【SWEET ANGELS】

大阪府寝屋川市にある認定こども園 ねやがわ寝屋の森こども園の
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子育ては【あせらずゆっくりコツコツと】(再掲)

2010-12-16 | 先生達の【ひとりごと】

こんにちは。園長の田中啓昭です。

今日も私のブログに以前書いた記事を紹介させていただきます。

子育ての根幹になるところを書かせていただいています。

長文になりますが、最後までお読みいただけると嬉しく思います。

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最近は便利な世の中になりましたね。

私が学生時代など、全自動洗濯機も、デジカメも携帯電話もありませんでした。

大学を卒業してから約20年ほどですが、その間の家電の進歩には目を見張るものがありますね。

中でも、携帯電話がスゴイです。

メールやカメラ機能は当たり前で、音楽プレーヤーや果てにはビデオカメラ機能付きまで出現するあり様。

携帯電話に一言、もの申せるならこう言ってあげたいです。


「ケータイよ!いったいお前は何になろうとしているのだ!」


今の携帯電話をみていると、電話という本来の機能はなんだかおまけのような感じがしてなりません。




さて、前ふりが長くなりましたが、いよいよ本題です。

そんな便利な機能に求められるもの。

つまり便利さとは一体どんなことなのでしょうか?


私がまず思い浮かぶのが「スピード」

次は「多機能・使い勝手」


そんなところです。

これら便利さは電化製品など機械モノに往々にして当てはまるものですが、ビジネス社会において、この便利さの象徴である「スピード」や「多機能」といったものも往々にして重要視される要素として君臨しています。


「スピード」とは仕事の効率化であったり、能率であったり事務処理能力であったり、速いこと(もちろん正確さのうえで成り立っていますが)が重要です。


「多機能」とは多彩なことであったり、事業展開であったり、個人でいえば多才、マルチといったいろいろな部分に特化した才能、いろいろな機能を有するということが重要です。

「使い勝手」とは自分(利用する側)に都合のよい、と言いかえられますね。

こういった便利さという尺度も遅ればせながら、福祉施設の業務内容にも求められつつあることを昨今感じるようになりました。


しかし、子育てにおいてこの尺度はかなり不釣り合いなものであると私は思っています。

なのに、どうも日常生活やビジネス社会でのそういった「便利さ」になれてしまった大人は、こどもにもそういったスピードや多機能や自分の都合を求めてしまうような気がしてなりません。

子どもに便利さを求めるかのように、「早く大人になってくれ!」といってもなれませんし、逆に子どもも「早く大人になりたい!」と思ってもなれるものではありません。

同様に、「これとこれができるようになってくれ!」といってもすぐにはそんなことができるようにはならないのです。


子育てにはそういったこととは違ったアナログ的な「あせらずゆっくりコツコツと」が必要なのです。


「便利さ」に慣れてしまった大人が子どもに求めるものは、自分の視点からの考えが往々にしてあるように思います。

子育ては仕事を効率的にこなすとか、といった大人が思い描く都合のいいものではなく、かなりアナログ的であり、自分が思うようにはなかなかいかないものなのです。

しかし、子どもの将来を想い、親として「早く~できるようになってほしい」とか「~と~ができるようになってほしい」とか子どもに対する想いはみなさんお持ちだと思います。


では、そのためには何が必要なのでしょうか?



まずはその子自身についてよく知ることから始めないといけないと思います。

そして、自分がこうなってほしいと思う子どもの将来像に向けて、あせらずゆっくりとコツコツと努力していくこと。

あくまでも努力するのは親の方です。


子どもは子ども自身が育つようにしか育たないものですから…




植物を育てる場合を例に考えてみると、植物には「どんな花を咲かせるのか、どんな実をつけるのか」将来どのようになるのか、苗や種を見ても想像がつきませんが、どうなるのか知っています。

でも、この植物の将来育つであろうように、その植物がもっている特性を理解して最大限にその生長する能力を引き出すために、あった肥料をあげたり、剪定をしたり、支柱を立てたり、花がらをつんだり、といった環境の援助をすることで、自分が知っている植物以上に大きくなったり、たくさん実をつけたりするのです。

つまり、植物が育ち、立派に花を咲かせたり、実をつけたりすることを想像して、愛情をこめて楽しみながらゆっくりと育てていくわけです。

急に花を咲かせようと思ったり、実をつけるようにと思っても、それはどだい無理な話なのです。


子育ても同じことが言えるのだと思います。



子どもの将来像を想像して、子どもがもっている能力を最大限に引き出すための環境設定や援助をして、愛情を込めてあせらずゆっくりコツコツと関わっていくことが大切なのだと思います。

とはいうものの植物は、愛情をかけ過ぎて水をやり過ぎると根腐れを起こします。

子どもも愛情をかけて過ぎて大人が何でもしてしまうと、無気力になったり、我がままになったりしてしまうのです。


とてもよく似ていますね。





子育てにイライラするお父さん・お母さんへ!


イライラしているときは必ず、自分目線です。

そんなときは「あっ、あかん!」と我に返り、まずは深呼吸。

それだけで、ずいぶんと変わってきますよ。

こどもが持っている能力を信じつつ、「あせらずゆっくり」見守り、必要に応じて側面的に援助していく気持ちを意識的に持ってみましょう。



あなたが変わることで、子どももきっと変わってきますよ!