まだ寒い3月の里山、フクジュソウの花に出会うとホッとして温かくなります。
開いた花の中に、虫が入り込んでいます。
フクジュソウは虫によって受粉をしてもらう、虫媒花です。
ですが、虫を引き寄せるための蜜は見当たりません。
フクジュソウの虫を呼ぶ知恵は、寒い時期の温かさの提供だそうです。
花の色、パラボナアンテナのような形、陽を追う構造で温みを集めるのだとか。
花が集めた温みが身体にしみわたり、心地よさそうで、じっとして動きません。
この位置が、花の中では一番温かい場所なのでしょう。
アップで見ると、花粉の出る雄しべの先の葯の部分に手足がかかっています。
こんなふうにして暖を取るうちに、花粉が体についてしまうのでしょうか。
少し身体の大きな昆虫が花の中心に止まっていますが、ニホンミツバチでしょう。
黄金色の花弁が白く光って写るのは、花弁が陽の光をいっぱい受けている証です。
このハチ、暖をとっているようには見えませんので、花粉集めでしょうか。
いずれにせよ、フクジュソウにとっては、作戦どおり受粉を成し遂げられます。
里山は、一昨日から昨日の朝にかけて早春の雪に見舞われました。
昨日は一日曇天で、フクジュソウは花を閉じ、雄しべや雌しべを守っています。