さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

九月大歌舞伎 夜の部

2009年09月24日 | さよなら歌舞伎座
歌舞伎座の大屋根が秋空に映えていた♪

九月大歌舞伎 夜の部

「浮世柄比翼稲妻」

(鞘当)の幕があいて浅葱幕が振り落されるとそこは吉原仲之町
稲妻柄衣装の不破(松緑丈)と濡れ燕の柄の名古屋(染五郎丈)が
花道と舞台で歌舞伎さよなら公演ならではの渡り台詞を聞かせてくれた♪

「お若けえの~」(鈴ケ森)では、吉右衛門丈の長兵衛が大きくていいなぁ♪

「七代目松本幸四郎没後六十年 勧進帳」

幸四郎丈の弁慶
吉右衛門丈の富樫
染五郎丈の義経 のファミリーで

生涯、1600回も弁慶を演じ、「勧進帳」を人気狂言にした七世を偲ぶ舞台。

当代も弁慶はライフワークで1000回以上演じられているので
歴史上の人物というより、めっちゃ強くて知力にもたけ、
心優しい生身の弁慶がそこにいる♪


「松竹梅湯島掛額」

紅長といったらやっぱり吉右衛門丈♪♪♪
今日も観客をわかせてくれました。

初めて「櫓のお七」を観たのはたしか幼稚園のころだったか?
降りしきる雪の中、お七の緋鹿の子と赤い長襦袢が印象的で
子供でも「恋に狂う娘心」の懸命さが
なんとなくわかったような気がしたものだ(笑)





意志の勝利

2009年09月23日 | 映画♪
先日の「同好の士の会食」でお勧め頂いた映画
「意志の勝利」を拝見した。

恥ずかしながら、私はこの映画の存在を全然知らなかった。
学生時代に「映画論」の講義を受けていた娘に言わせると

「そんなことも知らないなんて映画好きとはいえない!」と

映像の芸術性が映画史の中で語り草になっている…
とかすっかり蘊蓄をたれられてしまった(笑)

75席の渋谷の小さな映画館で、本日は1回限りの上映。
おまけにサービスデイだったため、立ち見も出ていた。

内容は1934年にニュルンベルクで行われた
ナチス党大会の模様を記録した映画である。

「旗を高く掲げよ
隊列は一糸乱れず
突撃隊は行進する…」(ナチス党歌 ホルスト・ヴェッセルの歌)

はためく党旗の海
轟く太鼓の響き

圧倒的な数で視覚と聴覚に訴えられる宣伝効果は
どんな演説よりも人間の本能に影響を与え
人々は理性を失って、たとえ誤った道でさえも
陶酔と高揚の中で突き進んでしまう恐ろしさをつくづく思った。

古今東西を問わず、人間は旗印が好き!
そして太鼓の音にあわせ行進したくなる!

「地球温暖化対策」に地球全体で突き進む♪
旗印と太鼓はないものかと思いながら、
「半分は寝てた」という主人と帰宅した(笑)

酬恩庵一休寺

2009年09月23日 | 都へ上る
総門をくぐると、白壁と石垣・石畳、そして楓や刈り込まれた木々が
絶妙なハーモーニーを奏でている参道がある♪

拝観受付からすぐに、宮内庁管理の「宗純廟」(一休禅師のお墓)があり、
庫裏や本堂にむかう唐門の間を和服姿の女性たちが忙しそうに
行き来していた。
「在釜」とあったので、どうやらお茶会があるようだった。

庫裏から狩野探幽の襖絵のある方丈に行くと、
参道の賑わいが嘘のように拝観者は私たちともうひと組の老夫婦連れ。

まず一休禅師の木造にお参りさせていただいてから。
太く力強い線とぼかしや細かい筆使いのコントラストが
面白い瀟湘八景図や賢人図などを拝見した。

南庭・東庭・北庭はそれぞれ違った趣で、
刈り込みや土塀越しにみえる楓の葉がもうほのかに色づいていた。

足利義教寄進の本堂
開山堂などをまわって宝物殿を拝見した。

「世の中は何にたとえん水鳥の嘴ふる露に宿る月影」 

水鳥の絵入りの後水尾天皇の宸翰に心を残して
最後に今日のお目当て観世三代「音阿弥」のお墓にお参りをさせていただいた。

この地は男山八幡宮に納める薪を木津川を使って届けたそうで
「薪御園庄」と呼ばれたそうである。

一休禅師は、木津川を上下する白帆を見て楽しまれたと
頂いたパンフレットにあった。



京都こら棒

2009年09月22日 | 今日のおやつ♪

最近発売になったばかりなのかな?
9時にシャッターが閉まりはじめた京都駅の売店でみ~っけ♪

半兵衛麸さん
通園さん
西京味噌さん
京野菜かね正さん
本和香糖さん

京都の老舗とtawawaさんのコラボレーションによるフィナンシェ

薪神社

2009年09月22日 | 都へ上る
大阪でのバレエ公演は13時からなので、午前中に、京田辺へ。

娘にとって私の存在は、「母親」としては失格だが、
お抱えの「ツアコン」としては、その実力を大いにかわれている(笑)

今年の春から謡と仕舞のお稽古に通いだした娘のために
能楽ゆかりの地を案内することにした。

酬恩庵の門前から100メートルぐらい登ると薪神社がある。

祭神 天津彦根命

創建も由緒も不明らしく、八幡宮と天神社を一緒にしたものらしい。
観光で訪れる人は少ないようで、木々に囲まれた境内は
村のはずれの鎮守さまという佇まいだった。

ここに、「能楽発祥の地」の碑がある。

また、酬恩庵の背後の山を甘南備山といい、
昔は神の降臨するところと信仰されていたそうで
その頂きにあって月読神が影向したと伝わる石も祀られていた。

地元の方たちか?「お千度まいり」をする方がおられるようで
その木が箱に入って数本あった。

酬恩庵の門前に、「金春の芝」があって、
金春禅竹が一休禅師に猿楽を演じたそうで、
この地の名の「薪」が「薪能」の由来とも伝わっている。



「兵士の物語」@大阪

2009年09月21日 | 劇♪場♪
「まいど~♪」

ストーリーテラーのウイル・ケンプの舞台を始める御挨拶はこの一言から。

大阪厚生年金会館がある四ツ橋というところに初めて降りた。
知らない街を歩くのはワクワクする♪

駅から5分ほど歩くと劇場があって、
劇場前には若いお嬢さんからおばさま方のすご~い行列ができていた。

「ええ~何々?この行列?兵士の物語に並んでいるのかな?」と思ったら
何かわからないけどそうではなかった(笑)

公演があったのは小ホールの芸術ホール。
こんなに魅力的な舞台にしては、信じられないことだが、
大阪ではチケットが売れ残ったようで、後部の残席が目立った。

東京公演の出待ちですっかりお人柄に惚れてしまったマシュー・ハート♪♪♪

「大阪公演にもあのビニール傘もってきたのかなぁ?」(笑)
なんて思いながら、クーパーさまには申し訳ないが
今回はマシューさまばかり観てしまう浮気者の私(笑)

でもやはりアダム・クーパーは、す・て・き♪♪♪


きのうの神さま

2009年09月20日 | 本♪
西川美和著「きのうの神さま」

人間の本性というものへの鋭い観察力?

何と表現してよいかわからないけど、

「ああ~そういうことあるかも…」
「わたしもそういうふうに思ったことがある…」

心の奥の方に響く本であった。