S家の別宅

夫婦ふたりきりになりました。ふたりの生活をこれから楽しみたいなと思います。

さよなら、ひとつの懐かしい時代。

2006-11-08 16:46:32 | Weblog
眠る前にマックス・エルンストの「百頭女」という本を開いてみていた。挿絵・・・・奇妙な挿絵のある小説ではない画集?のような本でその絵の題名が奇妙な物語のようになっている。鳥類の王ロプロプとかが出てきて、その奇妙な絵を見ながら眠りに入ったので、ものすごく変な夢を見た・・・・・・


高校生の娘は自己推薦の大学の受験で今日から出かける。実技、小論文、面接、調査書で合否が決定される。なんとかがんばってほしい。調査書は履修不足などがあったため、担任の先生がもう一度、大学に送りなおしてくれた。今年の受験生はこんなんでバタバタしている。


東京の中野にわたしが学生の頃、足しげく通っていた「クラシック」という喫茶店があって、今にも壊れそうな窓や、椅子、テーブル・・・・それでもここはとても落ち着ける場所で隣にあった古本やさんで本を買ってはいつも同じ場所にすわって時間を過ごしていた。長女が大学生の頃、このクラシックはまだ健在で、長女も母と同じ場所にすわっていた。下の娘にもここに行ってほしくて東京に行ったら行っておいでと言っていたのだが、この店は3年前になくなったということをきのうネットで知った・・・・・・ものすごく淋しくなった。ひとつの時代が消えてしまったような気がした。長女もとても残念がっていた。
もう30年以上も時代を見続けてきたあの店は、いや、あの頃もう古かったのだからきっと昭和の初めごろ出来たお店だったと思う、昔のまま建て替えもなく、傾いたままで時を経ていたのに・・・・淋しいよお、わたしはあの店にすわっていた20歳の頃、いつか同じこの椅子にわたしの娘が座るなんて夢にも思わなかったのに、それが現実にあったときはうれしかった、懐かしかった、そしてなくなったと知ったきのうは泣きそうに淋しくなった。

田舎の古いバスのように、破れて中のクッション材が見えていた椅子・・・・曇りガラス、冬にはだるまストーブ、そして蝶ネクタイをした店長のおじさん、コーヒーに角砂糖ふたつ、ブリキのきたない灰皿、半日いてもかまわずいてくれた店長さん、学生時代のお金のない、それでもひとすじ夢を追っていた肩ごし・・・・・


さよなら、あの頃、さよならわたし。
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