銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

生きてみます

2014年07月28日 | Hの生きる喜び、それは
7月10日~20日、ご家族の自由旅行の添乗として、
スイスへご一緒してきました
連日、見事なまでの快晴
マッターホルン、モンブラン、ユングフラウなどの
名峰が軒並み見られ大満足
そして、自由旅行ならではの楽しみ
その日の気分次第で行きたい場所やアクティビティ、レストランを決め、
食べたいものを食べ、寝たい時に寝て、出発したい時に出発する

何とも自由気ままな旅を楽しんできました

…と言っても、私は連日、“明日はどうする!?”の軽いパニック状態
そんな中、現地のガイドさんがいる時はひと安心
色々と相談できるからです

旅の後半、モンブランを抱く町、シャモニに滞在した時のこと
1日ハイキングの日、現地ガイドさんを手配していました

通常、前日にガイドさんの携帯に確認で電話を入れ
当日の流れを相談するのですが、
この日の手配書のガイドさんは No Phone(電話なし)
ガイドさんなのに、携帯電話なし!?
あわてて日本の手配会社に確認すると
「あ、彼、携帯電話持ってないんですよ。山男ですからね・・・
普段からモンブランとかグランドジョラスなんかの
ハードな山を案内する国際山岳ガイドなんです」
何それ?
すごい人なのは分かりますが、私たちは単なる観光&軽ハイキング
なんで?
基本的に私たちは自由旅行のため行程がないので、
打ち合わせなしで当日を迎えるのは怖いのですが・・・仕方ありません

腹をくくって迎えた当日

早めにロビーで待っていると、
薄黒く日焼けしたいかにも山男が入ってきました
中年風で下向き加減の仏頂面、
着たおしたアウトドアウェアに、ザック
恐らく彼にしたら控え気味にしたであろう、軽ハイキングシューズ

「おはようございます」
「おはようございます」

「今日よろしく御願いします」
「よろしく」

会話が…全然弾みません
打ち合わせをしようとしても
「はい」「難しいですね」
即答で簡潔な返事

悪い方ではないのは分かりますが、愛想がないのはガイドさんとしてはチョット…

そうこうしているうちにお客様がロビーに集合
この日の観光が始まりました

口数が少なく愛想がないと思っていたガイドさん
お客さんとなら、何と会話が成立しています!(当たり前か)
単に私とあわなかっただけか…

聞き耳を立てていると、ガイドさんに少しずつ笑顔も生まれ
皆さんとの会話も弾んできました
お昼には、お客様とガイドさんがお互いのプロフィールを語りあうほど

ここに至るまで、ヨーロッパ各地を転々とし
苦労を重ねてこられたガイドさん
生きるために必死になって仕事をし、お金を稼ぎ、家族を養い、
そしてここシャモニでようやく落ち着き、40年になるそうです

私の田舎で田んぼを耕していそうな中年のおじさん(失礼!)が
フランス語(シャモニの公用語)を流ちょうに話されるのは
どことなく違和感がありましたが、それも彼の努力の証
フランス語は全然分かりませんが、人なつこいしゃべり方から
性格が伝わってきます

この頃には、私はこのガイドさんがなぜか好きになっていました

午後のハイキングは、楽しい時間と共にあっという間に終了
そして、お別れの時、御礼の挨拶の後に
「これかれもがんばってシャモニでお仕事続けてくださいね」と伝えると

「生きてみますよ、この地で」

と、きりっとした笑顔で、最後は簡潔な返事

でもその返事にガイドさんの揺るぎない意志を感じました

今回の旅を振り返った時、スイスの素晴らしい山や花の風景より
なぜか、彼が最後に残したこの一言が忘れられず
今でも反芻しています

私も生きてみます 日本で

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