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つれづれ

思いつくままに

菜の花に招かれて

2014-04-14 15:48:25 | Weblog


京田辺・観音寺門前の、菜の花畑。
まるで、広大な黄色いじゅうたんを敷きつめたよう。

45年前 故友の鈴村繁樹君と訪れたときも、5年前に 家内と再訪したときも、こんな光景には、めぐり合えませんでした。
この菜の花畑は、15年ほど前から、地元住民のボランティアらが毎年秋に種を蒔いて育てている、とのこと。
45年前や 最近でも季節を違えば、見られなかった訳です。

実は、菜の花のじゅうたん見たさに かこつけて、もう一度 大御堂観音さまを、拝顔したかったのです。


竿の腹に「大御堂」と大書された一対の石灯篭から始まる参道両側には、見ごろを過ぎたサクラ並木が、若い新芽を伸ばし始めています。
両脇の畑に広がる菜の花は、早い午前の陽の光に まっ黄色に輝いています。

この前 尋ねたときと同じように、大御堂手前のおうちのベルを押します。
ご高齢のあるじに用件を伝えると、それはわざわざ ようおいでなすった と、ゆったりした足取りで 大御堂へと導いてくださる。

等身大の天平仏・木心乾漆十一面観音立像は、真新しい厨子に入っておられました。
膝元すぐの四囲から見上げるように拝した 前回の記憶とは違って、このたびは真正面から仰ぐかっこうでの拝顔。

十一面観音さんで やっぱりこの観音さまが、いちばんや。
今回 あらためて、そう思いました。
ことばの表現力を超越した 美しさ、惚れ惚れします。

4月22日からの『南山城の古寺巡礼展』に出展されるんですか、とお尋ねすると、老あるじは「出しまへん。仏さんは、みすぼらしいても おみ堂で拝むのが、いちばんどすさかい」と。
まったく と、声に出さずに、わたしはうなずきました。
老あるじは、細い目をもっと細くして、にっこりなさいました。

脳裏に焼き付けておきたく、もう一度 観音さまのお顔を仰いで、大御堂を去りました。


菜の花に招かれて 果たせた、鈴村君も大好きだった 大御堂の観音さまとの、再会でありました。
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残春

2014-04-08 16:19:39 | Weblog
日曜日の夕方、シネコンの小ぶりなスクリーンには 空席が目立ちます。
『サクラサク』、いい映画のはずなんだがなぁ と、くだらない客数下馬評に 少々心が揺れます。
杞憂ではありましたが・・・

久々に 映画館のシートに坐る。
決まって 一番後ろの真ん中あたり。
この薄暗がりが なんとも心地よい。


あると うっとうしくて、ないと 魂のよりどころを見失ったような わびしさを感じるもの。
家族団欒って、そういうもののようです。
家族の中に年寄りがいる家庭は、良きにつけ悪きにつけ、家族団欒に一味違った雰囲気をかもします。

砂を噛む という表現がありますね。
幼いころの夕餉には、文字通り 砂を噛むような思い出が残っています。
両親の顔色をうかがって、なにを食べているのかさえ 覚えていない夕餉。

たまに すき焼きが出ました。
すき焼きの夕餉は、家族がみな 機嫌のよいときだった気がします。
すき焼きだから 機嫌が良かったのか、機嫌が良いから すき焼きだったのか。

雲行きの怪しい夕餉どきを なんとかとりなしてくれたのは、祖母でした。
祖母のひょうきんなひとこと、祖母のおどけたようなしぐさ、それが 頼みの綱でした。
険悪な夕餉時の、救いでした。

家族団欒を飢餓状態的に望んでいたはずのわたしが、気がつけば 自分の家庭を、幼いころの自分の家庭に似たか寄ったかの 険悪な雰囲気に追い込んでいました。
情けないことです。
あのころに、「もっとも身近なはずの家族を、しっかりと見つめられているだろうか」と問う『サクラサク』を観ていたら、もう少しまっとうな家族団欒を作れていたかも知れません。
幸せなことに、自ら蒔いた険悪な雰囲気の家族を救ってくれたのは、やはり 年寄りの、義母でした。

いま、わたし自身が、わたしが幼なかったころの祖母や 腑抜けのひょうたん状態のわたしだったころの義母の年齢に、近づいています。
祖母も 義母も、最期まで しゃんとした人で、藤竜也演じる俊太郎がときおり見せる 老人性の醜さの一切感じられない、年寄りでした。
それでいて、俊太郎のように いつもポジティブで、かわいらしかった。
なによりも、家族の縫い糸であった。

『サクラサク』は、わたしにとって たいせつな年寄りを 思い出させてくれる、そして 目指す「じいちゃん像」を描かせてくれる、ホッコリといい作品です。


この映画は、さだまさしの短編小説を映画化したものですが、“家族のロードムービー”であり、小説では味わえない映像美を堪能できました。
ことに福井県の、一乗谷朝倉氏遺跡、勝山白山神社、あわら温泉、美浜町瑞林寺など、いくどとなく訪れた場所がスクリーンに映し出されると、拍手したいような気分になりました。

エンディングに流れた さだまさしの主題歌‘残春’が、いまだに耳に残っています。
   ・・・与えられし いのち
   かなしきも またよろし
   若さを 嗤わず
   老いを 恨まず
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やなせたかしさんの『わたしが正義について語るなら』を読んで

2014-04-07 18:11:05 | Weblog
震災特番だったか、やなせたかしさんの追悼特番だったか・・・
南三陸町の若いお母さんが、アンパンマンのマーチに勇気と希望をもらいました と、目に涙を浮かべながら語っていた姿が、記憶にあります。
アンパンマンのマーチって、孫たちの幼稚園の運動会なんかで よく耳にしてはいたけれど、大人がそんなに感激するような歌だったかなぁ、と ちょっと驚きました。

書店の優先棚に並んでいた やなせたかし著『わたしが正義について語るなら』に スーッと手が行ったのは、そういう記憶があったからだと思います。


安倍さん、わしらをいったい どこへ連れて行くつもりなんや、とか。
佐村河内氏を擁護する気は起こらんけど、マスコミもマスコミやで、特にNHK、とか。
東京ばっかりに金落として どうすんねん、マッカーサー道路に いくら税金つぎ込むんや、とか。
映画のチケット、シニア料金1000円やったのに、3%消費税値上げで1100円、便乗値上げとちゃうか、とか・・・

怒りたいことは山ほどあるけれど、よく知りもしないで怒っている自分が バカらしくなってきました。
アンパンマンのマーチをYouTubeで聞きながら、『わたしが正義について語るなら』を読んでいると、肩の力が抜けて ふーっと気が楽になるのです。
   なんのために 生まれて
   なにをして 生きるのか
そう 問いかけられると、
   なにが君の しあわせ
   なにをして よろこぶ
かが、見えてくる。

   身近な人の幸せを願っていますか?
   人生の楽しみの中で最大最高のものは、やはり人を喜ばせることでしょう。
   いっぱい増悪することはあるけれど、怒るよりも笑いたい。
   人生なんて夢だけど、夢の中にも夢がある。
   悪夢よりは楽しい夢がいい・・・

あの 南三陸町の若いお母さんと同じように、目に涙を浮かべながら わたしも、アンパンマンのテーマを口ずさんでいました。
正義という言葉に込めたい思いは、この詞の中にあります、と語る やなせたかしさんの優しさが、ジンジン伝わってくるのです。

やなせたかしの辞世の句、と勝手にわたしが思い、まるごと吸い寄せられた言葉を、最後に。

   すべての人に優しくして、最後は焼き場の薄けむり。
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春はあけぼの、STAP細胞の怪

2014-04-07 10:58:13 | Weblog
春はあけぼの。

京都一しゃれた大通り・御池通りを いま独り占めして、オートバイで東へ。
目当ては、鴨川堤。
ライディングの朝練を兼ねた、桜見物である。

真正面の朝日がまぶしい。
いま まさに、東山から昇る太陽。
エストレヤのデジタルメータは、5時38分を示している。

やうやう白くなりゆく山際、ではないから、‘あけぼの’に会うには もう少し早く出発しないといけなかった。
この冷気、このすがすがしさは、まぁ、‘春はあけぼの’の雰囲気に近い、として・・・


STAP細胞の怪。

よう判らん。
夢は見せてもろうた。
でも、科学に嘘は いかんわなぁ。

よう判らんけど、小保方晴子氏ひとりワルもんで ええとはおもえん。
ちっぽけな会社でも、社員がなにか不祥事起こしたら、社長が責任とらんならん。
野依さん、若い研究者育てる気 あるんかいな。


清少納言と小保方晴子。

なんの脈絡もないんだけれど、同僚や同業者から 妬まれた?、という共通点。
あの紫式部ですら、(たぶん 面識のない先輩の)清女の人格と業績を全否定するかのごとき筆誅を加えているんだもんねぇ。

清女が正当に評価されるのに 長い年月を要したごとく、もし細かな嘘の中の大きな事実がほんとうなら、いつの日か歴史が、「STAP細胞の発見者は小保方晴子」と語ってくれるだろう。
はやる気持ちの未熟さを思い知って、それでも正しいと信じるなら、めげることはない。
歳月が正しく評価してくれるから。
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