さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

源氏力

2009年05月18日 | 本♪
新緑をバックに繰り広げられる華麗な王朝絵巻♪葵祭も終わった。

葵祭といえば、「鴨川ホルモー」じゃあなくて(笑)
やはり「源氏物語」だろう。

昨年は「源氏物語千年紀」でいろいろなイベントがあったが、
あらためて再び、与謝野晶子訳と瀬戸内寂聴訳の源氏物語を読む
機会をあたえてもらった。

中学生の時に、母の本棚にあった河出書房新社の赤い布表紙に
魅せられて与謝野晶子訳の源氏を読んだ時はさっぱりわからず(笑)

ある程度の年齢になって田辺聖子訳や瀬戸内寂聴訳を読んだ時は
すこし面白味がわかったような気がしたが、
老いと向き合う年齢になってあらためて読んだ時に
はじめて源氏物語に描かれる宗教感や無常感なども感じることができた。

世界一古い大長編小説、それも1000年も前に女性が書いた物語♪
日本が世界に誇れる文学であるはずなのに、
私のまわりでも、全部を読み切ったという人がほとんどいない。

男性などは、はなから恋愛小説って決めつけて馬鹿にしているが、
千年たっても変わらない人間の生きざまを描いた凄い文学であると思う。

ただ、あまりにも長いために、途中で飽きてくる。
(私も何度か経験している)
大体の方が「須磨」あたりで力つきるので、「須磨がえり」というらしいが、
そんな方にお勧めの一冊。

「寂聴と磨く『源氏力』全五十四帖一気読み!」(集英社新書)
ラジオ番組「百万人の源氏物語」をもとに編集されたもの。

まずここからトライしてみてはどうだろうか?
これなら1~2日で源氏物語を読破できる(笑)

また、すでに「源氏物語」を読まれた方には、

池田亀鑑著「源氏物語入門」(新版)が大変よみやすく面白い♪
構想と主題・女主人公点描・モデル論・後世文学への影響…

「源氏物語」は人間というものがいかに生きていくか?
という壮大なテーマを私たちに投げかけており、
それを読みとおし、世のはかなさや奥深さを知ることが
「源氏力」をつけるということらしい。