石原延啓 ブログ

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nobuhiro ishihara blog 

ヨーロッパ、重いです

2010-03-28 07:38:35 | Weblog


3/24
前日ウィーン入りしたルーカスと私の為にエドガーが幼なじみでプロのガイドであるアンゲヘルにウィーンの市内観光をお願いしてくれた。
主にシュテファン寺院周辺を歩いてまわる。
眼鏡を掛けた牛と狼(カソリックとプロテスタントの揶揄)の壁画とか仕掛け時計とか比較的渋いところからスタート。時々エドガーの「ここのチョコレートの包装が素晴らしいから日本へのお土産に最適だ」みたいなチャチャが入りコースが脱線するのが楽しい。私が大騒ぎしていたイエズス会の祭壇の巨大なウサギの写真も明らかに現代美術家に依頼した作品だということも分かり納得。海千山千のアーティストである彼らも面白がっていた。



そして皇帝納骨所へ。
歴代皇帝の棺が並ぶこのお墓が観光化されているのにも驚かされるが、実際に棺を目の当たりにすると強烈な歴史の重みがドカンと肩にのしかかってくるような錯覚を覚える。本で読んだ強烈なキャラクターたちの死骸がすぐそこで眠っているのだ。
ルーカス曰く「ここにから人間社会のもつ典型的な構図が見て取れるよね。力のあるものが弱者を搾取するという構図は昔も今も少しも変わっていない。アメリカンデモクラシーなんて幻想だよ。金持ちが皇帝にとって代わって奴隷制をひいているようなものさ。」
穏やかなルーカスが思わず自国批判をしてしまうのも、この場所がもつ異様な力のなせる業か。
「ヨーロッパの歴史は重い。若い頃はそこから逃れたくてアメリカに渡った。でも結局アメリカにも本当の意味での自由なんてなかったけれどね。」エドガーが続ける。
反吐を吐きたくなるような歴史の重み。近代になって降って湧いたような印象があるヒトラーだってハプスブルグとナポレオンに続く3番目の帝国を名乗った。すべては抗することのできない大きな流れの上にある。それがヨーロッパ人のアイデンティティの源であることは間違いない。



ショッピング街・グラーベンに通りかかるたびに、道路のまん真ん中に異様な形をして立つモニュメントが気になっていた。これはペストの記念柱。エドガー曰く、形やコンセプトは違えども欧州の各都市には似たようなモニュメントが必ずあるということだ。これもまたヨーロッパの持つ歴史の暗い側面だろう。

シュテファン寺院内で腕自慢の大工の話とかをハ~ハ~とか聞いているとピラミッドにぱちくり眼の図像を発見。「僕の叔父さんはフリーメイソンだったんだよ」とルーカス。日本人にとっては「ダビンチ・コード」ほとんど空想の世界にあるフリーメイソンだけれども西洋の人にとっては意外と身近な存在であるようだ。
尤も三角中に眼の画像は直ちにフリーメイソンを意味する訳ではないようだが。。。

夜は丁度アンゲヘルの旦那さんTiziano Ducaが指揮をするコンサートがあるというのでコンツウェルトハウス
へ。中フォールだがオーケストラでイタリア近代~現代音楽の演奏を聴く。モーツアルトとかはちょっとな~という感じだし、この滞在中に現代音楽を聴こう!というほど気合いは入っていないので丁度良いプログラム。
Jacopo Foroni、Giuseppe Martucci、Guido Alberto Fanoが作曲家の名前。ノーノとかシャリーノとかまでは知っているのだけれども。。。指揮者のTizianoはとても気さくな人(イタリア人)で「イタリア人でさえ誰も知らないよ。」と笑っていた。個人的には美人のピアニストが入ったFanoさんの曲と彼女のアンコール曲が現代ものだったので好きだった。

その後エドガー家の近所で安くて美味いオーストリアン料理を食す。
私はトロトロチャーシューにポテトを添えたもの。コールスローも付いて来て満足。ワインを2杯のんで12€ってのは本当?
ここでは三位一体とは何なの?父と子と精霊の精霊、スピリットって何なの?みたいな話をする。スピリットは移動する。イースターには卵に宿る。ちなみにもう片方のウサギがイースターの象徴である理由は「ファック沢山で子沢山だから」とのこと。
イエズス教会の祭壇のウサギが死骸の写真でもOKなのは、スピリットは移動するって理由で問題なしなのかな。

ドイツ(語圏)人の持つ自然に関するメンタリティーは特別という話は面白かった。(cf グリム童話。)近世ドイツのロマン主義が自然愛を再燃させた?フリードリッヒ2世が経済対策で森を再生させたのも影響?
実際にエドガーが春になるとハーブをつんで自らハーブティーを作る話とかジャムを作る話とか中世の魔女を想起させられる。
ヨーロッパ。面白いです。




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