Naoの誰でもわかる!英語の話

英語を勉強している人へ、面白い、ためになる話し、知識・情報などを、誰もがわかるように書いていきます。

あなたの質問にお答えします!#2(学生Bさんからの質問)

2020-05-03 | 質問にお答えします
Hello, everyone! I hope this message finds you well not impacted much by the new coronavirus that is rampant in Japan. Since I got a question from one of my students about an English sentence, I have decided to write about it. It is rather a simple one, but I hope you will learn something from this article. I wish you all the best in this difficult moment of our life. Take good care, guys, and STAY HOME! Naoki

Question:
今英語ですごく気になってることがあって!一つは映画の中で流れていた曲の歌詞なんですが、Don't you forget about me. というフレーズがありました。意味も、伝えたいこともわかるんですが、文法というか、なんか構造的によくわからないなと。このDon'tは後ろの文全体にかかっているんでしょうか?付加疑問文みたいなものなんでしょうか…?

Answer:
その文章は、普通に言えば、Don't forget about me.(僕のことを忘れないで!)という文章で、youは入りません。例えば、Don 't leave me alone(私を1人にしないで!)と同じね。では、Don't とforgetの間にあるyouはどんな意味があるのか、どのような役割をしているのか、ということですが。文構造上の機能はというと、それは強調です!Don't you forget about me.ができあがる(実際に発話される)際のベースの文(深層構造文(base文):頭の中で生まれる最初の文構造)を見てみましょう。

(base文) you do not forget about me
(あなたは私のことを(について)忘れない)

この文章の主語(主動詞forgetの主語の名詞)はyouですね。そして、その文章を、〜しないで!という、いわゆる命令形の文構造にすると、相手(you)に話しかけるので、その主語のyouは言う必要はないので、それを省略するという規則が適用されます。そして、以下の文になります。

「規則1:主語が話し相手にわかる場合はその主語は省略する。」
(you) do not forget about me

上記が頭の中でできる文になり、そしてそれを発話する(それが表層文になる)と…

(表層文)Do not(Don't) forget about me.

と、主語は省略されますが、言われた相手には意味は通じます。では以下の質問の文章にはなぜyouがあるのか。

Don’t you forget about me.

しかも、そのyouは、ベースの文では文の最初にあったのに、上の文ではdon’tの後にある。まず、youが表に出てきた理由は先ほど述べましたが、それは相手に自分の意思を強調するためです。以下を見てください。

I love you. = I do love you.

I love you.のベース文は、I do love you です…が、普通は助動詞のdoは発話されません。でも、I do love you.と言うこともあります。それは、doという、本来は言わなくてもいいことを言うことで、loveを強調することになるのです。ちなみに、句構造文法の考え方では、全ての動詞にはその時制を表すためにそれぞれに合った助動詞(doやdoes)が深層構造文(base文)には一緒に付いていると考えます。以下がその一例です・

(base文) he does speak english →(表層文)He speaks English.
(base文) he did speak english →(表層文)He spoke English.

それと同じ原理が「do not forget about me」という文に適用され、話している相手に、「「君に!」忘れてほしくないんだよ」という意味を伝えたいために、言わなくてもいいyouを表に出す、発話することになるわけです。もちろん、You don't forget about me. Okay?といった言い方もできますが、一文で相手の自分の言いたいことを強く告げたいので、いわゆる命令形(imperative)の文構造を使います。そうなると、助動詞のdon’tが前に出ますよね。では、もともとは文の最初にあった主語のyouはどこに入れるか、というと…助動詞の後、主動詞の前になります。つまり、通常の疑問文の形と同じですね。

(base文) you love me ? →(表層文)Do you love me?
(base文) he doesn't like ice cream? →(表層文)Doesn't he like ice cream?

しかし、上の例文をみると、don’t you forget about meは、疑問文にならなくもないですよね〜。「私のことを忘れない?」てね。その際は、youは主語として必ず表面に出なければいけません。出ないと、非文法的な文になってしまいますね。でも、今回の質問の文は、疑問符(?) がつかない文としてもともと出来ていて、最終的に疑問符(?)がなく発話されているので、文は命令形の文(imperative)になりますね。ですから、本来は主語として頭の中にあるyouは発話される必要はない。でも、それが余計ながら表面に出て発話されたわけなので、そのyouは、話手が相手に自分の気持ちを強く伝えたいための強調の役割を持って使われたということになるわけです。「この気持ちを君に伝えたいんだよ!」という感じですかね。どうかな?分かってくれたかな?

というのが今回の質問に対する回答です。いつもながら、ちょっと説明がくどくて、すみません!でも、Please don't you forget about what I told you. Okay? Thank you! Nao