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つれづれ

思いつくままに

最後の忠臣蔵

2010-12-28 22:35:19 | Weblog
朝日新聞に週に一度連載されている「著者に会いたい」というコラムを、ぼくは愛読しています。
この前のこのコラムに載ったのは、杉田成道(しげみち)氏。
昭和18年生まれの、あの国民的テレビドラマ「北の国から」の演出家です。
『願わくは、鳩のごとくに』を、さっそく買い求めて一気に読んでしまいました。
こんな愉快な本に、ひさびさに出会えました。
杉田氏の人間味が にじみ出ています。

ところで ぼくは、忠臣蔵という 日本を代表する史実ドラマを どうも好きになれません。
いかなる大義名分があろうとも、人を殺した人間を英雄視することに、どうしても納得いかないのです。
ところが、杉田氏が監督した「最後の忠臣蔵」は、どうも ちょっと違うみたい。
と いうことで、期待半分 落胆覚悟で、映画「最後の忠臣蔵」を見に行きました。

映画館のなかで しゃくりながら泣くもんだから、隣りから家内が 肘でゴツンゴツンと突くんです。
ぼくなりに 言わしてもらうなら、この泣きは お涙ちょうだいから出たもんじゃぁない。
清らかな泣き。
いままで 少々偏見的に好意を持てなかった俳優、役所広司に脱帽です。
さすがです。

忠臣蔵を こんなふうに情感で訴えられると、「忠」という字が輝いてみえます。
はからずも いいもんだなぁ、と。
ある意味、自由自由の現代社会より 封建時代のほうに生きがいを感じてしまいそうで、ちょっと怖いです。
ただし 大前提として、この人のためなら死んでも構わない くらいの徳が、トップにあっての話ですが。

杉田成道氏が監督した「最後の忠臣蔵」、それも期待以上の感動作で、ことしを締めくくれたことに感謝です。
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鬆(ショウ、中国語読みで ソン)

2010-12-28 11:16:03 | Weblog
毎年12月10日に京都清水寺で行われる「今年の漢字」揮毫は、『暑』でしたね。
日本漢字能力検定協会が ああいう事件を起こしてから、この行事も ちょっと威厳がなくなった気がします。
でも やっぱり今年の漢字は、『暑』が最適でしょう。

ところで 楊名時太極拳を漢字一字で表現せよと言われれば、ぼくは 迷わず『鬆』を挙げます。
鬆という字は あまり知られていませんが、イメージとして 説明してみます。
シャンプーのテレビコマーシャルでよく見かけるのですが、髪のきれいな女性が首をさっと振って、サラサラの髪が魅惑的に揺蕩うシーンを思い描いていただければいいと思います。
ゆるい、とか、ふわーっと、とか・・・
おでんに大根はつきものですが、大根におでんの味がよくしみ込むのは、大根の身がぎゅっと詰まってないからです。
カスカスではないのですが、おでんの汁をしみ込ませるに十分な細かい空洞がいっぱいあるということです。
この 大根の細かい空洞も、『鬆』のイメージにぴったりなのです。
外からの事象を 包み込むように受け入れる・・・

ただ 鬆は、リラックスオンリーではありません。
もっともっと根っこが深い。
鬆の字を見るとき、ぼくはきまって 一枚の絵を思い浮かべます。

長野県中野市に、ぼくの友人D氏がいます。
長野市から湯田中行きの長野電鉄に乗って、観光客やスキー客はめったに降りない駅、信州中野で降りて、車で半時間ほど北へ走った山里で、リンゴ園を営んでいます。
彼のミミズについての見識は とても奥深くて、彼を通して ぼくも、ミミズ大好き人間になりました。
その 自称“ミミズ博士”が リンゴの木の根っこに居るミミズ君を徹底的に調べようと、考古学の発掘のように リンゴの根っこをそろりそろりと掘り下げていきました。
ミミズの話は またの機会にお話しするとして、D氏が辿りついたのは、地上の姿は2メートルくらいのリンゴの根っこ、まるで日立グループのコマーシャルに出てくるモンキーポッドの枝ぶりのような姿でした。
絵心のある彼は、直径4メートルを超える根っこの 神々しいばかりの広がりを まっさかさまにして、20号のキャンパスに克明に描きました。
その絵が、彼の家の玄関を入った正面に掛かっています。
D氏の描いた あのさかさまのリンゴの木を、ぼくは『鬆』に重ねるのです。

「上虚下実」は、楊名時太極拳の真髄だと思います。
鬆は、その上虚下実の実りとして 太極拳を極めた人間に備わる“美”だと ぼくは思うのです。
週に一度くらいの練習では なかなか辿りつけない極みですが、目指したい目標です。

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