真実一路くんのひとり言

だれがやっても同じやとあきらめず、一歩ずつ
長いものには巻かれず、真実を大切にして。

企業の内部留保 10年で倍増429兆円

2009-11-22 | 雇用・労働

 企業の内部留保、この10年間で倍増の429兆円だという。政府はデフレ宣言をしたが要するに需要が弱いこと、つまり消費が弱いこと。お金の量を増やしても問題は解決しない。問題を解決するには何が必要か。購買力を高めること。賃金を上げること。賃金を上げるには最低賃金を引き上げること。労働法制の規制を強化し、正規雇用を増やすこと。内部留保を還元せよ!

企業の内部留保 10年で倍増429兆円  2009年11月19日(木)「しんぶん赤旗」


超不況下でも ため込む 社会還元し 内需拡大急げ


労働総研調査


 昨年来の深刻な不況にもかかわらず、企業がため込み利益である「内部留保」を依然として増加させていることが、労働運動総合研究所の調査で分かりました。18日発表した経済危機打開の緊急提言で明らかにされたものです。この10年で内部留保は倍加し、428・6兆円にも達しており、労働総研は「労働者と中小企業を犠牲にしてため込んだ内部留保を還元し、内需拡大をはかることが急務だ」と指摘しています。





グラフ

 内部留保は、剰余金や積立金などの名目でため込まれている利益です。企業の売上高は2008年10~12月期が11・6%減、経常利益も同64・1%減など3期連続で激減する一方で、内部留保は1・7%増、0・6%減、1・4%増と増加傾向が続いています。


 内部留保が急増したのは派遣労働が原則自由化された1999年以降で、209・9兆円から218・7兆円も増加(グラフ)。このうち69・3%は資本金1億円以上の企業がため込んだものです。


 この急増分を労働者などに還元した場合の経済効果について、最低賃金の時給1000円への引き上げや、非正規雇用者の正規化をはじめ働くルールの確立など五つのケースで試算(表)。国内需要総額の半分に相当する国内需要の拡大で国内生産などが誘発され、3%を超える経済成長が上積みされると指摘。税収増も今年度補正予算の公債発行額にほぼ匹敵します。


 最賃時給1000円に必要な財源は、急増分のわずか2・7%。非正規の正規化も3・5%あればできるもので、異常な内部留保を取り崩すだけで可能だと強調しています。


 都内で会見した牧野富夫代表理事、木地孝之研究員らは、内部留保の異常なため込みが内需を縮小させ、国際的にも落ち込みが著しい日本経済の危機の原因となっていると指摘。内部留保を労働者と社会に還元し、内需を拡大することは急務だとのべました。





表
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『京の秋・山城をゆく 』

2009-11-21 | Weblog
何十年ぶりかに京都南部木津川市加茂町当尾の里を訪れました。秋の浄瑠璃寺は変わらぬ佇まいでした。花写真集「あじさいの小径」に続く、デジブックへの応募です。どうぞ、ご覧になってご批評ください。

デジブック 『京の秋・山城をゆく 』


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日産の解雇違法訴えー第3回口頭弁論

2009-11-20 | 雇用・労働

神奈川県の日産自動車関連で解雇された派遣社員3人と期間社員2人が日産自動車と日産車体などを相手に雇用継続、損害賠償を求めた裁判の第3回口頭弁論が横浜地裁で19日、開かれた。

赤字で経費削減との理由で2月に解雇された原告の元派遣労働者の土谷理美さんが意見陳述。派遣先の日産と派遣元のテンプスタッフテクノロジーが事前面接を共同して行い、日産が人選を決めた様子を語り、違法性を明らかにした。日産が半年で黒字転換したことにふれ「なんのためにやめなければならなかったのか。悔しさと情けなさで泣いた。企業の横暴が許される社会では生活を支えられない」と訴えた。

松本郁子弁護士は、日産が来期の経常利益を1600億円の黒字と上方修正し、期間工を再募集していることを紹介し、「長期にわたり常用代替として非正規労働者を安価で使い利益を得ながら、契約終了で人間を物のように扱い解雇、雇い止めすることは許されない。正社員と同じ権利保護、解雇権制限法理が適用されるべきだ」と主張。

一方、国会では日本共産党の小池議員が19日の厚生労働委員会でJFEの違法解雇を告発。

JFEの“派遣切り”告発 
小池議員 「労基法違反の典型」 参院厚労委 2009年11月20日(金)「しんぶん赤旗」


 日本共産党の小池晃政策委員長は19日の参院厚生労働委員会で製鉄大手のJFEスチール(本社東京)の不当解雇問題について質問しました。
 JFEスチールの川崎工場(神奈川県)では、構内下請けに入っていた会社の労働者が長年にわたり二重派遣や偽装請負で使い回されたあげく、今年3月31日に20人が予告なしに即日解雇されました。労働者らは不当解雇撤回と、JFEから労働者への直接雇用申し込み義務の履行を求めて裁判をたたかっています。
 小池氏が「1カ月前の事前通告もなしに即日解雇することは労働基準法上許されるのか」とただすと、厚労省の金子順一労働基準局長は「形式が有期でも期間の定めのない契約と実態的に異ならない場合は労基法20条の解雇予告を必要とする」と答えました。小池氏は「このケースは典型的な労基法20条違反だ」と告発しました。
 さらに小池氏は、トヨタなどをはじめ自動車メーカーが短期間の契約の募集をしていると追及しました。「派遣切り」をしてきた日野自動車はいま3カ月契約の募集をしています。
 小池氏は「『派遣切り』にあった労働者たちはみんな怒っている。こんなことが繰り返されて、どうして雇用の安定や景気回復ができるか。政治家としてどう考えるか」と質問。長妻厚労相は「正社員で雇われるのが望ましいが、先行き不透明な景気状況もあり、有期雇用にも一定の役割がある。正社員に移行できる環境整備が重要だ」とのべました。
 小池氏は「自民党の大臣と変わらない答弁だ。雇用の原則は正社員だという立場に立つべきだ。政権交代したのだから大企業に社会的責任を果たさせる政治に進むべきだ。有期雇用契約のあり方についても法規制の取り組みをすべきだ」と求めました

先行き安心、希望の持てる日本経済のためにも、労働者派遣法の抜本的改正は焦眉の課題なのだが。

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官房機密費はいったい何に使われてんの?

2009-11-20 | 政治
なんということか。
官房機密費ー自公政権は、総選挙2日後の9月1日に、2億5千間円の請求で後日支出。鳩山新政権はすでに1億2千万円の支出だそうだ。国民の税金が使途不明、非公開だ。

内閣官房機密費は、予算上「報償費」の名で計上されている。2002年度に前年比1割減額されたとはいえ、毎年14億6165万円が計上されそのうち12億円あまりが官房長官の判断で支出されている。官房長官が出す「請求書」に対して、大臣官房会計課長が「支出決定決議書」に判を押すだけで臨時支出できる。最終的な支出先証明や領収書も不要。使用目的も公開されず、会計検査院の検査も形だけ。

民主党は2001年に機密費の使途を公表させる法案を国会に提出し、当時の鳩山由起夫代表(現首相)も党首討論で「10年、20年後にかならず公開する」と言明していたものだ。しかし、政権交代後は「すべてをオープンにすべき筋合いのものとはかならずしも思っていない」と豹変ぶり。平野官房長官に支出された1億2000万円の使途も明らかにしない。以前には「国会対策費」として自公議員の背広代にも消えていたのだ。もってのほか。使途を明らかにせよ!

これまで一貫して機密費の使用実態の公表を要求し、税金の党略的、私的流用を中止するよう求めてきたのは日本共産党だ。

使途不明の官房機密費 2009年11月20日(金)「しんぶん赤旗」
機密費は2009年度予算で14億6165万円を計上しています。塩川議員が入手した資料によれば、毎月1億円ずつが支出されていました。それが総選挙翌々日の9月1日には2億5000万円と突出。5000万円ずつの「請求書」5通はいずれも河村建夫官房長官名で、内閣官房会計課長あてに請求されています。支出を決めた「決議書」には具体的な使途は一切示されていません。

総選挙敗北で政権交代が確定した時期に、なぜ巨額の機密費支出が必要だったのか、重大な疑惑が生じます。


 一方、新政権発足後の9月17日に「官房機密費」の存在について「まったく承知していない」と述べた平野博文官房長官は、9月24日付で6000万円の「報償費」(機密費)を請求。10月14日にも6000万円を請求し、総額1億2000万円の支出が決定されています。平野長官は19日、2度の機密費請求の事実を認めました。しかし、「具体的使途は適切に判断している」と述べるだけで公表する姿勢は示しませんでした。民主党は野党時代、機密費の公開を主張し、法案も提出していました。


 官房機密費は、支出先の証明や使用目的の公開も不要とされ、領収書もいりません。日本共産党の志位和夫委員長は02年4月にその詳細な使途を記した内部文書を公表。「国会対策費」と称して自公政治家への背広代に消えていたほか、政治資金パーティー券購入など党略的流用が行われていた実態を暴露し、使用実態の公開と党略的・私的流用の禁止を求めました。(全文はコチラ) 

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「事業仕分け」に波紋と問題点うきぼりに

2009-11-19 | 政治

 「事業仕分け」の前半部が終わったが、問題点もうきぼりになり波紋も広がっている。
 毎日新聞が行った集計では、「廃止」と判断したのは計33事業879億円で、「予算計上の見送り」は12事業582億円。「予算縮減」のうち、削減幅を明記したものを含めると、削減額は計約4900億円。また、国庫への返納を求めた公益法人や独立行政法人の基金や貸付金の合計は約9500億円で、削減額と会わせると1兆4000億円を超えるらしい。その中には国民にとって削ってはならないものまで削ってある。

 「事業仕分け」に聖域はつくらないと言いながら、手をつけていないのが政党助成金と軍事費である。政党助成金でいえば319億円、赤ちゃんからお年寄りまで国民一人当たり250円の税金だ。各党(共産党は受けとっていない)の収入に占める割り合い、新党日本が97.5%、民主党が83.6%、自民党が51.4%、社民党が51.1%、国民新党が30%、公明党が18.8%(08年政治資金収支報告書)。使い道は高級料亭の飲み食いから、パーマネント代、貸し植木代、テレビCM放映料、党大会の会場費などなんでもありだ。

 07年の参院選挙では、民主党はテレビCMの広告料などとして90億円の支払いだ。選挙のない年は交付金をあまり使わずためこんで選挙のある年に使っている。毎年交付されるお金が余っても返さない。きちっと返納すべきだ。
 1995年から始まった制度。08年までの14年間で4400億円もつぎ込まれている。「無駄づかいやめて国民生活に」というなら、すぐ、憲法違反の政党助成金は廃止すべきだな。聖域にするなと言いたい。
 政党助成金の2年分があれば、生活保護の老齢加算・母子加算は復活できるのだ。


「事業仕分け」に問題点 人選 規制緩和論者も 内容 労働と医療壊す


小池議員が追及


 日本共産党の小池晃政策委員長は17日の参院厚生労働委員会で質問に立ち、行政刷新会議が進める「事業仕分け」の問題点をただしました。






写真

(写真)質問する小池晃議員=17日、参院厚生労働委


 小池氏は「メンバー自体に大きな疑問がある」と強調し、例えば厚生労働グループの福井秀夫氏は自公政権の規制改革会議・労働タスクフォースの座長を務めた人物だと指摘しました。同タスクフォースは同一労働同一賃金や最低賃金引き上げに反対し、労働者派遣法のいっそうの緩和を求める異常な意見を出しています。
 小池氏は事業仕分けの内容についても、軍事費や政党助成金が対象になっていない根本問題に加え、「新規学卒者への就職支援」の廃止や「パート労働者の均等待遇推進等助成金」の削減など「容認できない」ものがあると批判。「ムダ遣いを洗い出すことは必要だが、労働者保護の観点が全くない人物に行わせれば、労働行政の根幹をゆがめる」とただしました。
 長妻昭厚労相は「行政刷新会議が行う人選に、いい悪いということをいう立場にない」とのべました。かつて労働タスクフォースの意見を痛烈に批判していた細川律夫厚労副大臣も、「個別の評価者について所感は差し控えたい」などと歯切れの悪い答弁に終始しました。
 医療分野の事業仕分けでは、借入金の返済費用などが勘案されないまま開業医の「高収入」が問題視され、診療報酬について「収入が高い診療科の見直し」「開業医・勤務医の平準化」を行うことが結論とされています。さらに、▽一般病床でも入院時の食費・居住費をとる▽市販品類似薬は保険対象外とする―など患者負担増の方向も打ち出されています。
 小池氏は「このような乱暴で非常識な仕分けを行えば、日本の医療はいっそうの危機に陥る。厚労省としてきっぱり拒否すべきではないか」と迫りました。長妻厚労相は「私が責任をもって判断する。(診療報酬の伸びは)プラスにしていきたい」とのべました。

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富士通 正社員切り 派遣か退職か

2009-11-16 | 雇用・労働
富士通マイクロエレクトロニクス(FML)は岩手工場、会津工場あわせて2000人のリストラ計画だという。「派遣になるか、富士通を去るか」進路調査票は二つの選択肢しかないという。退職強要に等しいものだ。
大企業の雇用維持の責任が問われる。鳩山首相、出番の時と思うが。


富士通 正社員切り
子会社岩手工場 2000人リストラ計画 派遣か退職か迫る 2009年11月16日(月)「しんぶん赤旗」


 「非正規切り」に続いて「正社員切り」をすすめる大企業に批判の声が上がっています。約2000人のリストラをすすめている富士通マイクロエレクトロニクス(FML)の岩手工場(岩手県金ケ崎町)では―。(田代正則)


 午前8時50分、深夜勤務を終えた労働者が自動車で出ていきます。10月末の第1次配転・退職で100人近くが工場を去りました。
 FMLは昨年3月、富士通から半導体部門を分社化。年末までに派遣社員100人を削減し、今年1月には、岩手工場で1700人中1130人、会津工場(福島県会津若松市)で1500人中800人を京浜地帯や北九州などの富士通グループ16社へ「再配置」する計画を発表しました。
 労働法では、グループ会社であっても本人の同意なく転籍させることはできません。正社員から契約社員になるよう強要したり退職を強要するのは違法です。ところが、労働者に配られた進路調査票には、「再配置」と「退職」しか選択肢がなく、退職強要に等しい内容でした。
 夜勤明けの40代男性は、「どこでも働こうと再配置先の希望を出したけど、不合格。多くの人が、適性がない、採用枠がないと言われ、不採用になっている」と話します。
 「第2希望で決まらなければ、富士通系列の派遣会社しかない。『派遣になるか、富士通から去れ』と言っているようなものです」
 別の40代男性は、「小学生と保育園児がおり、妻も仕事があるため、配置転換には応じられず、退職せざるを得ませんでした。成果主義が導入されて賃金は下がり続け、楽しく働ける職場ではなくなっていました」。


再配置先は…


 岩手県内に富士通が確保した職場は、300人分。そのうち、40人分の富士通100%出資の介護事業「ケアネット」は、1年契約の非正規雇用です。
 このケアネットには、岩手県に先立ってリストラが始まっている福島県で、政府の「ふるさと雇用再生特別交付金」が使われており、正社員を非正規に置き換える雇用破壊に税金が投入されています。
 人員削減をしながら、工場は24時間フル稼働。勤務時間は、月153・7時間から161・3時間に延び、残業も行われています。
 岩手県では、富士通以外にも、ソニー千厩テック(正社員870人)の閉鎖などで打撃を受けています。9月末現在、来春高卒予定の県内就職希望者の内定率は、39・6%と前年比10ポイント以上ダウンしています。


地域経済守れ


 日本共産党岩手県委員会やいわて労連は、富士通全体の内部留保を使って雇用と地域経済に責任を持つことや違法な退職強要をしないよう求めてきました。
 日本共産党は、退職者を自己都合扱いにして、雇用保険の給付期間が短縮されないよう申し入れました。斉藤信岩手県議が県議会で質問。会社都合の退職として失業給付が受けられることを確認しました。
 いわて労連は、本人の同意もなく他会社に転籍させたり、契約社員になるよう迫ることは違法であり、リストラ・解雇をやめさせようと訴えたビラを地元紙に折り込みました。
 10月には、鈴木露通いわて労連議長と小川英雄福島県労連議長が、日本共産党の高橋ちづ子衆院議員の同席で、厚労省に「正社員切り」ストップを指導するよう要請しました。
 鈴木議長は、「長年、地域に支えられてきた大企業が雇用と地域経済を守る社会的責任を果たすことが求められます。住民や自治体と力をあわせ、雇用と地域経済を守るたたかいを広げていきたい」と語っています。

関連エントリー記事:http://blog.goo.ne.jp/nomidasama/e/29db12743993d8791a56bbe28107bdb6 

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完成しても使えないダムー奈良・大滝ダム

2009-11-16 | Weblog
底の抜けたダムにも驚いたが、完成しても使えないダムが奈良(川上村)にもあるという。大滝ダムだ。完成後の03年に試験的に水を入れはじめるとダム底に向かって集落ごと地滑りだという。費用は当初の230億円から増え続け、3640億円にも。

地すべり地域に建設が始まっている群馬県八ツ場ダム。本体着工はまだだが止めといたほうがいい。今なら間に合うのだから。


2009年11月13日(金)「しんぶん赤旗」から


完成しても使えない


水入れ直後 地すべり


計画当初 230億円 → 6回増額 3640億円


奈良・大滝ダム








図

 長期にわたる根強い反対運動から“東の八ツ場(やんば)、西の大滝”と呼ばれた東西の巨大ダム。奈良県川上村の大滝ダムは2002年に完成したもののダム湖は空です。現地に見ました。(小林信治)


 37戸全員が移転してほとんど無用となった、23億円の最新式の橋を225メートル渡り切ると急な山肌にしがみつくような白屋(しらや)集落です。


 小道や更地となった至る所に亀裂が走り、長さ1メートルを超える裂け目もそのままです。壊されずに残された公民館と2軒の家、物干し台や赤い郵便ポストが寂しげです。





写真
白屋地区の至る所に走る亀裂

 ダム完成の翌03年、試験的に水を入れ始めると、1カ月もたたないうちに集落ごとダム底に向かって地すべりを引き起こしました。


 その6年前の恐怖を元住民は「床下の亀裂は初め指が入る程度だったが腕一本入るまでに広がり、トイレの窓は開かなくなってひし形に、家は前のめりに傾いていった」と語ります。


 「案の定の地すべりだった」と付け加えます。


74年に警告が


 72年にダム計画が明らかにされると、村民の依頼で調査した吉岡金市・前金沢経済大学長、和田一雄・金沢経済大助教授(=当時)が、大滝ダム建設によって「地すべりが拡大することは必至であり、現在までの科学と技ではそれを防止することはできない」と74年に警告。


 奈良県も「ダム湛水(たんすい)により斜面の安定度は低下し、最悪の場合を想定すれば水没斜面の地すべり発生の可能性がある」(78年、同地質調査委員会)と警告していました。


 共産党が繰り返し地すべりの危険を追及しても「十分長年月耐えるような工法等も考えながら対処してまいりたい」(80年、辻第一衆院議員=当時=への国会答弁)と、工事を推進しました。


 集落丸ごとの移転を余儀なくされても村に残った村民は、顔中に深いしわを刻んで「白屋に帰りたい。10月と言えばお祭りでみんな寄って太鼓たたいて酒飲んで、楽しい思い出ばかりだ」と話します。


 別の村民は疲れた表情を浮かべ、40年以上の年月を振り返ります。「残ったのはねたみだけ。あの家は補償でいくらもらった、うちは少ない、などと。先祖代々助け合って暮らしてきた24人の集落が24の心に引き裂かれた」と話します。


 貯水によって白屋が地すべりしたことを国交省が認め、半分まで達した水を放水。住民や共産党がダム湖全体の調査を求めると2006年、大滝、迫(さこ)地区でも地すべり対策が必要と判明。12年までの工事を継続中です。


大災害の恐れ


 地すべり地帯に長野県諏訪湖を超える水量の巨大ダムです。宇民正・元和歌山大学教授は04年、バイオントダムのような災害の可能性を指摘しています。イタリアのバイオントダムは1960年の試験貯水後の地すべりでダム津波が起こり、2000人を超す死者を出しました。


 大滝ダム建設で493戸が移転を余儀なくされ、その3分の2が村を去った重い現実の一方で、ゼネコンの熊谷組、日本国土開発、大豊建設、大成建設、鹿島建設、奥村組などに巨費が注がれました。


 計画当初、230億円としていたはずのダム建設事業費が78年、88年の増額で1540億円へと膨れ上がりました。00年、02年の増額で3210億円へと増額しても止まりません。完成後の地すべり対策とダム維持費などで05年、06年にも増額。計3640億円へと6回も増額したのです。


 大滝ダムのようにダム建設事業費は、国交相が関係知事などの意見を聞き、協議しさえすればいくらでも増額できる仕組みです。ダム本体工事を開始した88年の時点からだけでも建設事業費が2倍以上に増えました。


 当の国交省近畿地方整備局でさえ、「6回の基本変更で進めていくとしか答えようがない」と大滝ダムに、あといくら税金を投入すれば済むか言えません。


 巨費を投じた大滝ダムを簡単に壊すこともできず、かといって存在自体が危険。自民、公明両党のダム推進政策によって、解決策の見いだせない“昭和・平成の難物”となり果てています。


 地すべり地に建設が始まっている群馬県八ツ場ダムですが、本体はまだ着工していません。「ダム中止の方が高くつく」という推進派の言い分を木っ端みじんに打ち砕く事実が西の大滝ダムにあります。


 大滝ダム 総貯水量8400万立方メートル、紀の川水系の重力式コンクリートダム。1965年に建設を始め2002年に完成。国交省が事業主体で、治水から多目的ダムへと目的を変えました。





表




写真
写真
現在も地すべり対策中の大滝ダム

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資本主義の三大災厄ー不破さん講演

2009-11-14 | Weblog

 国民は自民党の古い政治に愛想をつかして審判を下した。政官財癒着の古い政治である。国民との矛盾は、アメリカ言いなり、財界言いなりの政治が大本にある。ここからの脱却なしに真に国民が主人公と言える政治とはならない。民主党を中心とする新しい政権には残念ながら、アメリカ言いなり、財界言いなりの政治を打ち破る姿勢ではない。
 対米追随、利潤第1主義の矛盾は大きい。そのことが国民の目の前に明らかになりつつある時代。

 不破さんが、「マルクスは生きている」と題して東大駒場キャンバスで連続講演をおこなった。セミナーの様子がしんぶん赤旗紙上で紹介されている。その抜粋を紹介しましょう。


資本主義の三大災厄


 「現代のわれわれが突き当たっている問題を見事にマルクスが言い当てていることに気づいた」(中央大学2年生)、「資本主義の矛盾から環境問題を説明した点は実に斬新で新鮮」(東京大学1年生)――。第1回セミナーの最後に不破さんが告発した資本主義の矛盾がはらむ三大災厄(貧困と格差、恐慌、地球温暖化)にも大きな反響が寄せられました。


 不破さんは、結果に責任を負わない利潤第一主義の無責任さをマルクスが『資本論』で「大洪水よ、わが亡き後に来たれ!」と表現し、その害悪をとめる力を「社会による強制」に見いだしたこと、イギリスの工場立法に始まった「社会的ルール」づくりの闘争は「社会による強制」であり、その後の世界がこの方向で大きく動いてきたこと、いま日本共産党がめざす「ルールある経済社会」もまさにその流れにそったものだと強調しました。


 恐慌が、消費と生産との矛盾という資本主義的生産の自己矛盾からひきおこされることを科学的に解明したのもマルクスでした。資本主義は80年前の大恐慌以後、ケインズ理論をよりどころに恐慌を国家の介入で防ごうとしたものの、結局行き詰まり、それにかわって登場した「新自由主義」も貧富の格差の拡大など矛盾を激化させ、ついに世界経済危機を引きおこしました。


地球管理能力


 さらに不破さんは、「地球温暖化はもっと深刻だ」とのべ、18世紀の産業革命以降の急激な温室効果ガスの増加が、31億年にわたる生命と地球の共同作業でつくりあげられた地球大気という“生命維持装置”を壊し始めていることを明らかにし、「資本主義がもしこの危機を解決する力をもたないとしたら、もはや資本主義には地球管理能力がないといわざるをえない」と断言しました。


 参加者からは「自分が今まで大学で学んできた分野では4年間、ついにマルクスの名を聞くことはありませんでした。マルクスのものの見方で今の世界をとらえると、こんなにすっきりと理解できるのか! と思いました。もう少し早くこの見方をしっかり学んでいたら、自分の学問への接し方も少し変わっていたかもしれない」(東京学芸大学4年生)、「『大洪水よ、わが亡き後に来たれ』という言葉はあらゆる面で目に見えるようになってきていると思います。今後の自然発展の壮大なロマンを想像すれば自分一人だけなんとかなればいいという考え方に落ち着いてはいられないと思った」(神田外語大学2年生)などの感想が寄せられています。 (全文はこちらから、どうぞ) 

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出るわ、出るわ 鳩山首相をめぐる「カネ」の問題

2009-11-14 | 政治
 真相解明はどうしても必要だ。
 今度は「資産等報告書」「資産等補充報告書」(02年~08年)の記載漏れがあったと訂正の届け出だ。33件におよぶ訂正を衆院事務局に届けている。
 鳩山首相は保有株の売却で得た7000万円を超す所得を税務申告していなかったことが判明したばかり。「故人」献金の虚偽記載とともにカネをめぐるずさんな届け出の実態が浮き彫りに。

 「資産等報告書」の記載漏れは、長谷川コーポレーション7000株、NTTドコモ10株、帝人10万株、松下電器2884株、ソニー1500株の5銘柄の記載漏れ。
 1年間に増えた資産を報告する 「補充報告書」では、計12銘柄の記載漏れ。内訳は、05年分がJFEホールディングス5100株、トヨタ自動車3300株など、08年分は東急不動産3万7000株、商船三井2万1000株、三井物産1万1000株、パナソニック7000株、九州電力4300株など。

 精査したらわかった、出てきたと、いったいどれだけの株を所有しているのだ!!ろう。
 「故人」献金に、「匿名」献金。偽装献金疑惑の構図(しんぶん赤旗)はこうだ。


鳩山献金 偽装の構図


 底なしの様相をみせる鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」(友政懇)をめぐる偽装献金疑惑。これまでに明らかになった疑惑の構図はどうなっているのか。これから解明すべき点はなにか。そして問われる首相の責任は―。(「政治とカネ」取材班)


 鳩山首相の偽装献金疑惑の発端は、友政懇の政治資金収支報告書に、故人や献金していない人の名義が使われていたことが明らかにされたことです。


7割以上がウソ


 鳩山首相は6月30日の記者会見で、虚偽献金について、2005年~08年の4年間で、のべ193件、総額2177万8000円だとしました。


 友政懇の政治資金収支報告書に、5万円を超す献金をしたとして名前が記載されていたのは、この4年間で、のべ261件。じつに実名献金の73・9%がウソだったことになります。


 鳩山首相の代理人の弁護士は、05年以前にも虚偽献金があることを認めました。本紙の調べでは、鳩山氏側が05年以降、架空名義と認めた人物と同姓同名、同住所の個人による献金が、1998年~04年の報告書に、実人数で39人、のべ79件、総額1600万円にのぼることがわかっています。


「匿名」年700人超


 政治資金規正法は5万円以下の個人献金については、名前を記載しなくてもよいことになっています。いわゆる小口の匿名献金です。


 鳩山氏の友政懇は、04年4749万円、05年3969万円、06年3682万円、07年2779万円、08年2666万円―と、5年間で約1億8000万円、年平均約3600万円の小口献金があります。


 これは、他の政治家の資金管理団体と比べても、特段に多いものです。


 たとえば、民主党の小沢一郎幹事長の「陸山会」は450万1199円、自民党の谷垣禎一総裁の「政経文化研究会」は80万5000円(いずれも08年)といった具合です。


 年平均約3600万円、仮に全員が5万円の献金をしたとしても、毎年700人以上の「匿名」献金者がいたことになり、虚偽記載の疑いが指摘されています。


パーティーでも


 友政懇は、年1回、「鳩山由紀夫サイエンスフォーラム」という政治資金パーティーを開催。04~08年の5年間にそれぞれ約4200万~5800万円の収入があり、総額約2億4800万円にのぼります。


 会計実務担当者の元公設第1秘書は、収入を実際よりも多く見せかけるため、水増しして収支報告書に記載していたことが関係者の話でわかっています。


 まさに、偽装献金疑惑は広がるばかりです。


資金引き出し 首相みずから指示


 鳩山首相は当初、「私の個人資産の普通預金から必要なつど、担当者に引き出させて預けていた」と、虚偽献金の原資について、説明していました。


 ところが、ここにきて浮上してきたのが、鳩山家の資産管理会社「六幸商会」(東京都港区)の存在です。


 4日の衆院予算委員会で、鳩山氏は、会計実務担当者の元公設第1秘書が六幸商会から資金を引き出す際、その手続きに必要な「指示書」に署名していたことを明らかにしました。


 「『お金が足りなくなりました』ということで、六幸商会に管理してもらっている私の口座から、貸してください、引き出させてくださいということに、私が(指示書に)署名しているのは事実」と首相は、資金引き出しへのみずからの了承と関与を認めたのです。


 9日の参院予算委員会では、元公設第1秘書が引き出した資金について、「毎年数百万円から、あるいは数百万を超えていたかもしれない。年に何回か、引き出すことに署名した」と答弁。10日の同委員会では、6年間にわたって年平均約5000万円を引き出し、政治資金などに充てていたことを明らかにしました。


 首相が調べたのは6年間だけですが、少なくとも3億円にのぼるカネを引き出し、政治資金収支報告書に虚偽の報告をしていた疑いがあります。


 政治資金規正法は、政治献金について「民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財」と定義。虚偽記載に禁固5年以下、100万円以下の罰金という厳しい罰則を設けています。


 鳩山氏の「政治とカネ」の問題について、世論調査(「読売」10日付)では、「説明責任を果たしているとは思わない」人は73%に達しています。


 首相の疑惑は重大であり、鳩山首相は、みずからの関与をふくめ、説明責任を果たすべきです。





図

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日米首脳会談 普天間問題先送り

2009-11-13 | 政治
対等平等の外交を示すというなら、真正面から沖縄の心をオバマ大統領に伝えるべきべきだった。であってこそ、基地のない平和な沖縄をとりもどす一歩とすることができる。


日米首脳会談:同盟の深化へ協議開始 普天間移設は先送り 毎日JP



共同記者会見を終え、手を振るオバマ米大統領(左)と鳩山由紀夫首相=首相官邸で2009年11月13日午後9時6分、平田明浩撮影
共同記者会見を終え、手を振るオバマ米大統領(左)と鳩山由紀夫首相=首相官邸で2009年11月13日午後9時6分、平田明浩撮影

 鳩山由紀夫首相は13日夜、オバマ米大統領と首相官邸で約1時間半会談した。首相は10年の日米安全保障条約改定50年に向け日米同盟の深化を目指す政府間協議を始めることを提案し、大統領も同意した。両首脳は同盟関係を基礎に、地球温暖化対策や核軍縮など世界規模の課題で日米協力を進めることで一致。懸案の米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題は結論を先送りしたが、同県名護市辺野古に移設する日米合意通りの早期決着を大統領が迫る場面もあり、日米間の認識の違いも残した。
 政府関係者によると、普天間問題は大統領が取り上げ「早ければ早いほどいい結論が出せる。そうすれば新しいテーマに移ることもできる」と指摘。首相は「前政権の合意は重要だが(衆院)選挙で県外・国外(移設)と言ったことも理解してほしい。沖縄県民の期待も高まっている。必ず答えは出すので私を信頼してほしい」と述べ、日米の閣僚級作業グループを設置して協議し早期の解決を図ることを確認した。
 一方で両首脳は同盟協力の強化をアピール。会談後、共同記者会見を行い、首相は「日本外交にとって日米同盟がすべての礎だ。世界環境の変化によって日米同盟をさらに深化・発展させ、建設的、未来志向の新しい日米同盟を作り上げていきたい」、大統領も「両国だけでなくアジア太平洋地域の安定と繁栄のための基軸だ。同盟関係を強化し、新たなパートナーシップを作りたい」と強調した。
 また、首相は海上自衛隊によるインド洋の給油活動に代えアフガニスタンへの民生支援を充実させる方針を説明。5年間で50億ドル拠出することを伝え、大統領は謝意を表した。
 核軍縮では、大統領が「首相と『核のない世界』というビジョンを共有している」と表明した。首相は「日本国民も期待しているので、機会があればぜひ行っていただきたい」と広島、長崎訪問を要請。大統領は「将来、訪問できれば名誉なことだが、短期的には訪れる計画はない」と述べるにとどめた。
 首相は「東アジア共同体構想」について「アジアにおける米国の存在が高まることを期待したい」と米国の関与を前提としていることを強調。大統領も「アジアの重要なプレーヤーとして積極的に関与していく」と応じた。
 オバマ大統領は13日午後、大統領専用機で羽田空港に到着した。1月の就任後、初の来日。鳩山首相との会談は9月の米ニューヨーク以来2回目。アジア歴訪の皮切りで、14日に東京都内でアジア政策演説を行い、シンガポールに向かう。

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