私が右翼なら

現在、日本で支配層が望んでいるのは、軍事的にも経済的にも、安価な兵士を拡大再生産する事である。彼らは思想の左右は問われない。実は安価であることこそが存在意義を持ち、愛国心も必要とされていない。
ヨーロッパの極右政党は、愛国心という抽象的な概念により、右なのではなく、経済的果実が自分たちに行き渡らないから、外国人労働者の排斥などを掲げると同時に、福祉国家を志向する側面もあり、反グローバリズムなのである。支配層の秩序の範囲に収まらないインテリの貧困層も出現し、それが実質的には体制補完装置となった古いインテリ左翼陣営に組織されない事態も起こっている。フランスのルペンを支持する層にもその傾向が見られるかもしれない。
しかし、右翼が、外国人やその他のマイノリティの排除を求めたとしても、それと同時に「同じ日本人だから」といった一体感を支配層に対して持つことは、愚の骨頂である。また、正規雇用の労働者階級とも一体感を拒絶する弱者層が、支配層と一体感を持ついわれはないし、「日本全体」に対しても帰属意識を感じる義理は全くない。

今、右翼がするべき事は、支配層に対してあくまで経済的実利の分配がなければ、あなた達の望む形での国民的統合もできないと、理解させる事である。北朝鮮や中国共産党や在日韓国人をいくら批判しても、右翼の生活が向上するわけではない。

既に権力の側から甘い蜜を嗅がされているのなら別だが、憲法が安倍の望む形で改正されても、集団的自衛権が行使可能になっても、右翼に実利があるわけではない。支配層以外の人間は、左右を問わず、使い捨ての兵士か、労働者になるしか道はない。東北の寒村の惨状を憂え2・26事件を決行した兵士たちも、日中戦争や対米戦争で死んだ兵士たちも犬死にである。

私が右翼ならそう考えるだろう。

それに気づいていない右翼は、右翼ではなく単なる権力の犬であり、奴隷である。

・・・と愚考してみた。

コメント ( 1 ) | Trackback ( 13 )
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コメント
 
 
 
Unknown (タナカ)
2007-05-25 21:01:03
実に仰る通りだと私も考えます。
同時に、右も左も皆奴隷になりたがっているのだと思います。
以前「ポナパルティズム」という言葉を聞いた事があります。
人は自分を苦しめるものを熱狂的に支持するものだ、という説です。もしくはレベッカ・ウエストの文章。

「喜びを愛し
幸せな日々が続く事を願い
充分に生きて自分の家で
穏やかに死を迎え
家族が其処で
平和に暮らす事を願うのは
実は一部の人だけだ。」

「私たちの半分は、正気ではない。
心地よい事より不快な事を好み
苦しみと絶望に打ち拉がれる夜を愛し
人生を振り出しに戻す破滅を願い
何もかも失って死んで行く事を
望んでいる」    

いろいろ経験も積んだつもりですので、ただ悲観的になってるつもりはありません。ただ実感として、この美しい国は集団自殺をしようとしてるのだと感じるのです。
 
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