西分堂日記

書画を趣味にする私が、感じたこと見聞きしたこと、たまに、自作の書画を掲載できれば、と思います。

お向かいのみちさん(94歳)

2008年12月13日 | Weblog
西分堂のお向かいの蔵造りの屋敷に、一人でお住まいのみちさん、94歳。
午後、徐謂の臨書していたら、
娘さんが、私にお菓子を届けてくださったので、
久々に、練習した書をもって、お礼にお邪魔しました。
実は、私が書を習い始めようかと、迷っていた時、
後ろから背中を押して下さった方です。

画の教室の生徒さんは、洋画から移ってこられた方、
書を長年やられた後に画も、という方が大半でした。
わたしは画の先生から、書道を習うように再三勧められていましたが、
半年ほども迷っていました。
丁度、一昨年の秋、みちさんに石榴をたくさん頂いて、
お礼にお邪魔した時、みちさんが昨年の毎日展に入選された詩文の
作品が戻ってきた所で、見せていただきました。
図らずとも、その後みちさんは手が動かなくなり、
それが最後の作品となってしまいましたが、
90歳を超えた方の作品と思えないほど、生き生きとした作品でした。

みちさんは50代くらいでお主人を無くし、
若い時からテニスなどで鍛えたスポーツウーマンだったので、
暫くは、同世代のお友達とゲートボールなどに興じて、
余生を過ごしていらしたそうです。
ところが、一本、一本歯画抜け落ちるように、
お友達が他界し、仲間がドンドンいなっていきました。
ゲートボールの仲間はすっかり世代交代し、
話も合わなくなり、ゲートボールをとうとう止めてしまいました。
その後、70歳から始めたのが書道でした。
70歳から92歳で倒れるまで、
毎日展に10回近くも入選されたそうです。
みちさんのお話を伺って、
勇気付けられ、私は書道を始めたようなものです。

「近くの公民館で月に2度、稽古があって、
 お月謝も3000円よ。今度、一緒に行きましょう」
と誘っていただいたものの、
毎日系の詩文書がいま一つ好きになれず、
今の先生に付いたのでした。

お稽古中のものをお見せすると、
とても褒めてくださり、励ましてくださいました。
「私は、主人が早くに亡くなりましたけれど、
 どこの家でも、奥さんが書道をするには
 旦那さん対策がたいへんだそうよ。
 やめろ、いい加減にしろ、って喧しいから、
 どう、抑え込むかに知恵を使うらしいわよ(笑)」
今日は、そんなお話も伺えました。





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