岩堀修明ブログ

ドクター岩堀の
「私設動物資料室」

ヌタウナギの使いみち

2015-01-10 | ドクター岩堀の「私設動物資料室」
 ヌタウナギは、最も原始的な脊椎動物の1種である。体長30〜50センチで、太さは直径が1〜2センチの円筒形をしており、外形はアナゴやハモなどに似ている。本州中部以南の200〜300メートルの海底に棲息している。長崎県の対馬近海は、沢山のヌタウナギが棲息する海域として知られている。衰弱した動物や、死骸を主要な餌にしているので、清掃屋(スカベンジャー)と呼ばれることもある。
 ヌタウナギの特徴の1つは、刺激されると大量の粘液を出すことである。衰弱した動物などを、この粘液で絡め取って食用にしているとも言われる。粘液で周囲の魚にダメージを与えるので、漁業者には嫌われる。網にかかったヌタウナギは、途中で海に戻されている。
 食用にされることはない。肉は透き通る感じの白身である。一度試食してみたが、決しておいしいものではなかった。煮ても、焼いても、駄目であった。
 食用には成らない、漁業者からは嫌われるヌタウナギであるが、1つだけ使い道がある。使い物になるのは、皮膚である。ヌタウナギの体を5センチくらいの長さにぶつ切りにして、体に縦の切れ目を入れて皮膚を剥がすと、四角い皮膚片ができる。これを鞣して、多数の皮膚片をつなぎ合わせて、パッチワークのような皮革製品が作られている。財布、バッグ、コートなどに加工されている。一見したところヌタウナギの皮膚とは分からないが、生きたヌタウナギを観察した上で皮革製品を見ると、ヌタウナギの皮膚だと言うことが分かる。
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