岩堀修明ブログ

ドクター岩堀の
「私設動物資料室」

ヒトデの管足

2018-10-03 | ドクター岩堀の「私設動物資料室」
  ヒトデの管足は、歩帯溝の両側の皮膚が管状に突出したものである。管足の内部は、水管液で満たされている。
 管足の先端部はやや膨らみ、接地面は軽く窪んでいる。管足が岩盤などに接地すると、管足の底面の中央部分が陥入して真空の領域ができ、吸盤としてのはたらきをする。管足の背側部は球状に膨らんで「瓶嚢」となっており、管足の内圧を調整している。
 管足壁には、2種類の筋が分布している。「管足後引筋」は管足壁を縦走しており、管足を短縮したり、屈曲させたりするはたらきをする。「瓶嚢筋」は、瓶嚢壁をいろいろな方向に走っており、瓶嚢の大きさを調節している。
 管足は「側管」により放射水管とつながっている。管足と側管の結合部には弁がある。弁が閉じている時には、管足と瓶嚢は、周囲から独立した静水力学的骨格として機能する。弁が閉じている時に、瓶嚢筋が収縮すると、瓶嚢の水管液は管足に向かって集まり、内圧が上昇するため、管足は長く伸びるとともに“硬直した”状態になる。瓶嚢筋が弛緩し、管足後引筋が収縮すると、管足は短くなる。管足後引筋の一部が収縮すると、管足を曲げることができる。
 管足は、多彩なはたらきをする。原始的な段階では、管足は主にガス交換に関与していたものと考えられている。進化の過程で、管足は食餌を集め、これを口に運ぶはたらきをするようになった。現生のヒトデでは、管足は重要な運動器官となっている。ヒトデは、管足を使って移動している。この他に、管足は海底を掘り起こすはたらきもしている。
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