岩堀修明ブログ

ドクター岩堀の
「私設動物資料室」

ウマの顔はなぜ長い

2013-02-15 | ドクター岩堀の「私設動物資料室」
 昔から、ウマの顔は長いと言われる。確かに、ウマの頭部は長い。ヒトの場合にも、頭部が縦長の場合には、「ウマヅラ」と言われる。
 しかし、ウマの頭部と、ヒトのウマヅラは、意味合いが非常に違う。
 ウマの頭部の吻側部を作っているのは、おもに口腔と鼻腔である。ウマでは、歯列が極めて縦長のU字形になっている。歯列が縦長になっている大きな原因は、個々の臼歯が大きいことと、切歯と犬歯の間、犬歯と臼歯の間に広い隙間ができているためである。この広い隙間により、噛み切り専用の切歯と、磨りつぶし専用の臼歯の間がはっきり分けられている。この様な歯列はウシやヒツジなど、多くの草食動物に見られるが、ウマでは特に著明になっている。そのうえ、ウシやヒツジと比べて、ウマの歯列は左右幅が狭いので、ウマの頭部の吻側部は、細くて長くなっている。
 ウマの顔を長くしているのは、歯列なのである。ウマはものすごい「出っ歯」なのである。歯列が突出しているのに伴い、鼻腔も長く伸びている。私たちの歯列を、クチバシのように思い切り前に伸ばす。これに伴い鼻も前にのばす。これがウマの顔なのである。
 ヒトのウマヅラは、頭部の縦径と横径の比率によるものであり、歯列は関係がない。
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