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【投稿】核のゴミ処分場科学的特性マップ発表に思う 

2017年08月08日 | 核のゴミ

 

前田恵子さんから核のゴミ特性マップについて投稿がありましたので、掲載します。

情報や意見を引き続きお寄せください。(事務局)


核のゴミ処分場科学的特性マップ発表に思う 

                    前田 惠子

 

 7月28日、原発から出る核のゴミ処分場に適しているとした科学的特性マップが経産省より公表された。火山や活断層が周囲になく、輸送に便利とした沿岸より20kmが適地だということだが、発表に唖然とした。世界中で難航している処分場の適性を備えた土地が日本の国土の3割にもあたるということに!最初から絞ると適性があるとされた自治体の反対が大きいのでこういう発表にしたのだろうとは思うが、日本は正気か?と世界から日本の科学力への信頼を失墜させるようなマップである。

 現在、地層処分で候補地が決定しているのは世界中でもフィンランドとスェーデン(調査のみ)だけである。しかもこの2国の核のゴミは使用済み核燃料のままの直接処分である。日本は使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、燃料として再利用するという核燃料サイクルに固執している。日本のいう核のゴミはこのプルトニウムを取り出す際の廃液をガラス固化体にしたものになるが日本はまず、このゴミの製造に成功すらしていないのが現実だ。

 核燃料サイクル計画は今や破綻しているし、日本の原子力政策は核弾頭にしか用途のないプルトニウム製造の権利を手放したくないための愚策としか見えない。

 まず原発を稼働させず(使用済み核燃料をこれ以上造らない)原発新増設などもってのほかである。破綻している核燃料サイクル事業は白紙撤回し、核のゴミの総量を決めてから処分について利害関係を排した人々でオープンに論じることがまず必要ではないかと思う。地層処分ありきでゴミをとりあえず隠す場所だけ決めておけば後は変わらず利権を貪り尽くすという図式が見えるようで腹立たしい。見落としがちだが核のゴミは使用済み核燃料のみではなく、廃炉となる原発施設のあらゆるものが放射性廃棄物としての処分対象である。地下に埋設し10万年の管理を要するという点では同じだ。こちらは国ではなく電力会社が責任を持って処分場を決めることになっているが、まるで未決定である。廃炉をためらい原発の稼働を延長するのはここにも原因がある。

 市場原理主義の世界でも多額な建設費と多大なリスクを負う原発の出番はもうないというところに来ている。核のゴミ処分場については原発建設のように有望地と見れば多額の交付金で釣り、国からの調査を受け入れろという攻勢が始まるのだろうが、処分場だけを無責任に決め、時代遅れの原発政策でまだ利益を得るつもりの人たちを野放しにするようなことはあってはならないと思う。(2017/08/07)

 

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