
背が高くて
面も今向き

走るの速くて
野球がうまくて
サッカーもうまくて

話は上手で
ゲームも上手くて
女の子には
当然モテるのだけれど

勉強だけは
いまいちだった
彼

その後
チラリと見かけた彼は
顔の端整には
磨きをかけつつも
髪が金に染まりつつ

そして
再び会うのは
6年後の教習所
紫のダルいパーカーに
身を包みながら
気さくな会話と
甘いマスクに
軽く欠けた前歯を
キラリと光らせながら

その運動神経は
今も健在
S字クランクで
つまずくことなんてありえず
早々に第4段階へ
追い越していく彼

迎えに来た彼女は
同じくヤンキーながらも
激烈に可愛かったりして
どこでこんな娘に
知り合うのだろうと
彼の天性を
うらやみながら

「オレの奥さん」
相変わらずの
ムチャな彼
うらやましくて
うらやましくない
相変わらずの
ムチャな彼

やっぱり
勉強ってタイセツなんだな
そう気付いても
もう遅い
18の頃の
僕たちでした