シャンパンブレイク

30年以上JAL国際線客室乗務員としてフライトし現在癌の治療中。お酒大好き旅が大好き趣味はランニング~

ローストビーフと梅干とホースラディッシュ

2022年09月05日 | 反日活動は禁止

先日のことですが、なんとな~くお部屋の整理をしていたらアシスタントパーサー時代の制服の赤いベルトが出てきました。

とってもなつかしい!

そしたら
私の青春の多くを過ごしたジャンボジェットを思い出しました。
これは螺旋階段がある飛行機に乗っていた頃のお話です。
と言ってもご存知ない方のほうが多いかもしれません。

B747機材
通称ジャンボジェット

この飛行機が国際線を飛び始めた頃、2階席とは螺旋階段でつながっていたのです。

その階段は
L1ドアーの近く(最前方の左のドアのこと)
ファーストクラスの2階

そのころの2階は座席はなくサロンのようなバーラウンジでした。
ファーストクラスの方が自由にくつろげるようなラウンジになっていました。

その頃の私

ファーストクラスで調理担当することが大好きでした。

アシスタントパーサーに昇格するとファーストクラスの調理担当ができます。
以前は男性パーサーが担当だったのですが、男性陣の採用が少なくなったため女性のアシスタントパーサーも担当できるように制度が変わったのです。

その頃はファーストクラスには、どの路線も大きなお肉の塊、ローストビーフがサービスの目玉でした。
お肉の焼き加減については、常に神経を集中して、細心の注意を払ったものです。

仕事がどんなに出来ても、ローストビーフの焼き加減を失敗すると・・・

全乗務員 からブーイングを浴び、陰では

「今日のファーストクラスのローストビーフ、失敗したらしいよ」
とささやかれるのです。

なぜなら、ファーストクラスは食事のチョイスがたくさんあったために、ご希望に添えられるよう、全乗務員の食事の数も含まれていました。(ファーストクラスの人数プラス乗務員の人数)

食事のサービスが終わり、順番に私たちも食事を頂きます。

中でも大人気なのが、ローストビーフ。

いつも失敗があっても大丈夫なように、大きなお肉の塊、ローストビーフは2個搭載されています。
どんなに満席であろうと充分な量です。

ローストビーフは独立したサービス方法で、ワゴンの上に温野菜各種・グレービーソース・ホースラディシュ・クレソンなどなどとともにセットアップします。

そしてお客様の目の前でご希望の部分、レアなら真ん中をミディアムならもう少し端、ウエルダンなら端に近い方と、切り分けるのです。

このワゴンでのローストビーフは、いわばファーストクラスのミールサービスの花目玉というか、ショーなんです。

なのでローストビーフの焼き加減を失敗すると、当分ファーストクラスのギャレーを任せてもらえなくなります。

私はこのギャレー(調理場のこと)の仕事が大好き。

段取り良く、タイミング良く、を要求されます。
なにしろギャレーが上手く立ちまわらないと、キャビンの仕事がうまくいきません。
サービスの要なのです。

そんな緊張感を持ちながら仕事をする楽しさもさることながら、実は、サービスが終了した後に私の楽しみが待っています。

この頃は、全路線のファーストクラスにローストビーフは搭載されていました。

お客様のオーダーがなくても、食事のサービスが終わったら練習に焼きます。

自分流にアレンジしたり、たとえば、端っこを薄めに食べやすいようにカットし、たっぷりのホースラディシュと、グレービーソースの代わりにお醤油をかけて、和風な感じに。

それと
絶対に外せないのが

ご飯と梅干し

保温ジャーから御飯をたっぷりとよそい

大粒の梅干しを2or3個
ローストビーフと梅干しとご飯

あ~~~~あ~~~~あ~~~~~
なつかし~~~~い
食べた~~~~~い

そして先日、生まれて初めて「いきなりステーキ」に言って食べてきました、が、やっぱり全然及びません。

しかたない、今は京都の旅を終えて大阪ですが、家に帰ったら本格的に自分で作ろうと思っています。

 



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