さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

吉例顔見世大歌舞伎 昼の部

2010年11月25日 | 歌舞伎座以外の歌舞伎
吉例顔見世大歌舞伎 昼の部を拝見した。

都ではまねき上げが行われたようですが、お江戸の方は千穐楽。
南座のずらりと並んだ庵に比べて、演舞場の顔見世の庵はさびしげです(笑)

演目の方は、「天衣上野初花」の通しだ。
なかなか通しでは上演する機会が少ないので、河内山と直侍の関係がわかりにくいが、
今回拝見してあらためてなるほど~と納得(笑)

個人的には播磨屋さんの河内山が風格があって一番好きであるが、仁左衛門丈の演じられた
寛永寺使僧になりすました河内山が品格あって忘れられない。

高麗屋さんの河内山はあえて「小悪党」というキャラを出した芝居なのかもしれない。

時蔵丈の三千歳も良かったが秀逸なのは直侍の菊五郎丈♪
松江公の錦之助丈も品格があって、腰元浪路への執着が良く出ていた。
家老の彦三郎丈が実に風格があった。

田之助丈の丈賀もどくどくの雰囲気があった。

河竹黙阿弥の味が特に出ているのは、「入谷村蕎麦屋」や「大口屋寮」の場で、
当時の江戸の生活様式が良く表現されていて楽しめる♪

大口屋寮内で、段四郎丈演ずる金子が部屋の襖絵や屏風を
「文兆か?抱一か?」と云うのに
「崇谷さん」と答える場面があって、

高崇谷という江戸の絵師のことが気になってしまった(笑)

暗闇の丑松の團蔵丈、御紋が出題されてましたね。