銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

休日の訪問客

2012年10月27日 | Hの生きる喜び、それは
久しぶりに迎えた
完全フリーの週末

一人は沖縄へ、
一人は長崎平戸へ
一人は大阪愛殊幼稚園のサロン会へ
一人はワンコインウォークの下見へ…

そして私はと言うと
誰もいない事務所で、
えっちらおっちらと事務仕事を片付けていました

週末の事務仕事は、ドンドン進み
次々と片付いていきます

アレも、コレも、やってしまっとこ!と
次を仕事へ手を付けようとした時

「ピーンポーン」

あれ、郵便屋さんかな
ラフな格好で扉を開けると

「お元気です…かな?」

あら、お客様

「すみません!今日は定休日なもので
こんな変な格好で…」

実際、見るもおぞましい普段着とスッピン
まさか週末にお客様と思わず勢いよく扉を開けてしまった…

「ようやく、身体も調子が戻ってきましてな
ちょっと、挨拶に来たんですわ」

ピシッとスーツ姿
ステキなステッキがとてもよく似合っています

こちらのお客様、実は御年86歳
今年の5月、急に病が見つかり緊急入院
一時は高熱のあまり意識不明となったそう

「こりゃもう、お迎えが来たと思いましたわ」
「不思議なもんで、じわじわと治ってきましてな、
やっと、普通に歩けるようになって
一度、お宅に挨拶しとこう思て来たんですわ」

まぁ、わざわざそんな…
ありがとうございます

普段着もスッピンもすっかり忘れ
ついつい、話し込んでしまいました

何でもよくご存知の方で
未だ知識欲も旺盛

特に歴史に関しては人一倍お詳しく
どこぞで現地説明会があれば即出向き、
あちらで落慶法要があれば必ず行き、
イベントや講演会にも積極的に参加
生き字引のような方です

お話好きな方です
こんな、無知な私に対してもトーンを変えず

「戦前はな…」
「今の政治はアカンで」
「毛沢東の時代はな…」
「ワシら子供の頃はまだまだ」(戦前の話が始まる)
「現役の時は部下300人近くおってな…」
「今の歌舞伎役者は…」

へぇ・・・
なるほど・・・
そうなんですか・・・

お話に相づちを打つのが必死
私がついていける話はほとんどなく
戦前の話が出てきた時には
全くもう、お手上げ状態です

それでも、どんどんお話が続きます

お申し込みや、旅行の相談、支払いなどで
来られたわけではなく、

-元気でやってますよ

それを伝えるためだけに来てくださった
それも、快復早々、銀のステッキへわざわざ

何にも分かっておらず
ただひたすら相づちしか打てていないこの私に
色々とお話を聞かせてくださった

そして時折、ニコっと笑う顔が
優しく無邪気に見えて

私は、御年86歳のお客様に
愛おしささえ感じるのです

「確か…初めてお宅と一緒に行ったのは
白鷺城でしたな、
アレはえらかったですわ
今なら行けてへんやろな
行っといて良かったですわ」

必ず、そう、必ず、
かつて日帰りバス旅行で初めてご一緒した時のことを
思い出して、お話してくださるのです

「ま、そういうことですわ
休日に、えらい邪魔しましたな
また、来ますさかい」

そう言って、最後ににっこり笑って
ステッキ片手にゆっくり背を向けられました

激動の時代を生き抜いてこられ
いろんな歴史が刻み込まれた背中です

数十年前は、その背中を包み込むスーツ姿に
畏れ多く近寄れなかった人が多かったことでしょう

今は、そっと手を差しのべたくなります
少し丸くなられた背中を
歩き去って行かれる姿を、
私はじっと見送っていました


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http://ameblo.jp/arailuka/day-20110617.html

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