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IT時代の休暇・・・「想定外」に備える時間

2012-08-04 | トーションレース&繊維資材
今日は、『休暇』というものについてのインタビュー記事を転載してみます。

はじめは難しい話に感じますが、最後まで読んでみますと、誰しもそうだそうだと頷けるお話ですので、

引き込まれてしまいますので完読してみて下さいね・・・


~以下、8月4日読売新聞朝刊より抜粋~

IT時代の休暇 岩井克人氏
 酷暑の中、夏休みは西洋と決めた人も多いだろう。それも大事だが、今、先進諸国ではIT化、グローバル化によって、休暇の持つ意味まで、様変わりしつつあるようだ。時代に対応する賢明な休暇の過ごし方とは、経済学者・岩井克人氏に訪ねた。

(聞き手 尾崎真理子)




 国際基督教大学客員教授、
東京大学名誉教授。1947年、
東京都生まれ。専門は経済
理論。主著に「貨幣論」(サン
トリー学芸賞)、「会社はこ
れからどうなるのか」(小林
秀雄賞)など。
 










 ■延びない日本の休暇
――日本の有給取得率は約48%。日数は先進諸国で最短とのデータもあり、夏の休暇もなかなか延びません。
「休暇と休日は違う。日本には国民が一斉に休む休日や祭日はあっても、休暇の概念がない。資本主義活動のことを英語でビジネスというが、それは忙しいとか暇がないという意味。休暇という制度は、いち早く資本主義化したヨーロッパで、長時間労働に苦しんだ労働者が長年かかって勝ち取ってきた」
 「その結果、例えばフランスでは、夏は本当に1か月バカンスに行くし、社会党政権に成って、さらに休暇の長期化を目指すという。欧米全体としては長引く不況で雇用不安が強まり、休暇が短くなる傾向が出ている。グローバルな競争が激化した結果、休めば発展途上国の労働者に職を奪われかねないという。危機感も増している」
~中略~
 ■情報技術が生む「階級」
――厚労省では2週間の長期休暇を奨励し始めているものの、IT化で労働は軽減するどころか、携帯電話や電子メールから、休暇中も解放されにくくなりました。
「欧米ではもっと大きな問題が浮上している。安定した中流層をなしてきたホワイトカラーの事務職が、IT化によって、またはITに習熟したインドの労働者などによって、職場を追われ始めた。ホワイトカラーの中でも、コンピューターに新しいアイデアを詰め込むことができる人と、コンピューターに仕事を奪われる人との間に、分岐点が生じた。以前の資本家と労働者の対立とは別の、新たな階級差が生まれつつある」
――岩井教授がかねて指摘されてきた通り、「ポスト産業資本主義」の時代が訪れたのですね。
「そうです。資本主義の先進諸国では、利潤の源泉が人間の頭の中の知識や能力に変わってきた。従業員、技術者、経営者が、それぞれ主体的に、新たな市場や製品の開発を目指さなければ勝ち残れない」
 「イノベーションを生み出す発想力を何より求められるような米国の一流企業では、週5日のうち4日は会社のため、残り1日は自由に時間を使って結構、但し想像力を磨いて下さい、と。仕事と休みが地続きになりつつある」

「想定外」に備える時間

創造力の源泉
――欧米が日本に近づいた訳ですか。
「ええ。残念ながら(笑)。アフリカの5万年前の遺跡から発掘された装飾品や、日本の縄文時代の火焔(かえん)式土器などを見ていると、食べ物を探す仕事はさて置いて、創造的な文化活動に時間を使ってしまう、人間の本領が伝わってくる。むしろ近代に成って生産と休暇を区分したのが、不自然だったかもしれない」
――その「想像力」を高める休暇の妙案はありますか。
グーグルには申し訳ないが、パソコンを開けないのが一番(笑)1週間休暇がとれたならば、古典をじっくり味わってほしい。インターネットの検索で手に入る情報は、誰の手にも入る。他の人と異なりたかったら、逆説的だが、百年、千年と生き残ってきた古典を読むべし。人の先を行く情報を探し回っても、ほんの一瞬の差でしかない。もはや古典しか、創造力を生み出す源泉はない」
――古典に浸るのは勇気がいりますね。
「確かにビジネスと直結する情報などないし、一生、役に立たないように見えるかもしれない。しかし3・11は、現代社会がまさに『想定外』の事態に常に直面していることを、不幸にして示してしまった。英国の哲学者B・ラッセルは『怠惰への賛歌』という書物で、実用的でない研究が認められない世の中に成ると、文明の利益は守れないと述べている」
 「古典の読書や純粋理論の研究などは、一見すると無駄だ。だが、想定外の事態が起こってしまった時に、動じない見識を持ち、的確な判断をするには、まさに古典や理論しか頼るものはない。真のリーダーとはそのような備えのある人間であり、文明とはそういう人間の層の厚さによって守られてきたという。我々にとっても、一見無駄に見える休暇とは、個々の人生における想定外の難問に対する、備えの時間なのだ」
若いうちは読書を
――成るほど。では子供はどう過ごせば良いでしょう。
「創造的な仕事をする人と、しない人の間で広がる格差が、子供世代にも及び始めたと聞く。創造的ホワイトカラーとして生き残る親達の方が、子供の創造力をコンピューターが損ないかねないのを知っているから、パソコンやゲーム機を安易に与えない勇気を持っている。若いうちになるべく読書をさせ、体力づくりもさせる。機械の使い方なら、iPadを商品化したスティーブ・ジョブズのような人が、いずれ簡単にしてくれるから、必要になってから学んでも遅くない」
――ところでご自身はどの様な休暇をお過ごしに?
「当然、古典と向き合う、と胸を張りたいところだが、しょっちゅうネットでニュースなどを見てしまう(笑)。研究や執筆のため以外には目をあまり使いたくないから、iPadで本の朗読をよく聞いている。サッカレーの『虚栄の市』から現代宇宙の解説書まで、それこそ手当たり次第。最近では英米の大学の脳科学に関する講義を聞く事もある。今や誰もがどんな古典、一流の授業にも手が届く。実はネットもそのためには活用できる」


コメント (2)
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