NOHEA 'ILIO

僭越ながら、屋号犬神屋を名乗らさせていただいております。
19年春、ホノルルからラスベガスに転居してまいりました。

鬼来迎

2011年02月07日 | Weblog
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なぜデスカ?
なぜなのデスカ?
一日のお仕事を終えて、疲れて帰ってきた、えみ子の大事なお父さんに対して
開口一番
「お帰りなさ~い!はいっ!これカブって!」
と、お母さんが、居丈高にこう言い放ったではないデスカ。

状況を把握できないまま呆然と立っている、えみ子の大事なお父さんに、有無を言わさず、あれよと赤鬼の面をつけさせて
「福はうち~っ!鬼はそと~っ!福はうち~っ!鬼はそと~っ!
鬼の目ン玉、ブッ潰せぇぇぇ~っ!!!」
やにわに突然、怖ろしい奇声を発しながら
えみ子の大事なお父さんを、鬼よばわりしただけでは飽き足らず
お母さんは、むんず!と、殻つき落花生を鷲掴みにしたかと思うと
こともあろうに、えみ子の大事なお父さんに向かって、思いっきり投げつけて、揚げくの果てに追い回し始めたではないデスカ!?
「ボクは鬼じゃない、ほんとうはエンジェルなんだ~!(英)」
嘆き悲しみながら、家じゅうを必死で逃げ惑う、えみ子の大事な、なんて可哀想で不幸なお父さん!
逃げて!
お願い!
お父さん逃げて~!

お母さんは、それはそれは嬉々として(鬼々として)
金色のマナコを爛爛と輝かせながら
「福はうち~っ!鬼はそと~っ!福はうち~っ!鬼はそと~っ!
鬼の目ン玉、ブッ潰せぇぇぇ~っ!!!
うわっははははははは~っ!!!」
不気味なまでに頬を紅潮させて、下卑た笑い声をあげながら
えみ子の大事なお父さんを、豆のつぶてで容赦なく打ち続け
執拗に残虐に、断崖絶壁の果てまで、無慈悲に追い立てて行ったのデス。
「タスキテ~!ダリカ、タスキテ~!ガオオオオオオオ~ッ!!!」
血の涙を溢れさせながら、いつしか赤鬼の面が啼いていマシタ。
えみ子の大事な、なんて可哀想で不幸なお父さん!
逃げて!
お願い!
お父さん逃げて~!

なぜデスカ?
なぜなのデスカ?
コノ暴虐は、なんデスカ?
コノ蛮行は、なんデスカ?
その赤鬼は、ほんとうの鬼ではありません。
えみ子の大事な、優しい優しいお父さんなのに!?
言語道断!
理不尽極まりないこの仕打ち!
こんな非道が、ゆるされてしまうのはなぜデスカ!?

お母さんは
「さっ、私ったら、こっちに取り分けておいた煎り大豆、トシの数だけ食べるから
鬼はとっとと、家中の床に散らばった、殻付き落花生拾っといてちょうだいな。
さ~、お茶煎れよ~♪ほ~ほほほほほほ!」

えみ子は犬なので、鬼やらいの意味がわかりマセン。
でも。
えみ子は犬だからこそ、本物の鬼の見分けがよくつきマス。
………
お父さん。
お願い。
どこまでも逃げて~!




コメント
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