1kgあたり29ベクレルについて

2012年09月14日 11時06分00秒 | 一喜一憂

それでは念のため、今回相澤農園の小麦粉から検出された29ベクレル/kgとはどんなものなのかについて少し書いておこうと思います。

ベクレルとは、≪原子核が一秒間にいくつ壊れているか≫を表す単位です。
つまり29ベクレル/kgとは、1kgの小麦粉で毎秒29個の原子核が崩壊して、放射線を放出しているということです。参考までに、1kgの炭素棒には50000000000000000000000000(5×10の25乗)個ほどの原子が含まれているそうです。

それではその29ベクレルがどのくらい人体にとって危険かと言いますと、実は解らないのです。
といいますのは、自然界には人工的に作り出されたものも含めて様々な放射性物質が存在しますが、種類によって、放射線の性質も、人体に与える影響も全く異なるのです。
ベクレル=危険度でないということについて、まずご理解ください。

ベクレルとシーベルトの違い→お金に例えると

したがって、ここで問題なのは「何の原子核が壊れているか」なのですが、問い合わせたところ、タカヨシさんの機材では検出されるベクレルの内訳までは解らないとのことでした。
これは別にタカヨシさんが適当なのではなく、内訳が解るほどの機材環境をいちいち揃えていてはどこの小売店も潰れてしまいます。
ちなみにタカヨシさんから精密検査を外部機関に委託するには1件あたり1万円以上かかるとのことです。どこかで誰かが泣いて、どこかで誰かがぼろ儲けです。

さて、国の規定値の100ベクレル以下というのは、検査対象に含まれる放射性セシウムのベクレルの総和です。
なので、今回の検査でもセシウムの放射線量を求めなくてはなりません。
その計算方法は、検査対象から放出されるすべてのベクレルの総和から、その検査対象が、本来自然の状態で放出しているであろうベクレルを差し引いた値が、おそらく原発事故由来の放射性物質(セシウム)であろう、という考え方です。
そして、一般的な小麦粉から放出される放射性カリウムなどによる自然の放射能を3ベクレル程度と考えて、今回の29ベクレルはその分を差し引いた値だそうです。
ただ、外皮や胚芽の栄養もまるごと入ったうちの石臼挽き全粒粉を「一般的な小麦粉」と考えて良いのかは解りません。
ちなみに人体には、放射性カリウムが3700ベクレル程度含まれているそうです。

微量の放射線が人体に与える影響については、専門家の間でも意見の分かれるところです。
だって、考えてもみてください。人は生きていれば自然界からもともと様々な放射線を受け続けているのです。
しかも人は、食べたり寝たり泣いたり笑ったり、いろいろしているのです。
その中から事故由来の放射線の影響だけを抽出しようとすることが、いかに困難なことかが解るかと思います。

ただ地球上で、実際に放射性セシウムの影響を26年間受け続けてきた先輩方がいらっしゃいますので、関連記事を引用させていただきます。

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「放射性セシウム汚染で疾患は増えない」

 福島県の放射線健康リスク管理アドバイザーを務める長崎大大学院医歯薬学総合研究科教授の山下俊一氏が4月5日、日本財団主催の緊急シンポジウム「福島原発事故~“誰にでもわかる”現状と今後~」で講演。いま環境中に放出されている放射性物質の健康影響について、「その線量は極めて微々たるもので、全く心配が要らない量だ」とし、随時モニタリングされ適切な対策がなされている現状では、「いまの日本人に放射性降下物の影響は起こり得ない」と断言した。

 現在、世界保健機関(WHO)緊急被ばく医療協力研究センター長でもある山下氏は、1986年4月に起きた旧ソ連邦ウクライナ共和国のチェルノブイリ原子力発電所の事故後20年間、現地での医療支援活動や健康影響調査に携わってきた被曝医療の専門家。

 山下氏は講演の中で、1000mSv以上の被曝線量を一度に浴びると急性放射線障害を引き起こし、100~1000mSVだと中長期的な放射線障害を確定的に受け、線量依存性に発がんリスクが上昇することが広島・長崎の原爆被爆者の調査で証明されているとしたが、100mSv以下の低線量の影響についてはよく分かっていないと指摘。「その低線量領域でも危険だという人もいれば、証明できないのだから危険はないという立場の専門家もいて、まさに低線量やその慢性被爆の影響については専門家の間で議論が行われている領域だ」と述べた。

 山下氏はチェルノブイリ原発事故後、91年から96年までの5年間チェルノブイリ笹川プロジェクトのメンバーとして検診車で現地を巡回し、放射性物質の汚染状況を調べるとともに、事故当時0~10歳だった5~15歳の小児12万例を対象に検診を行った。

 その結果、放射性降下物の主たる成分は放射性ヨウ素と放射性セシウムであり、小児甲状腺癌が多発したことが唯一事故による放射線被曝の影響だったことが判明。小児甲状腺癌は、短半減期の放射性ヨウ素が空気中や食物連鎖により汚染されたミルクなどを介して乳幼児の体に入ったことが原因と推測されており、当時のソ連政府は事故に関する情報を隠蔽し、何ら対策を取らなかったことが被害を拡大させた。

 一方、半減期30年の放射性セシウムはいまなお原発周辺地域の土壌などに残っている。地域住民は現在でも放射性セシウムに汚染されたキノコや野菜を摂取しており、彼らはいまだに500~5万Bqの内部被曝を受けている。にもかかわらず、放射性セシウム汚染地域での追跡調査の結果では、何ら疾患は増えていないという。「放射性セシウムについてわれわれは強い懸念はしていない」と語った。

 「福島第一原発の原子炉が今回の地震で損傷なく生き延び、日本の科学の粋をもって緊急炉心停止が行われたのは不幸中の幸い。今後大爆発は起こらないだろうし、炉心の中のくすぶりを抑えるため、いま懸命な努力がなされている。ただ、チェルノブイリの100分の1程度の放射性物質が環境中に放出されたと推測されるため、今後長期的なモニタリングと健康影響調査が必要だろう。今回は、過敏と思われるほど情報が公開されており、また、農産物の出荷停止などの対策も講じられている。いまの日本人に放射性降下物の影響は皆無に近く、起こり得ないことだ」と山下氏は述べた。

元記事リンク→日経メディカルオンライン

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繰り返しになりますが、放射能それ自体は「悪」ではありません。

それは宇宙の始まりの力でもあり、地球に生命を誕生させた力でもあります。
だからこそ、人の手には余りある代物でもあります。

どうか、正しい認識のもと、自分たちのような思いをする生産者さんが、今後少しでも減っていくことを切に願います。


相澤農園 相澤 翼






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