僕の勤め先で設備を買うことになった。2000個くらいのパレットを収容できる大型の棚だ。ネットで調べた業者にきてもらって話をした。
その翌日、突然、知らない会社から携帯電話に電話がかかってきた。
「荷物の保管でなにかお手伝いできることはありませんか?」
大型の棚を扱っている会社のセールスマンからの勧誘だ。その会社は聞いたこともないし、その会社の人に会ったこともない。当然、僕の携帯電話の番号なんぞ知っているわけがない。ところが、そのセールスマンは僕に対してピンポイントで電話をかけてきた。しかも、ちょうど大型の棚を探し始めたばかりのときに。
きっと僕の勤め先の誰かが僕が大型の棚を探しているとそのセールスマンへ連絡して、僕の携帯電話の番号を教えたのだろう。もちろん、目当てはキックバックだ。
抜け目がないといえばそうなのだけど。
いやはや、びっくりした。
(2014年4月30日発表)
この原稿は「小説家なろう」サイトで連載中のエッセイ『ゆっくりゆうやけ』において第296話として投稿しました。
『ゆっくりゆうやけ』のアドレスは以下の通りです。もしよければ、ほかの話もご覧ください。
http://ncode.syosetu.com/n8686m/