ノッピキの読書ノート

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扉の向こうに何があるか?
本の扉を開くたびに、ワクワクします。

未来食

2006年04月11日 | 健康と食事

私もそうでしたが、病気は突然不運な人を襲う避けられない不幸だと思っている人がほとんどだと思います。ところが病気の多くは日々の生活、とりわけ食生活のゆがみが作り出すものだったのです。
(「 未来食」あとがき より)

大谷ゆみこさん提唱の「未来食」は、スケールが大きい。
生理学から見た健康指標「血液のアルカリ度」を横軸に、最先端の物理学が証明する東洋の健康指標「陰と陽」を縦軸に、食と健康の関係を解きほぐし、食物生産と地球環境の関係にまで、広げる。
「マクロビオティック」の主張と多くの点で共通しているが、雑穀の効用を重視している点が違っている。
ほんの少し前まで身近な存在だったアワ・キビ・ヒエなどの雑穀が、如何に素晴らしい食品であるか、再認識させられる。また、雑穀を従来の利用法と違った、全く新しい食品として、様々な試みをしていることが、すごい、と思う。その一つに動物性食品の代替としての利用法があるが、動物食品に似た味と食感を作り上げる事に成功している。
未来食―環境汚染時代をおいしく生き抜く

メタブレーン

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内田樹 池上六郎  「身体の言い分」

2006年04月08日 | 武道と身体使い


内田
<中略>どんなに理路整然とした話でも、どんなに辻褄が合っていても、次のフレーズが読めないときは「腑に落ちない」んです。
「腑に落ちる」という時は、やっぱり「腑」が待っているんですよ。場所を開けて。
その待っているところにすとんと落ちるから「なるほど」となるわけで。

池上 それはよくわかります。
私は海に潜りますから、たとえば鰯の大群に遭うと、雲みたいに見えるんですよ。うわーあっと黒いのが頭上に広がって、あれはだれが命令しているのか知らないけど(笑)一匹もぶつからないですよね。(後略)
  (「身体の言い分」第2章 より)

全編が内田樹 氏と池上六郎 氏の対談で、構成されている。
お二人の出会いの不思議な縁について、内田氏がまえがきで、池上氏があとがきで述べられている。

内田樹氏は、フランス現代思想の専門家で、「寝ながら学べる構造学」の著者で、この本と河野善紀氏の「武術の新・人間学」を、池上六郎氏は、同じ日に違う人から勧められたという。
内田氏は、また武道論の専門家でもあり、河野善紀氏の「武術の新・人間学」の解説は、内田氏の手によるものである。

池上六郎氏は三軸修正法という治療法の創始者で、内田氏が武道で傷めた膝を完治したのが三軸修正法による治療だという。
実は、私も、膝の事で悩んでいて、日常生活には支障は無いが、合気道を続けるためには、膝を完治したいので、この治療法に大変興味がある。

この本を読んだのは5回目だが、読むたびに面白く、新鮮に感じる。
本の紹介にあたり、冒頭に引用する文をどこから摂ろうか選択に困った。
全編紹介したい会話ばかりで、探しているうちに、また熱中して読み始めてしまう。
まだまだ発見することが多く、まとまった紹介をかけるほど読みこなしてはいない。


武術の新・人間学
寝ながら学べる構造主義

身体(からだ)の言い分

毎日新聞社

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