先月の東京散策。日本民藝館へ出かけてきた。
今回の展示 カンタと刺子 11月24日まで。
カンタとは旧ベンガル地方(現在のインド西ベンガル州とバングラデシュ)で作られた刺子とのことだと初めて知った。19世紀後半~
刺子は東北地方、青森県、津軽のこぎん、南部の菱刺、山形県、庄内の刺子等々。明治時代~。
カンタ・・・初めて耳にした響きでした。
展示の一枚目を見た時、そのあまりの素晴らしさに震えを抑えられないほどに感動。デザインも素朴で美しいと思えたけれど、あまりに緻密な針仕事に・・・驚愕してしまったというのが本当のところ。
カンタ、刺子、そのどちらも・・・
「使い古された布」一枚も無駄にせず、「糸」一本も大切に扱い、着古されたあとの古布にそれぞれが日々ひと針ひと針、文字を綴るかのよう絵を描くかのよう・・・時をかけ刺し続けられ、新たな命を吹き込まれたものばかりです。
目にすることが出来た「カンタ」「刺子」に、その「作り手の魂」が見えたかのようでした。
大らかな安らぎを感じとれたのです。
厳しい時代にあっても・・・手仕事の時にこそ・・・家族を思う。
その心こそが実用的な「繕い」だけでない美しい模様を生みだすこととなり、家族の暮らしに潤いをもたらす喜びにもなる。美しい生活道具を生み出す愉しみにきっと繋がっていったのだろうなあと・・・
尊い時間の紡ぎ方を見ることが出来ました。
刺子から・・先人の声・・・聞こえてきました・・・嬉し。
日本民藝館。最寄り駅は、駒場東大前。下車すぐに東京大学(安田講堂があるキャンパスではなさそう・・・こんなもんです・・・私の東大知識・・・)。
関係者以外立ち入り禁止とありました。関係者にならないと・・・入れませんのね・・・当たり前です・・・苦笑
東京大学をあとに・・・
閑静な住宅地を抜け、日本民藝館へ。
日本民藝館
民藝という新しい美の概念の普及と「美の生活化」を目指す民藝運動の本拠として思想家の柳宗悦(やなぎ むねよし)1889~1961により企画され1936年に開館。
美しい魂に出逢えたひと時でした・・・ようやく訪れることが出来ました。