諸行無常なる日々。或いは鬼渡神と神々の源流。

呪われた家系を生きる私の人生観や日常。それに立ち向かう為の神道的な考え。そして因縁の鬼渡神、神々の源流について考えます。

染殿神社には瀬織津姫が祀られていると思う。その5

2020年11月01日 09時47分23秒 | 瀬織津姫
続きです。

摂関政治と修験道。ここに今昔物語集に染殿姫が載せられた一因があると思います。

染殿姫の時代を遡ること100年位前、孝謙天皇の寵愛を受け弓削道鏡が法王まで出世し、政治を執り行った。

道鏡の弟に、「道鏡を皇位につかせれば天下は太平じゃ」との御神託が宇佐八幡の神から下されたとの事ですが、これは皇室にとって一大スキャンダルです。だから後年になって、孝謙天皇と道鏡の官能的な話が流れた。皇室の権威が失墜したと言えます。今の皇室もそんな感じになりつつありますが。

「国が乱れるから政治に宗教は持ち込むな」。その考えが染殿の后が今昔物語集に取り上げられたのかも知れません。

その染殿姫が利府の地に染色の神として祀られている。これは染殿姫で本来の祭神をカモフラージュしているのではないか。

染色は織物。だから染殿姫は瀬織津姫のことなのか。

これは「田村三代記」に書かれてある蝦夷の鬼・大獄丸と、立烏帽子の関係から来ていると推測されます。

立烏帽子は鈴鹿御前、つまり瀬織津姫がモデルとされています。

最初は大獄丸の情婦??だった立烏帽子が敵の坂上田村麻呂を好きになり、田村麻呂側に付いて一緒に大獄丸を退治した話ですが、鬼と関係があった事が染殿姫の物語と酷似している。だから瀬織津姫を染殿姫でカモフラージュしている可能性がある。

それでは染殿神社に祀られている垂水姫、赤沼大明神との関係はどうなのか。

私は全て瀬織津姫を指している。否、瀬織津姫の本来の神を指していると考えています。

垂水姫は灌漑の神。灌漑の神と言えば染殿神社近隣の伊豆佐比売神社に祀られている三島溝咋姫。

伊豆佐比売神社には立烏帽子同様、坂上田村麻呂を愛した悪玉姫の伝説が残っている。

そして田村三代記では「悪玉姫が田村麻呂との子・千熊丸出産の時に流した血がかかり刈安草が生じた。赤沼明神に悪玉姫を祀っている」と書かれている。これで全部繫がったと言えます。

故に立烏帽子と悪玉姫、三島溝咋姫、そして垂水姫、赤沼大明神は同神の可能性がある。

そして忘れてはいけ無い事。それは染殿神社が塩釜神社の境外末社である事。塩釜神社と染殿姫の共通点は何か。

藤原良房は「年経れば 齢は老いぬ しかはあれど 花をし見れば 思ひもなし」と染殿姫を桜の花弁に例えて詠んでいます(古今集)。

桜と言えば塩釜神社の神紋である塩釜桜。桜が染殿姫のキーワードになっているのではないか。


続く。












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