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つれづれ

思いつくままに

倉敷・鶴形山

2022-06-26 22:45:44 | 

倉敷生まれの詩人・鳥越ゆり子さんは、小さいころ 大原美術館でみたエル・グレコの絵に心を動かされ 画家を志した、と話していました。
高校生のとき はじめて一人旅を企てたわたしは、行先に選んだ倉敷の地で大原美術館を見つけて エル・グレコの『受胎告知』と出会い、絵画の魅力を痛烈に知りました。
1960年代前半のころ、まだ今のように 倉敷川畔美観地区が整備されていなかったころでした。
わたしたち世代の西洋絵画への関心は、倉敷紡績を一大企業に育て上げた大原孫三郎氏の、文化事業のたまものです。

あれから幾度となく 倉敷を訪れていますが、そのたびに気になる場所がありました。
山陽本線倉敷駅から南に延びる「えびす商店街」が途切れるところで、こんもりとした丘に出合います。
鶴形山(つるがたやま)という、標高40mほどの 小高い山です。
いつか登ってみたいと 倉敷を訪ねるたびに思っていながら、いっつも通り過ぎていました。

京都に 船岡山という、標高110m余りの小山があります。
平安京朱雀大路の北端に位置し、古来 船岡山は景勝の地で、いまも頂から 京都の街並みを見渡すことができます。
在籍した小学校が近くだったので、よく遠足や放課後の探検で訪れた場所です。
鶴形山も 倉敷市民にとって、船岡山と同じような 親しみ深い地ではないでしょうか。

鶴形山の上には、阿智神社(あちじんじゃ)という お社があります。
古代、倉敷を含む岡山平野は 海域であり、鶴形山周辺は 島か半島の先端であったと推定されます。
鶴形山は 海上交通の要衝であったらしく、伝えには 漢からの渡来人である阿智族が住み着いて、ここに 海上交通の守護神である宗像三女神を祀ったと考えられています。

この阿智神社参道から、倉敷美観地区の美しい街並みが見下ろせました。
この眺望には、京都の船岡山に共通する 懐かしさが感じられます。
やっと、鶴形山に登ることができました。




 

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