岩堀修明ブログ

ドクター岩堀の
「私設動物資料室」

カエルの肺

2019-02-15 | ドクター岩堀の「私設動物資料室」
 カエルは、幼生期には、鰓で呼吸をするが、変態後の呼吸は多様で、肺、皮膚、口腔粘膜などで呼吸をしている。肺呼吸と皮膚呼吸を併用している動物では、おおまかな傾向として、酸素の取り入れは主に肺で行われ、炭酸ガスの排出は皮膚で行われる。
 肺は、球形ないし卵円形で、外表面は滑らかである。大型のカエルの肺では、何カ所かでくびれができて、原始的な「肺葉」が形成されている。
 肺の内部は、肺壁から内腔に向かって伸びる、多くの「隔壁」により、種々な大きさや形をした、多数の小区画に分けられている。この小区画を「肺胞」と呼ぶ(岩澤久彰・倉木満、1996)。肺胞の大きさや数は、動物種により異なっている。肺呼吸への依存度の高い動物ほど、肺胞の数は多い傾向がある。隔壁は結合組織で作られ、その表面を呼吸上皮が覆っている。呼吸上皮の下には、多数の毛細血管が通っている。呼吸上皮を介して、毛細血管の中を流れる血液と、肺胞の中にある空気の間でガス交換が行われる。隔壁には、平滑筋線維が含まれているので、呼吸の状況に応じて、肺胞の形を変えることができる。
 カエルの肺は、イモリの肺とはかなり違っている。イモリの肺には、爬虫類や鳥類の肺で発展する要素が含まれているが、カエルの肺には、そのような要素は含まれていない。カエルの肺は、哺乳類の肺の原形になったとも言はれる。

岩澤久彰・倉木満:動物系統分類学、巻9(下A1)、両生類Ⅰ、中山書店、51~53頁、1996.

コメント   この記事についてブログを書く
« イモリの肺 | トップ | 無足類の肺 »

コメントを投稿

ドクター岩堀の「私設動物資料室」」カテゴリの最新記事