ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

眺めのいい部屋

2018-06-24 11:07:37 | 映画のレビュー
  
<font size="2">映画「眺めのいい部屋」を観る。これも、高校生の時、劇場公開された時、映画館まで見に行って、それから大学時代何度も見た! という思い出の映画。

それなのに……それなのに、ずーっと見ていなくて、この度観る機会ができたのが、とってもうれしい!
ストーリーは、うんと年取った従姉に付き添ってもら、イタリアはフィレンツェにやって来た、イギリスのお嬢様ルーシー。彼女たちが泊まったホテルは、アルノ河が見えない「ひどい部屋」を用意していたため、「眺めのいい部屋」に泊まっていたイギリス人父子と部屋を交換。

この息子の方であるジェームスがとってもハンサムで、なぜかルーシーに気があるよう(このルーシーって、背は低いし、なんか気が強そうだし、可愛い女の子のハンチューからずれていると思うんだけど)。
そして、ある日、郊外に皆でドライブした後、ジェームスがつい、ルーシーにキスしてしまうというアクシデントが。
あわてた、従姉のオールドミスのシャーロットは、ルーシーをイギリスに連れ帰るというわけですが、なぜか実家の屋敷に落ち着いたルーシーは、気が強く、自由が好きな気性に似あわず、おとなしく結婚の道を選ぶことに。

そのフィアンセとなって現れるのが、セシルという金持ちで、教養あふれる男(これを、ダニエル・ディ・リュイスが演じているのだが、二枚目スターとは思えない、黒ひげに鼻眼鏡というイヤミなインテリゲンチャに扮しておりまする)。
そこに、イタリアで別れたはずの、例の父子が現れて――というのが、全体のストーリー。
     


ストーリーも、出てくる俳優もよく知っていて、私としては懐かしい人に再会したような気分で、映画を観ていたはずなのだけど、う~ん、やっぱり記憶とは違う!

この映画、いつの間にか「名作」ということになっていて、今も多くのファンを持つらしいのだが、果たして、これ、そんなによくできた映画?
とかつて、好きだったことも忘れて、そう思ってしまう私。  これって、こっちが年とったせいだけじゃない、と小さく心でつぶやいたりして


全体に小品という感じがするし、この時代のイギリス人は風光明媚なイタリアに憧れ、ここでもフィレンツェはルーシー、ジェームスという若い二人の恋が燃え上がる場所であるはずだのに、なんかいまいち、という感じ。
私が、昔行ったフィレンツェの方が魅惑的だったぞーと思ってしまう。

それでも、当時二十歳くらいだったはずのヘレナ・ボナム・カーターの初々しさは、いいな。小柄で、くせのある表情――でも、私は昔から、この女優さんが何だか好きなのであります。
若い頃は、こういう名門の出でありながら、気が強く、型にはまった考え方を嫌い、少し頼りない優し気な美青年と恋に落ちる役柄を多く演していて、実際の彼女もそういう人だろうと思っていたのに、奇人監督ティム・バートンなんかと結婚して、性格俳優になってしまった……人って、わからんねえ。

今度は、「モーリス」とか「ハワーズエンド」ももう一度観たいな。 私の青春時代は、古き良き英国を描いた、薫り高い映画が流行ってました。懐かしい…。
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