継続の法則 自助努力のススメ 公認会計士 内藤勝浩のブログ

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目指すとすれば、公認会計士か、税理士か。

2013-03-30 11:52:14 | 受験・学校

44歳で地方銀行を退職し、49歳で公認会計士になった51歳のオッサン公認会計士です。会計の勉強をされている方から、将来、目指すとすれば、公認会計士か、税理士か、という質問をよく受けます。現時点での私の考えを述べさせてもらいます。
(1) 
資格取得の難しさ
 
資格取得の難しさの面では、公認会計士の方が断然難しいといえます。公認会計士になるには、まず、国家試験(短答式試験が4科目、論文式試験が6科目)を3年以内に合格しないといけません。その後、実務補修所という学校に入所して3年間勉強(ミニ試験10回と小論文3回をクリアしないといけません。)し、最終試験である修了考査に合格する必要があります。国家試験に合格しても修了考査に合格できない方もいるようです。国家試験でも、かなり難しいのに、修了試験でも不合格者が出るというのは、かなり厳しいといえます。さらに、公認会計士として登録をするためには、これらに加えて、監査等の実務を2年以上経験することが求められます。公認会計士になるのは、狭き門といえます。
 一方、税理士は、国家試験(財務2科目、税法3科目)に合格しないといけません。合格した科目は一生有効ですので、数年間かけて1科目ずつ合格するということも可能です。この国家試験もかなり難しい試験です。ただし、この国家試験合格には、免除規定があります。簡単にいうと、大学院にいって論文を書いたら試験免除となる規定があります。財務で論文、税法で論文の2つで国家試験がすべて免除になるという規定です。現在は、財務1科目、税法1科目は合格しないと認められないようになっています。それでも、2科目合格でOKです。それと、税務署で一定期間勤務した方が税理士となれるようになっています。また、公認会計士や弁護士は、税理士会に申し出て税理士登録をすれば税理士となることができます。これに関しては、税理士会の一部が、公認会計士や弁護士が税理士登録するのに国家試験を一科目合格するという税理士法改定を画策しておりました。今年は無理のようですが、来年以降、実現するかもしれません。公認会計士協会は公認会計士が税理士登録をしなくても税理士業務ができるような活動をするとは言っていますが、どこまで本腰を入れてやるのかは不明です。

(2) 
就職または独立開業する上での有利さ
 
公認会計士試験に合格しても監査法人等への就職先が見つからない未就職問題が話題となりました。公認会計士の主な仕事は監査です。監査の主な対象が上場企業や大企業等なので、活躍の場が都会に集中する傾向があります。不景気が続くと監査する企業が減少し、公認会計士の活躍の場が少なくなるということになります。このようなことが未就職問題につながった主要因です。公認会計士という資格は税理士よりも知識、経験、訓練の幅が広く、監査以外でも、コンサルティング、財務調査、税理士業務等も、その業務範囲ですが、現在の日本では税理士業務以外、これら公認会計士の業務が十分に認知されて活用されているとは言えないのです。だから、独立した公認会計士のほとんどが税理士登録をして税理士業務で食っています。公認会計士は資格取得が非常に難しい割には、日本では権限が制限されていると言えます。日本外では、公認会計士は税理士登録をすることなく、税理士業務ができるというのが通常のようです。そもそも税理士という資格がある国の方が少ないそうです。
 一方、税理士は、国家試験全科目合格者以外の人が半数以上の割には、業務において強い権限が与えられています。税務関係はもちろん、税理士というだけで、会計参与になれたり、政治資金監査等ができたりします。じゃあ、税理士が儲かってしょうがないかというと、そうでもないようです。儲かっている方とたいへんな方がいるようです。これもやり方次第ということでしょうか。税理士の場合、本業はあくまで税務です。会計といっても、業務上、税務会計が中心となってしまいます。本当に、財務会計を理解しているのは、極わずかです。

(3) 自分の理想と波長

 将来、自分はどういう仕事をしたいのでしょうか。自分と波長の合う仕事は、どちらなのでしょうか。
(4) 
私見
 はっきり言って、公認会計士になるには、税理士になる以上に、かなりハイレベルの能力が要求されます。それに、日本では、公認会計士の職業的な身分が不安定です。監査機会も少ないし、コンサルティングも浸透していないし、税理士登録をしないと税理士業務を行えません。優秀な人材が揃っている割には、権限が与えられていません。
 一方、税理士は、国家試験全科目合格者とその他の税理士の区別がなされていません。加えて、資格取得過程から判断するに、能力的に劣る人が多いと思われる割には、公認会計士や弁護士と並び称される場面が多いのです。(税理士にも優秀な方はいますが、・・・)。本来、税務の知識というよりも、営業とか、父親のお客を受け継ぐとか、そういうことが、成り立っている状況です。努力した者が報われるような制度になっていないというのが私の考えです。このような状況が長く続くとは私は思っていませんが、多分、私のような考えは世の中でも少数派なのでしょう。
上記を基に、ご自分で、よく、よく考えて、公認会計士を目指すのか、税理士を目指すのか、決めてください。
 このブログを読んでくれた方が、例え失敗しても、挑戦をして、人生の終わりにおいて、良かったと思えるようであれば、私にとって最高の喜びです。