銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

ランドオペレーターさんとの会話から

2016年03月11日 | のほほん同志Aの日常

終業時間のせまる夕方、突然のご来店がありました。

「〇〇ツーリストです。突然お邪魔して申し訳ありません」

〇〇ツーリストといえば、ヨーロッパに強い大手のランドオペレーターさん。

ランドオペレーターとはホテルやバス、食事、ガイドなど、
地上手配と呼ばれる部分を一手に担う現地手配会社のことで、
こうしたランドオペレーターさんによる地上手配と、エアーと呼ばれる航空券手配から
ほとんどの旅行会社の海外ツアーは、成り立っているのです。

せっかく、はるばる宝塚まで営業に来ていただいたのですが、
すぐにお願いできる案件はなく、世間話となりました。

「いま、ヨーロッパ方面へのお客さんの動きはどうですか?」 と訊くと、

「ボロボロです」 とのこと。

あぁ、やっぱり。

「フランス、イタリア、ドイツ、ハンガリーやチェコなどの中欧。
 あのあたりが全部、半減しています。

「ただ、不思議なことに…スイスだけは例年の5倍増しなんです」

「北欧も微増してますね」

なるほど。
北欧とスイスが好調。それ以外は低調。

まさに、昨年来からのヨーロッパ情勢を映しだした結果と見えました。

当たり前のことですが、やはり皆さん、安全なところに行きたいのです。

中東・パリ・中欧…。
程度の差こそあれ、平穏無事とはいえなさそうな国や地域は
―そこに暮らす人への思いはあったとしても―
旅行先としては避けられるのです。


東日本大震災、そして原発事故から、もう5年です。

旅行会社ですから、仕事を通して何らかの力になりたいと思えば、
できるだけたくさんの人に現地を訪ねていただくことが本来筋です。

この5年のうちに10回足らずですが、福島や三陸海岸を訪ねる旅を実施してきました。

こちらは気負って行っているのに、福島の駅前や、いわき市のハワイアンスパリゾートでは
若い人たちの日常の賑わいがふつうにあって、逆にそのことに胸が締めつけられました。

けれども、そんな旅も正直ここにきて、しりつぼみ。

お客さんが行きたいと思う「安全な」ところだけを企画して売る。
それはごく短いスパンで見ればもちろん正しいのでしょうが、
安全でなくなった地域のことに目をつぶっているうちに
世界は「安全でない」ところだらけになってしまいそうな気がします。

現に、日本のなかで、立ち入ることすらできない地域が生まれてしまっている。
こんなこと、銀のステッキ旅行ができた頃には、想像もしませんでした。

かといって、福島、三陸…うーん。

答えの出ない問いを思っているうちに日付が変わり、
6年目が始まります。


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