ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

9.文書化の世界

2006-12-14 | 継続的改善52

「口角泡を飛ばす」というような言葉がある。
これでもかというくらいに議論する、言葉や文書にこだわる。欧米の特徴である。
むかし友人の映画監督に教えられた。シナリオを読む。日本の会話は全てを言いきらないそうだ。余韻があるというか余韻を残さないとシナリオにならない。
そこで、韓流、すべてを話してくれるから楽しい。異性からこう言われたいと思っていることを聞く心地よさがある。
詩人の佐藤春夫が詩を書く心得は聞かれて「言葉は浅くこころは深く」とこたえた。
山頭火「言ひすぎは言ひ足らないよりもよくない」。このことは最近書いた。

また、日本人は形と心を別のものとは考えない。
長年かけて心を形に変える。茶道、華道などはそれにあたる。
ISOでやたらに文書を作っても決して形はできない。形のないものには心はない。
ではどうしたらよいだろうか。
日本には「守破離」という形を学ぶプロセスがある。
まず、形から学ぶ、次ぎに形を破る、そして全てから離れてみる。その後、自分なりの形を作りそのくり返しをするというプロセスである。

このような考えが日本の品質管理にも生きている。
改善のプロセスを考えてみよう。現状把握して問題の原因を見つけ、それに手を打って成果を確認してから、歯止め標準化する。
当然標準化とは、良い点や問題の再発防止の標準を作ることと、その教育訓練をしてよい状態を維持することである。これが出来たら次の問題を探し改善を繰り返す。

さて、ISOを作ったEUのように外国人労働者の多い国では、作業者の訓練のための作業標準のような文書は必要である。スタッフは苦労して標準をつくり、徹底して守らせ、また守る努力をする。最近のように、海外の労働者の多い日本で学ぶべきことも多い。
ただし、日本のよさを生かした標準化に取組むことが大切である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする