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花粉「高リスク地域」で人口増

2024年04月14日 12時43分30秒 | 話題
  日本人の約半数がかかるとされる花粉症。 観測データを分析すると、花粉にされされる期間の長い
  「高リスク地域」に人口は集まり、花粉症に苦しむ人を増やしてきたことが分かった。 シギやヒノ
  キなどの人工林を抱える地域が首都圏のベットタウンとして開発され、対策も後手に回ってきたため
  だ。 花粉症が社会問題になった背景を探った。

 3月中旬、JR八王子駅にはマスクを着けた通勤・
 通学で行き交じっていた。「物心がついた時には花
 粉症だった」という同市在住の20代の学生は「マ
 スクと抗アレルギー剤でしのいでいるが、これ以上
 はどうしようもない」と諦め顔だ。 八王子は豊か
 な緑と都心へのアクセスの良さが人気の住宅地で、
 不動産情報誌の「住みたい街」ランキングでも上位
 に入る。問題は花粉症の原因となるスギやヒノキの
 多さ。気象会社ウェザーニュースの花粉観測データ
 によると、1年のうち約40日にわたり花粉が大量
 に飛散する。同じ構図は全国に広がる。約1700
 の自治体を花粉シーズンの長さで4つに分類し、1
 980年以降の人口の推移を調べた。「20~29
 日」の地域では594万人増、「30日以上」の地
 域では136万人増と、期間の長い2グループで合
 計730万人増えた。期間の短い地域の人口増は限
 られる。スギやヒノキが少ない北海道などで過疎化
 が進んだ。日本の総人口は1980年からの40年
                間で900万人増えたが、増加分の8割は高リスク地域に集中する。

  データからは、花粉にさらされる人が増えるにつれ、花粉症が社会問題として取り上げられるよう
   になったこともうかがえる。 国立国会図書館のテキスト分析ツールで本や雑誌に「花粉症」と
   いう単語が出現した回数を調べた。 1980年ごろから花粉症の仕組みや治療法を取り上げる
   文献が増え、1990年代には5000回以上に達した。
  80~90年代は高度経済成長期に植林されたスギが花粉を活発に飛ばす樹齢30年以上を迎えた
   時期と一致する。 住宅需要などを見込んでいたが、低価格の輸入木材に押されて伐採・利用が
   進まなかった。 現在も日本の国土面積の2割はスギとヒノキの人工林だ。

  地球温暖化の影響も指摘される。 遠藤耳鼻咽喉科・アレルギークリニックの観測データによると、
   スギ花粉のシーズン開始は1990年代には2月下旬だったが、2020年代には2月上~中旬
   と2週間ほど早まった。 花粉情報協会理事・気象予報士の”村上氏”は「10~20年後には関
   東の多くの地点で1月や2月上旬から花粉が飛ぶようになる」とみている。
  スギが落ち着く3月下旬からはヒノキ花粉が飛ぶ。 スギ花粉症の人の7割はヒノキ花粉症。 年
   ごとにばらつきはあるが、ヒノキの花粉量は4月上旬のピーク時で1990年代の7倍、200
   0年代の3倍に増え、つらい花粉シーズンを長引かせている。

  花粉から逃げる動きもある。 北海道釧路市は2012年から花粉ゼロの「避紛地」をPRする。 
   釧路市によると「長期滞在の観光客は夏が大半。 冬から春にかけても呼び込みたい」という。
   沖縄でも石垣市のリゾートホテル「THIRD石垣島」が花粉症の人に連泊プランを提供する。

  政府もようやく対策に乗り出し、30年後に花粉量を半減させる目標を掲げる。 ただ人工林の多
   くは民間が保有し、行政だけで伐採や植え替えを進めるのは簡単ではない。 林業の担い手不足
   も深刻だ。
  パナソニックの推計によると、花粉症による労働生産性の低下は1日あたり2340億円の経済損
   失につながる。 何とも目も頭も痛い問題だが、これ以上の先送りはできない。 行政だけでな
   く民間も知恵を絞り、森林のライフサイクルと都市や人々の生活が共存する道を探る必要がある。

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