岩堀修明ブログ

ドクター岩堀の
「私設動物資料室」

爬虫類の眼瞼(まぶた)

2015-09-05 | ドクター岩堀の「私設動物資料室」
 眼瞼は、眼球の表面を覆う一種のヒダである。陸棲の動物で良く発達しており、角膜が外傷を受けないように保護するとともに、角膜の乾燥を防ぐはたらきをしている。爬虫類の眼瞼は、次の3つのタイプに分けることができる。
 第一のタイプの眼瞼はカメ類、トカゲ類、およびワニ類に見られる眼瞼で、上眼瞼と下眼瞼より成るものである。カメ類とトカゲ類では、下眼瞼の方が大きく発達しており、可動性に富んでいる。このため、眼の開閉は、下眼瞼を上下することにより行われる。これに対してワニ類では、上眼瞼の方が大きく、眼の開閉は上眼瞼の上げ下げにより行われる。
 動物界を概観してみると、多くの両棲類では、下眼瞼の運動により眼の開閉を行っている。鳥類でも大部分は、下眼瞼を動かすことにより眼の開閉を行っている。下眼瞼の方が可動性に富んでいて、下眼瞼を上下することにより眼の開閉を行うというのが、脊椎動物の基本の形なのであろう。どの様ないきさつがあったか分かっていないが、ワニ類と、そして多くの哺乳類では逆転しており、上眼瞼の方が可動性に富んでいる。
 二番目のタイプの眼瞼は、ヘビ類などに見られる透明な眼瞼である。上下の眼瞼の原基は、発生の初期に形成される。上下の眼瞼は癒合したまま大きくなり、発生が進むに従って次第に透明になってくる。最終的に一枚の透明な眼瞼になったものである。
 三番目の眼瞼は、先の細くなった円筒状の眼瞼である。これはカメレオン類の眼瞼で、眼球に細くなった円筒状のキャップをかぶせたような形になっている。眼の開閉は、円筒の先端部を細くしたり、太くしたりすることにおり行われる。

(本ブログの、「眼瞼は何の目的でつくられたのか」、「眼瞼の機能障害」、「究極の眼瞼とは」も参照してください。)

参考文献
Giersberg & Rietschel: Vergleichende Anatomie der Wirbeltiere,Band 1, Gustav Fischer

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