岩堀修明ブログ

ドクター岩堀の
「私設動物資料室」

ヘビは「まばたき」をしない?

2012-11-04 | ドクター岩堀の「私設動物資料室」
 ヘビを観察していると、決して「まばたき」をしないことに気が付く。ヘビの眼は、澄みきった、非常にきれいな眼である。じっと見ていると、吸い込まれていくような気がしてくる。
 ヘビは、進化の一時期を地中で過ごした。地中での生活に適応するため、細長い体形になり、四肢は退化した。地中で移動する際に障害されやすいので、外耳道や鼓膜は退化してしまった。光の少ないところで生活していたため、視覚器も退化した。その後、多くのヘビたちは、再び地上に戻ってきた。地上に戻ってきても、四肢が復活することはなかったが、視覚器は再建された。
 眼瞼(まぶた)は、眼球の表面を覆い、角膜を保護するはたらきをしている。地中での生活に際し、眼球が傷付かないように、上下の眼瞼は癒合してしまった。しかし、眼瞼の眼球を覆う部分は、透明になっている。このため、眼はいつも開いたままで、マバタキをしないように見える。実際は、ずっと目を閉じているのである。眼瞼が透明なので、いつも眼を開いているように見えるだけである。
 ヘビの表皮の表層は、何層かの鱗層より構成されている。鱗層は成長することができないので、ヘビが成長する際には、小さくなった旧い鱗層を脱ぎ捨てる必要がある。これが脱皮である。脱皮の前には、体表を覆う旧い鱗層の下部が液化し、その下にある鱗層との間に液体が貯まって、2つの鱗層が離解する。脱皮するときには、眼瞼の表面を覆っている旧い鱗層も脱ぐ。脱皮の前になると、ヘビの眼は白く濁って見えるようになる。脱皮の際には、鼻先を固いものに押しつけ、鼻先から脱皮を始める。そして靴下を裏返しに脱ぐ様にして、旧い鱗層を脱ぎ捨てる。このため、ヘビの脱け殻は必ず裏返しになっている。脱け殻を見ると、眼瞼を覆っていたところは、コンタクトレンズのように、透明で、中央部が少し盛り上がった形になっている。

(本ブログの、「眼瞼は何の目的でつくられたのか」、「眼瞼の機能障害」、「究極の眼瞼とは」も参照してください。)

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