岩堀修明ブログ

ドクター岩堀の
「私設動物資料室」

爬虫類の口腔腺

2015-11-28 | ドクター岩堀の「私設動物資料室」
 食餌の咀嚼や嚥下がスムーズに行われるためには、口腔内は絶えず湿潤に保たれている必要がある。陸上で生活する動物には、口腔内に種々な腺が発達している。口腔内に分布している腺を口腔腺と総称する。口腔腺は、両棲類にも、いくつかの腺が見られるが、爬虫類で大きな発達を遂げた。
 爬虫類の口腔腺は、分泌物により3種類に分けられる。第1は、食餌の嚥下をたすけるための粘液を分泌する粘液腺である。第2は、消化酵素を含んだ漿液を分泌する漿液腺である。そして第3は、毒液を分泌する毒腺である。存在部位を基準にすると、爬虫類の口腔腺は、口唇腺、舌腺、舌下腺、口蓋腺などに分けられる。
 ヘビ類やトカゲ類では、口唇腺が発達している。これらの動物では、上顎と下顎の皮膚が、口腔粘膜に移行する前に、皮膚の薄いヒダを形成している。このヒダを爬虫類の口唇と呼ぶ。口唇腺の導管は、口唇と歯列の間に開口している。動物によっては、口唇腺の一部が毒腺に変わっている。ヘビ類では、口唇腺のうちの上唇腺が毒腺になり、トカゲ類では下唇腺が毒腺になっている。毒腺は歯の基部に開口し、毒液は歯の溝や管を通って獲物に注入される。
 カメ類やワニ類には、口唇がない。このため口唇腺はない。これらの動物では、口蓋、舌、舌下部などに大きな口腔腺が発達している。毒腺はない。
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