まるむし帳 さくらももこ 集英社
生きている不思議 遠い昔の思い出たち
くるりと小さく丸まって、にこにこ笑いながら書かれた
やわやかな言葉と あたたかい絵のハーモニー
( 出版社内容紹介より)
試し読みページ
ウチでダンゴムシみたいに丸まって 「まるむし帳」 を
読んでから 公園に散歩に出かけた わたしに
この中の一編が 一緒に歩いてくれた・・・(笑)
『かぜ』
いつか
うれしいときに出逢った風が
世界一周して帰ってきて
つまらないわたしの肩を
ポンポンたたくので
ふりむいたときは
ゆっくりゆっくり笑いながら
わたしのうれしかったときと
いろんな人のうれしいを
おみやげに持ってたよ
毎年、歩けないほど花見宴の人でいっぱいの公園なのに
今年は人出が少なくて、酔っている人もいなかった。
それでも、手弁当を広げて楽しそうに笑っている人たち
この場所でこんな花見の宴を見たのははじめてかもしれない。
震災後、なにが正しい行動なのか、わからなくなった。
さくらはほんとうに不思議な木だな
どんな花見だろうが心に沁みる・・・