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風になりたい

自作の小説とエッセイをアップしています。テーマは「個人」としてどう生きるか。純文学風の作品が好みです。

賄賂文明3 ~素早い裏情報(連載エッセイ『ゆっくりゆうやけ』第296話)

2015年07月08日 00時15分45秒 | 連載エッセイ『ゆっくりゆうやけ』
 
 僕の勤め先で設備を買うことになった。2000個くらいのパレットを収容できる大型の棚だ。ネットで調べた業者にきてもらって話をした。
 その翌日、突然、知らない会社から携帯電話に電話がかかってきた。
「荷物の保管でなにかお手伝いできることはありませんか?」
 大型の棚を扱っている会社のセールスマンからの勧誘だ。その会社は聞いたこともないし、その会社の人に会ったこともない。当然、僕の携帯電話の番号なんぞ知っているわけがない。ところが、そのセールスマンは僕に対してピンポイントで電話をかけてきた。しかも、ちょうど大型の棚を探し始めたばかりのときに。
 きっと僕の勤め先の誰かが僕が大型の棚を探しているとそのセールスマンへ連絡して、僕の携帯電話の番号を教えたのだろう。もちろん、目当てはキックバックだ。
 抜け目がないといえばそうなのだけど。
 いやはや、びっくりした。

 


(2014年4月30日発表)
 この原稿は「小説家なろう」サイトで連載中のエッセイ『ゆっくりゆうやけ』において第296話として投稿しました。
 『ゆっくりゆうやけ』のアドレスは以下の通りです。もしよければ、ほかの話もご覧ください。
 
http://ncode.syosetu.com/n8686m/

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