井の中の蛙 goo

平成29年5月29日から「法定相続情報一覧図」の保管申出・交付が始まりました。

法務省の考え方

2010-02-07 | オンライン申請
「登記・供託オンライン申請システムに関する意見募集結果」より
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji192-07.pdf

利用者の意見 137
照会番号は、書面申請では利用できない。
登記所が保有する情報を有料で交付して提供させることは、極めて不合理である。
完全オンライン申請を目指し、添付情報の省略を多少でも考えているのであれば、登記申請情報に照会番号を提供させるなどという馬鹿なことは直ちに止めるべきだ。
登記所が管理している情報を提供させるなど、無駄の極みである。

法務省の考え方
御指摘の添付情報の省略を実施することにつきましては,実施に係るシステム上の仕組みや必要となる経費と実施の効果の観点から慎重な検討が必要と考えられますが,その実施の適否については,検討してまいります。

要は、利便性の向上よりも、法務省の経済性(手数料収入)を優先するようだ。
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登記識別情報制度に対する現実的な対応策

2010-02-07 | オンライン申請
平成17年、オンライン登記申請を可能とするために不動産登記法が改正され、登記済証に代る登記名義人を特定するための制度として登記識別情報制度が採用された。
オンライン登記申請は、申請情報とすべての添付情報を電子情報としてオンラインで提供する申請方式で、申請人の電子署名も要件とされたが、電子署名するための電子証明書は、公務員が取得しないこともあり普及せず、戸籍等の添付情報も電子化されていないことから、平成19年末まで、まったく利用されていなかった。

平成20年1月、尻に火のついた法務省は(法改正をすることなく)泥縄式に、不動産登記令の附則に第5条を追加し、申請人本人の電子署名を不要とし、電子化されていない添付情報は書面のまま提供することを認める特例方式を採用することとした。
特例方式は申請情報だけをオンラインで送信し、電子化されていない添付情報は書面のまま持参又は郵送により提供する申請方式で、その実質は書面申請である。
特例方式の実施に併せて登録免許税の軽減措置も実施され、年間100億円ほどの登録免許税が軽減されているが、書面申請よりも手間のかかる実質書面申請である申請方式のために、平成21年度においても利用率は10%強である。

オンライン申請のために採用された登記識別情報は、不動産ごと、申請人ごとに通知される12桁の記号であるが、当初通知されたものは最初の5桁が同一であった。一部の登記について同一の登記識別情報が通知された問題、オンラインで取得した登記識別情報を復号する際のパスワードについての問題もあった。
同一の登記識別情報が通知された件と復号の際のパスワードに関する件については、法律上の規定がないにもかかわらず、職権で登記識別情報を失効させ、違法に再通知した。

登記識別情報制度には、失効制度があるため有効確認をする必要があるが、有効証明請求は手続きが煩雑で結果がでるまでに時間がかかるため、あまり利用されていない問題もある。
実質書面申請の特例方式においても、登記識別情報は申請情報と共にオンラインで提供することとされているが、提供方法が煩雑なため、オンライン申請の阻害要因にもなっている。
また、登記識別情報は名義人本人だけが知っている情報であることが要件であるが、特例方式の実施後は他人である代理人が知ることができる情報になった問題もある。

平成21年には、書面で通知する際の目隠しシールが剥がれず12桁の記号を読み取ることができない問題も明らかになった。法務省は、問題を認識した後、アイロンを使用して剥す方法を通知し、当面の対応策として通知書の用紙を変更したが、既に通知されている大量の登記識別情報について、具体的な対応策は示されていない。

平成21年12月17日の意見交換会に於ける中村政務官の発言では、再発行することを検討しているようであるが、仮に再発行するのであれば、先に法改正が必要である。
以前に実施した再通知は、緊急避難と考えることもできるが、正規に通知された大量の登記識別情報全てを失効させて、違法に再発行することを検討しているのであれば、経済的にも、登記識別情報制度の廃止を検討すべきである。

登記識別情報制度に対する現実的な対応策として、登記完了後に登記済証に相当する登記識別情報を書面で通知(発行)し、書面申請の場合は登記識別情報(書面)を提供させ、オンライン申請の場合は特例方式の場合であっても申請人本人の電子署名を要件として登記識別情報の提供は不要とする申請方式を提案する。
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