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つれづれ

思いつくままに

気になる テレビドラマ、二つ。

2018-08-26 18:20:58 | 

訳あって、読売新聞を購読しています。
朝日新聞との違いが、おもしろい。
同じ出来事を表現するのにも、見方が変われば こうも書き方が異なるものかと、その違いを楽しんでいます。

朝日の‘天声人語’に相当する欄として、読売に‘編集手帳’があります。
このところの‘天声人語’に もの足りなさを感じていたせいもあるのですが、‘編集手帳’に はまって愛読しています。
‘編集手帳’の記者は きっと、かなりの読書家なのでしょう、引用が憎らしいほどピタッとくるのです。
引用された書物の好みが わたしと同じらしいことが、‘編集手帳’を気に入った理由かも知れません。


少し前になりますが、読売新聞8月3日朝刊の番組面‘試写室’に、NHKテレビドラマ『透明なゆりかご』が紹介されているのが 目を引きました。
海辺の街の小さな産婦人科を舞台に 命を扱うことの意味を 17歳の看護助手の姿を通して描くドラマ、その第3話が取り上げられていました。

‘試写室’に、こう あります。
「産婦人科医院で看護助手のアルバイトをしているアオイ(清原果那)は、いつも不機嫌な妊婦のさおり(田畑智子)に、ミスをするたびに罵倒される。あるとき、アオイは看護実習で市民病院に行くが、病室でさおりが悲しげに誰かに付き添っている姿を目撃する。…様々な出産の形を丁寧に描くために、手の握り方一つで心の距離を表現するなど、演出が秀逸。ときに重い内容を含むが、清原の透明感のある演技が一服の清涼剤になっている。陣痛と、行き場のない怒りによる心の痛みが同時に襲う場面での、さおりの叫びは涙なしには見られなかった。」

‘試写室’の記者の川床弥生さんは「さおりの叫びは涙なしに見られなかった」と書いていますが、さおりの行き場のない怒りを理解して さおりに懸命に寄り添う看護師見習いアオイのたたずまいにも、わたしは心を揺さぶられました。
川床さんの表現を借りて、主人公アオイ役の清原果那の“透明感あふれる演技”を、わたしは好ましく思います。

この‘試写室’の記事に触発されて、第1話と第2話を録画で、第3話からはリアルタイムで、『透明なゆりかご』を観ています。
男のわたしには根本のところで完全に理解することはできないテーマばかりですが、アオイの感受性豊かな目線から発する何気ないひとことに、命とは何かとの問いかけに、毎回ドキッとしています。

脇をかためる俳優さんたちにも恵まれたドラマです。
産婦人科院長役の瀬戸康史、ベテラン看護師長役の原田美枝子、先輩看護師役の水川あさみ、みんなわたしの好きな俳優さんたち。
それに 各話ゲストには、個性的な役者さんばかり。

「命には、望まれて生まれてくるものと 人知れず消えていくものがある。輝く命と透明な命… わたしには、その重さはどちらも同じに思える」
主人公アオイの、心の声です。
透明な命のゆりかごになってあげたい、アオイは自然にそう思っているのでしょう。
‘透明なゆりかご’の深い意味が、このドラマを見ながら 少しずつ判ってくる気がします。


いまは 録画という強力な武器があるので、以前なら まず見る機会のなかった深夜放映のテレビドラマも、簡単に見られるようになりました。
おかげで、テレビっ子は大忙しです。

金曜日深夜のABCテレビで放映されているドラマ『dele』が、身じろぎすらできないくらい おもしろい。
このドラマを、朝日新聞8月23日朝刊「きょうの番組から」の ‘記者レビュー’で知りました。
この‘記者レビュー’には、『dele』の第3話が紹介されていて、作家の高橋源一郎が出演していると書いてありました。
どんなドラマなんや と、長期録画を再生したのが、はまる一歩でした。

フリープログラマー(山田孝之)とその相棒(菅田将暉)コンビが、写真などのデジタル遺品の消去を請け負う、毎回一話完結ドラマ。
そこに、フリープログラマーの姉の敏腕弁護士(麻生久美子)が絡んで、ストーリーをミステリアスな世界に引き込んでいきます。

第3話は、過激派学生の末路にかかわるストーリーです。
ですが、過激派学生そのものを描くのではなく、過激派学生の恋人(余貴美子)と 彼女を28年間も監視続けた公安協力者(高橋源一郎)を通して、むなしく長い時間の経過と そこに鏤められた細やかな希望を、紐解いていく展開です。
言葉で、このドラマのおもしろさを表現することは不可能です。
ドラマを観るしかない、だから第1話も第2話も、そして第4話以降も、録画で食い入るように観ています。

人は誰しも、消して(delete)しまいたい過去を持っています。
一昔前まで、死が、そういう過去を消去していました。
しかし、今はスマホやPCが、人に知られたくない過去をそっくり残して、死んだのちにも生きています。
デジタル遺品、怖い遺物です。
そんなデジタル遺品を題材にしたこのドラマ、おもしろくない訳がない。

デジタル遺品を『dele』という小説にした本多孝好氏、それをドラマ化すべく本多孝好氏に脚本を依頼し 連続テレビドラマに仕上げたテレビ朝日プロデューサー山田兼司氏に、心から感謝をささげたい気持ちです。

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「やれば出来る」は魔法の合いことば

2018-08-14 21:24:45 | 
いま、高校野球がおもしろい。

100回目の記念大会となったこの夏、星稜OBの松井秀喜さんの始球式で始まった。
うまい具合に、初戦は藤陰(大分)と星稜(石川)戦で、しかも星稜は後攻。
大先輩の松井さんと一緒に守備に就いた星稜ナインの誇らしさは、いかがばかりであったろうか。

八日目に、劇的な大試合が展開する。
第3試合、星稜対済美(愛媛)の、大会史上初の逆転サヨナラ満塁ホームラン試合である。

試合は、初回から星稜打線が火を噴く。
適時打に次ぐ適時打で 初回で5-0とリード、星稜強しと 誰もが思っただろう。
4回裏の済美攻撃のとき 星稜エースの先発ピッチャー 2年生の奥川恭伸君が、右足がつって降板。
済美の猛追撃を予感したが、星稜の投手層は厚かった。
済美は、地区予選から山口直哉君ひとりで投げている。
星稜は、5回裏から佐藤海心君が 7回裏からは山口来聖君が登板、ふたりとも落ち着いた好リリーフで 7回裏まで済美打線を0に抑える。
7回裏を終わって7-1、星稜が逃げ切るのか と思われた。

最初のドラマは、8回裏に起きた。
この回 星稜は、ピッチャーを主将の竹内理央君に継投した。
済美は、死球と連打で星稜を追い上げていく。
2点返して 1アウト満塁、バッターはピッチャーの山口直哉君、カウントは2ボール1ストライク。
竹内君の投げたスライダーが、山口君の右足に当たる、押し出し、痛そう。
星稜はここで、5人目のピッチャー 1年生の寺西成騎君を送る。
済美は、2アウトになるも なおも満塁のチャンスに、2年生の武田大和君が1点差に追い上げる2点適時打。
そして政吉完哉君が、土壇場で試合をひっくり返す 逆転スリーランホームランを放つ。

二度目のドラマは、9回表の星稜の反撃で起こる。
よもやの展開で逆に追い詰められた星稜は、粘り強かった。
1アウトから1年生の内山壮真君が安打で出塁すると 主軸打者の南保良太郎君が続き、主将竹内君の適時打で1点返す。
2アウト一,二塁と後がなくなるも、鯰田啓介君の適時打で、星稜は済美に追いつく。

星稜の6人目のピッチャー 2年生の寺沢孝多君は、済美を9回裏0点に抑えて、延長戦へ。

三度目のドラマは、延長12回裏だった。
後攻はやはり得、ことに延長戦では 後攻めは心理的に絶対に有利だ。
12回裏 済美は、芦谷泰雅君が二塁打を放ち、二つの四球も絡んで 1アウト満塁の絶好機を作る。
サヨナラの予感に、済美の応援席は盛り上がり、最高潮に達する。
だが星稜は、2年生ピッチャー寺沢君が二者連続三振で押し出しサヨナラピンチを切り抜ける、しかも二者とも3ボール1ストライクから。
一球一球が、息詰まるドキドキ。
寺沢君の、あの負けん気な りりしい顔! いいなぁ。
いちばん冷静だったのは、寺沢君だったか。

さぁ、四度目のドラマは、タイブレーク13回表裏の攻防に起きた。

タイブレークは 夏の甲子園ではこの大会から始まった制度で、「タイ(同点)をブレーク(破る)する」狙いの試合促進ルールである。
延長13回に入れば「無死一,二塁」からの攻撃に切り替わり、得点しやすくする。
1969年の松山商/三沢戦や1979年の箕島/星稜戦、それに2006年の早実/駒大苫小牧戦などの、長い延長戦にもつれた名勝負を知っている者には、タイブレーク制は もの足りない感はある。
だが、今夏の記録的な猛暑のなか、選手の肉体的負担を軽減する意味でも、タイムリーな導入だったと言えよう。

さて、延長13回表裏の攻防である。

ノーアウト一,二塁から始まる13回表に 星稜は、東海林航介君の進塁打で1アウト二,三塁と走者を進める。
続く河井陽紀君の当たりは サードへの内野ゴロだったが、三塁手のフィルダースチョイスを誘って 三塁から勝ち越しの走者が生還。
続いて佐々木光希君がスクイズを決めて、星稜に大きな2点目が入った。

これで大勢は決したか そんな雰囲気もあったが、済美は諦めなかった。
走者二人を置いて、8回裏に3ランを打った政吉君が 意表を突くセーフティバンド、ノーアウト満塁で1番バッターの矢野功一郎君に打席を回す。
ファウルで粘って カウント1-2から低めのスライダーを振り抜いた打球は、右翼線ギリギリを飛び ポールに直撃する逆転サヨナラ満塁ホームラン。

高校野球甲子園大会史上、初。
第100回大会で、歴史的な一発が生まれた。

口を開けて目の定まらない 一塁側応援席の応援団、信じられないという表情の 星稜ピッチャー寺沢君。
星稜側の呆然自失の人々に、わたしの目は釘付けになった。

ベンチに下がってからも つねにニコニコして同僚を励まし 大きな声で声援する 星稜のエースピッチャー奥川君の、最後まで涙を見せなかった姿に、わたしは引き付けられた。
痛いデッドボールにもひるまず ひとりで投げ切った 済美のエースピッチャー山口君の、顔色一つ変えない淡々とした姿に、わたしは引き付けられた。
こんな名勝負をリアルタイムで観戦できたことを、幸せに思う。

勝利チームの校歌が流れる。
  陽光(ひかり)の中に まぶしい笑顔
  今 済美(ここ)にいるから 出会えたね
  共に学ぼう これからは
  「やれば出来る」は 魔法の合いことば
  腕をとり 肩を組み
  信じてみようよ
  素晴らしい明日が 展(あ)けるから

「やれば出来る」は 魔法の合いことば、この名勝負にいちばんふさわしい 言葉ではなかろうか。

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さよなら エストレヤ

2018-08-09 23:10:45 | 
11時02分、六角堂の鐘が鳴っている。
8月9日、長崎 原爆の日。
思わず、合掌。

8月6日の8時15分にも、六角堂の鐘を聞いた。
あさ6時、昼12時、夕5時、だけじゃ なかった。
街は、鐘の音を聞き流して、いつも通りの喧騒に包まれている。

きょう、エストレヤを処分した。

この冬から バイクに乗っていない、ガソリンタンクを ほとんどカラにしたまま。
タンク内面が 冬の外気温度差で結露して、サビてしまった。
なので、売却査定価格は マイナス10万円。
ガソリンを満タンにしとかはったら こんなことにはならんかったのに、とは 査定員の談。

いいんです。
十分、楽しませてもらいました。
ほんとは もうちょっと乗りたかったけれど、この辺が潮時かナ と思い、決断しました。

エストレヤは、いろんなことを教えてくれた。

大きな効用は、四輪の運転が慎重になったこと。
ブレーキは早めに、車線変更は後続車をしっかり確認してから、交差点での左右確認、体調の悪いときは乗らない…

婿とのささやかな賭け事(婿はゴルフでアベレージスコア100を切る、わたしはバイクで2万キロを無事故で走る、どとらが早く達成するか)は、明らかに婿の勝ち。
だから、ちょっとはりこんで 婿へ早めの誕生日プレゼントで、決着済み。

「バイクで北海道のまっすぐな道を突っ走る」夢は叶わなかったけれど、映画『最高の人生の見つけ方』が語っていたテーマは ちゃんと叶えられている。
そのテーマ、人生の中で一番大事な 家族や友人や隣人との関係は、エストレヤを通じて、溢れんばかりに朗らかに降り注いでもらった。

軽トラに積まれて去っていくエストレヤに、心からアリガトウ さようなら、と。
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