ふわふわな記憶

日々精進。

『綺麗なおねえさんと呑むお酒は好きですか?』感想、からかい上手の月沢さんが素晴らしい。

2018-01-26 21:30:00 | コミックキューン



綺麗なおねえさんと呑むお酒は好きですか?/いづみみなみ先生


コミックキューンで連載中の『綺麗なおねえさんと呑むお酒は好きですか?』が実に素晴らしい。1/27(というか明日)に記念すべき単行本第1巻が発売されるので読み返していたんですけどこれがもう最高の一言に尽きる。ニヤニヤが止まりません。


コミックキューンのラブコメといえば、『俺んちのメイドさん』がニヤニヤ製造機として不動の地位を築いておりました。メイドさんのかわいさは疲れ切った現代人の心のオアシス。スマホが充電しないと動かなくなるように、僕らも心を潤わせてくれる存在がいないと働くことは出来ないのである。ゆえに、メイドさんの存在が社会を成り立たせていると言っても過言ではなかったわけです。(過言です。)





で、そんなメイドさん一強体制のコミックキューンに新たな超新星が誕生しました。そう、それが『綺麗なおねえさんと呑むお酒は好きですか?』であります。もはや、こういう漫画を待ってた!と叫びたくなるほどの世界がそこには広がっていました。年上好きのニーズを満たしてくれる、まさに至高のラブコメなり。






大人的ラブコメディ





まじかよ



主人公の日吉くんは、平凡なサラリーマン。月曜から金曜まで退屈な仕事を繰り返し、労働のあとは付き合いという名目で楽しくもないお酒を呑まされる。なんだ、僕たちか...!とツッコミたくなるほどに、どこにでもいる社畜でした。


しかし、いつものように出席した会社の飲み会で偶然にも憧れの存在である月沢さんと隣の席に座ったことで物語が始まります。緊張して全く会話を続けられないヘタレっぷりを発揮しながらも、まさかまさか、2軒目のお店に「一緒に来る?」と月沢さんから誘われる日吉くんなのでありました。






うつくしい......。


美女とお酒。その組み合わせは、もはや芸術的な域にすらあるな...!思わずうつくしい...とつぶやきたくなってしまう。額縁に入れたくなる美しさです。こんな美しいおねえさんと乾杯をしてみたい人生であった.....と全国のサラリーマンたちの叫び声が聞こえるわ!


加えて、月沢さんは「お酒」好きときたものです。しかも、月沢さんが訪れるのは「変わった呑み屋さん」限定というミステリアス具合。移動式のバーや、お酒を呑みながら読経する坊主バー、エアガンが撃てるShooting barなど、おもしろい店を月沢さんはたくさん知っているのでした。


ミステリアスというより、もはや謎である...とツッコミたくなるけれど、だがしかしそれがいい。美女に謎はつきもの。謎が美女の美しさをより一層際立たせてると言っていい。これは警視庁の捜査でも明らかです。


綺麗なおねえさんと呑むお酒は好きですか?と聞かれれば、答えはもちろんYes。お酒が好きかどうかは置いといても、とりあえずYesといってしまう魔力、もとい魅力すら月沢さんにはありますからね。むしろ、これを機に「お酒」を好きになるので、どうか神様、月沢さんのような綺麗なおねえさんとお酒を呑む機会を与えてはくれまいかと懇願してしまうまであります。






ラブコメの波動を感じる.....!


そして、やはりニヤリングしてしまうのはラブコメの予感がプンプンするからです。素晴らしいねぇ...。純情な日吉くんが勇気を出して言葉をしぼり出すのもニヤニヤ出来るんですけど、やっぱり題材の新鮮さが素晴らしい。


大人の飲みラブコメって、なかなかに新しいジャンルではなかろうか。「またふたりで呑みにいきませんか」というセリフからラブコメがはじまるってのは新鮮さそのもの。実に活きが良くて自分好みです。


実際、ラブコメの主戦場といえば当然、高校を舞台にした学園ラブコメでしょう。一般的にみても高校生は最も多感な時期で青春模様を伝えやすく、学園を舞台にすればイベント毎も描きやすい。メジャーになるのも世の理というもの。


だからこそ、飲み仲間から恋が始まるっていう社会人ならではのストーリーにはドキドキしてしまいます。なんというか、妙に「リアル」なんですよねぇ。もちろん「現実」ではこんな美人なおねえさんと呑む機会なぞ皆無に等しいわけですし、「理想」ってのはわかってます。


でも、こちとら社畜道を選択して社会の荒波に揉まれた戦士ですからね。美しいOLのおねえさんともしもこういう状況になったらやっぱり日吉くんみたいに、髪をかきあげる仕草にドキッとしたり、鼻の下伸ばしちゃうじゃん!っていう親近感が湧くんですよ。


そういう意味ではすごく日吉くんの立場になって読んでしまう。「現実」と「理想」が交錯するとき、いつだって人は「夢」を見るのです。




妄想乙(グッジョブ)!。


ホントね、我らが分身・日吉くんはとことん良い仕事をしてくれます。中高生か!ってくらいの妄想を展開し、僕らに「夢」を見せてくれるのである。


日吉くんのなかでどんどん月沢さんが神格化されていくのが大変おもしろい。もはや、憧れが強すぎて文字どおり犬になってしまってるわ!と。忠犬ハチ公を思わせるほど、月沢さんにメロメロな日吉くんの姿を見ると思わず応援したくなってしまう。


「同じ等身大の人物として接したときにやっと現実になる」とはよく言ったものです。日吉くんのなかではあくまでも月沢さんは「憧れの存在」なんですよねぇ。


年上の女性という要素も相まってか、自分を卑下して距離感を作ってしまう日吉くんがこれまた「リアル」でもあります。どんな風にこの距離が詰められていくのかはラブコメ的に期待したいところ。



しかも、『綺麗なおねえさんと呑むお酒は好きですか?』の魅力はこれに留まりません。この作品最大のキモは、月沢さんが日吉くんをからかうシーンの表情に集約されているのである。(断言)




からかい上手の月沢さん





即死レベルの破壊力である


あっぶねー。あやうく月沢さんに殺されそうになりましたよ。死因は悶絶死。鼓動がドキドキどころか、心臓を破裂させるくらいの威力。これが童貞を殺す一撃か!


日吉くんをからかってニコニコしている月沢さんが実に素晴らしい...。からかい上手の高木さんも顔負けのからかいっぷりでうぶな日吉くんを攻めてくる時の月沢さんの表情はホントにやばいね。超ニヤニヤできる。男の願望を具現化した存在、それが月沢さんである。


年上のおねえさんという武器をこれでもか!というくらいに発揮して煽動してくる月沢さんがたまらない。完全に心の琴線をわしづかみにされました!


ヒロインが主人公(男)に好意を寄せるのが主流になってきた昨今のラブコメ情勢にあって、余裕の表情で「おっぱい触る?」なんてからかってくれる天使が登場するとは嬉しさしかありません。ホントね、男なんてこれでイチコロである。




月沢さんは天使


やっぱりさ、年上好きとしてはこの余裕っぷりにドキドキさせられてしまうんだなぁ。純情ボーイを勘違いさせる思わせぶりな目配せは最高だねぇ...。(悟り)


日吉くんにめったくそ感情移入させられてしまう。勘違いしちゃダメだ...って思ってても、でももしかしたらワンチャンあるかも...と思ってしまう「翻弄される男子」を見事に描いてくれる、いづみみなみ先生の表情描写も『綺麗なおねえさんと呑むお酒は好きですか?』の特筆すべき点でしょう。


月沢さんのちょっと意地悪な部分にドキドキさせられ、翻弄される日吉くんの様子にニヤニヤさせられる。なかなか一線を踏み越えられない、踏み込ませない感じがとてもリアルで、だからこそ感じる「夢」もある。いつまでも手の届かない「憧れのおねえさん」に日吉くんの想いが届くのかもこの作品の裏テーマと言えるのではないでしょうか。




...終電なくなっちゃった.........


...と思っていたら、6話でやっと日吉くんにチャンス到来...!!!!!終電がなくなっちゃうとかね、ほんと、盛り上がってまいりました!


さぁ、この神からのキラーパスを日吉くんがモノに出来るのか、これからの展開にも注目してきたい。まさに、全国のサラリーマンたちに夢を与える傑作なり。いま、最高に熱いおすすめのラブコメ漫画です。



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