「とん ことり」の音がして

暮らしの中で 絵本と私

『 父の侘び状 』 向田邦子

2007-05-15 14:53:19 | 書籍・絵本


  『 父の侘び状 』 向田邦子         文春文庫


  乳がんの手術後、「長く生きられないのではないか」という
  不安の中で執筆が始められたという。
  昭和の家族の風景をユーモアを交えて描いた24編

  〔あとがきより〕

  三年前に病気をした。
  病名は乳がんである。病巣は大豆粒ほどで早期発見の
  部類に入るそうだが、この病気に100%の安全保障はない。
  退院してしばらくは「癌」という字と「死」という字が
  その字だけが特別な活字に見えた。
  眠りの中でまで癌という言葉に怯えながら
  私は、気持の半分ではこの字に知らん顔をして暮らすことにした。
  厄介な病気を背負い込んだ人間にとって、
  一番欲しいのは「普通」ということである。
  私は気が弱いのであろう。
  病気を話題にされ、いたわられたりした場合、気負わず感傷に
  溺れずにいる自分に自信がなかった。

           <あとがきより 一部引用>


   世田谷文学館で 

   「向田邦子  果敢なる生涯」 展をやっていたので出かけた。

   果敢に生きた向田邦子さんの生涯と作品に多くの示唆を
   感じる一時を過した。

   
         

         

         


    『 寺内貫太郎 』『 あ・うん 』 などのTVドラマの脚本家として
    知られ直木賞作家・エッセイの名手
    飛行機事故で亡くなってから25年になります。


     「あかちゃんポスト」運用初日に3歳児が入れられた
       というニュースを聞いた。
       3歳といえば、もういろんな事を理解できる年齢
       遣り切れない思いになる。
       赤ちゃんでなく3歳児というのは想定外だったらしいが
       この子のケアが万全であるようにと願がわずにいられない。