疑似餌釣り師の酒蔵だより

酒好きルアーフィッシャーが蔵出しするボヤキ

タラバとアブラ

2004年10月05日 | 雑記
最近鮮魚売り場で「アブラ蟹」という名前の蟹をよく見るようになった。
「アブラ蟹」と言っても見た目は「タラバ蟹」そのもの。家庭で蟹奉行と異名をとる私は「タラバ蟹」と「アブラ蟹」の区別はつくが、堅気の衆にゃ区別はつくめえ。

そもそも「タラバ」と「アブラ」、何が違うかというと、種類も違えば生息域も違う。
味も「アブラ蟹」の方が落ちると言われるが、蟹なんて大きさ、実入り、茹で方で味が全然違ってくるので私には蟹の種類による味の違いは判らない。
また、味なんてまるっきり人の好みなので、「アブラ蟹」の方がうまいという人もいるようだ。

つい半年ほど前までは、この「アブラ蟹」を「タラバ蟹」として売っていたり、「アブラタラバ」という変な名前で売ったりしていた。本当の「タラバ蟹」は「本タラバ」という名前で売られていたのである。
「アブラ蟹」は「タラバ蟹」より浅い海域で獲れ、味もタラバより大味なため安く取引される。
でも普通の人は「アブラ蟹」の存在は知らないし、「タラバ蟹」にしか見えないから小売りの段階で「タラバ蟹」として売るのである。
それがテレビの報道番組で食品の不当表示ということで取り上げられ、食品を扱う店では偽装や不当表示というのは命取りになるので、正式な名称である「アブラ蟹」と表示しはじめたのである。

先週金曜日に閉店間際のデパ地下鮮魚売り場で、半額処分していた小振りの「アブラ蟹」を買って帰った。これが当たりで、小振りでも身がパンパンに詰まっていたので、身をほぐすとそこそこ量があり、味もすごく良かった。

ちょっとウンチク
「タラバ蟹」は「鱈場蟹」とも書き、鱈の漁場で獲れることからその名前になったのだという。では「アブラ蟹」はというと、分からないというのが正直なところ。
甲羅に光沢があって油を塗ったようだから、とか、タラバに比べて脂肪分が多いからとかの説があるようだが、活き「アブラ蟹」を買っても甲羅の光沢は別に普通だし、茹でてみても脂肪も意識したことはない。

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