岩堀修明ブログ

ドクター岩堀の
「私設動物資料室」

無足類の肺

2019-03-06 | ドクター岩堀の「私設動物資料室」
 無足類は、有尾類や無尾類とともに、両棲類に属する動物群である。主に熱帯地方の地中に棲息しているため、私たちには、なじみが薄い。無足類は、「蛇形類」とも呼ばれ、ミミズやヘビのような細長い体形をしており、四肢は欠如している。
 成体は肺呼吸である。左の肺は、痕跡的である。右の肺は、細長い嚢状をしている。
 無足類の肺は、有尾類のイモリや無尾類のカエルの肺と、基本的な構造は同じである。肺の内表面は、背の低い隔壁により、多数の小区画に分けられている。この小区画が肺胞である。動物種によっては、気管の内表面の一部にも、隔壁により小区画が作られ、気管肺が形成されている。
 隔壁の表面は呼吸上皮が覆っている。呼吸上皮の下にある結合組織には、多数の毛細血管が分布している。呼吸上皮を介して、毛細血管内を流れる血液と、肺胞内にある空気の間でガス交換が行われる。
 無足類の呼吸器で、左の肺が痕跡的であったり、右の肺が細長い嚢状をしていたり、気管肺が形成されたりしている特徴は、同じような体形をした、ヘビ類にも見られる。このような形態は、細長い体形をした動物に共通して見られる特徴で、「進化の収斂」であると考えられる。無足類は、細長い体形をした動物において、いろいろな器官の形態が、どの様に変化するのかを知る上で、興味のある動物である。

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