岩堀修明ブログ

ドクター岩堀の
「私設動物資料室」

紐形動物の循環器系

2018-01-24 | ドクター岩堀の「私設動物資料室」
 紐形動物は、細長い円筒形をした動物である。体は柔らかく、伸縮性に富んでいる。体長は数ミリメートルから、長いものでは数メートルに及ぶものが知られている。体色はいろいろである。大部分は海に棲息している。
 紐形動物は、初めて血管系が確認される動物群である。血管の中には、原始的な血液が流れている。血液は無色のことが多いが、一部の動物には、酸素を運搬するはたらきがある呼吸色素が認められることがある。
 紐形動物の体には、ほぼ全長にわたって消化管が通っている。血管系は、消化管の左右を通る1対の「外側血管」である。左右の血管は、前端と後端で互いにつながっている。動物種によっては、外側血管の他に、消化管の背方を通る「背側血管」が認められることがある。血管は、走行中に、多くの枝を出している。
 紐形動物の循環器系は、血液が血管の中だけを循環する「閉鎖循環器系(閉鎖血管系)」である。血管の中に入っている血液は、体の運動や消化管の動きに伴って血管が圧迫されたり、圧迫から解放されたりすることによって循環する。太い血管には拍動が認められ、原始的な心臓の役割をしていることがある。血流の方向は、周囲の動きにより変わり、一定していない。
 紐形動物は、初めて血管系が認められる動物であることから、紐形動物は血管系を持つ動物の祖先であって、血管系を持つ動物は、紐形動物を祖先として進化してきたのではないか、と考えられたことがある。しかし紐形動物は、他の動物の祖先になった動物ではない。血管系を持った紐形動物の循環器系も、原始的な循環器系の1つの様式を示すというだけで、これ以降の循環器系の原型になったものではない。



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ヒトデの摂食

2018-01-15 | ドクター岩堀の「私設動物資料室」
 ヒトデの消化管は非常に短く、口に始まり、短い食道を経て胃に続く。胃は中央に括れがあって、前半部の「噴門胃」と後半部の「幽門胃」に分かれている。噴門胃は反転して、口から体外に突出させることができる。幽門胃からは、多数の消化腺を含んだ「肝盲嚢」が外方に向かって伸びている。胃に続いて短い小腸と直腸があり、肛門に終わっている。
 ヒトデは肉食性の動物である。ヒトデは緩慢な動きしかできないので、運動量の少ない貝類などを摂取している。小さい食餌は、口から摂取するが、大きな食餌は、噴門胃を反転して口から突出させ、食餌を包み込むようにして胃の中に取り込む。摂取した食餌は胃の中で消化され、消化されなかった貝殻などは、口から吐き出す。
 大きな二枚貝類も好んで摂食する。大きな二枚貝類を摂食する際には、管足を貝殻に吸着させて貝殻を少し引き開け、その隙間から反転した噴門胃を貝殻の中に入れ、消化酵素を出して、内部を消化して摂取する。ヒトデは食欲旺盛であり、ハマグリなどが大きな被害を受けることがある。
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