西京極 紫の館

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なつよ、シナリオを欲張り過ぎたな

2019年09月28日 13時28分39秒 | 日々の雑感
NHK朝のテレビ小説100作目記念ドラマなつぞら最終週。
東映動画で活躍した女性アニメーター・奥山玲子さんをモデルにして、
日本アニメの草創期を描きつつ戦後女性の社会進出をテーマにしたお話でした。

正直、もっとアニメ制作の現場に特化した内容にして欲しかった

北海道開拓史や、保育施設不足などの子育て問題、さらに戦災孤児など、
多岐に亘る大森寿美男のシナリオは演出が薄味で食い足りなさを感じた。
はっきりいって欲張り過ぎだ。
広瀬すず演じる主人公・奥原なつの生い立ちや家族関係は
過去の朝ドラ・ヒロインの焼き直し感があり、目新しさはないし、
兄・咲太郎(岡田将生)のエキセントリックな設定はリアリティに乏しい。
草刈正雄(…どう考えてもハイジのオンジにしか見えんw)の熱演もあったが、
豪華キャストをもってしてもシナリオの弱さを補いきれなかったと言わざるを得ない。

シナリオのキモの一つでもある女性の社会進出については、
東洋動画(東映動画がモデル)内で多少の揉め事が起こりはしても上司も同僚も総じて協力的だし、
子育てについてもなつの周囲からのサポートがあり過ぎて本当に苦労している感じがしなかった。
なつは僕の母親と同じ世代だが、その当時の共働き家庭はどこでもその程度の苦労はしてたし、
僕ら子供も子供でドラマの優(演:増田光桜)みたいに淋しがってスネたりしなかった。

なつの恋愛もいっきゅうさんとのロマンスは急展開過ぎたし、
後半の感動場面になるはずだった天陽クン(演:吉沢亮)となんか
死んだ時に「へ、そこまでショックを受けるほど恋愛感情抱いてたっけ、なつ?」と思った。
これもお話の展開が性急過ぎたせいだと思うけどなぁ…

そんな中でも半年間モチベーションを保てたのは、
日本のアニメーション草創期を築き上げたレジェンドたちを誰がどう演じるか?
東映動画やAプロなどの名作がドラマでどう扱われるのか?
その事への興味だった。

奥原なつ(広瀬すず)→ 奥山玲子さん
故人。代表作/「アンデルセン童話 にんぎょ姫」「龍の子太郎」(ともに作画監督)
番組のアニメ制作現場考証を担当した小田部羊一さんと結婚。のち版画作家。
女性アニメーターの草分けの一人。
広瀬すずが演じたなつは、実在の多くのアニメーターの功績まで独り占めしちゃてて万能感あり過ぎw

坂場一久(中川大志)→ 高畑勲さん+小田部羊一さん÷2?
故・高畑監督は言わずと知れた「太陽の王子 ホルスの大冒険」「火垂るの墓」などを監督した巨匠。
小田部さんは「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」の作画監督で
のち任天堂入社、マリオのデザインを担当された方。
高畑さんの徹底したリアリズム思考を“変人のいっきゅうさん”としてなかなか巧く演じていた。

仲 努(井浦新)→ 森 康二さん
故人。日本アニメを代表するアニメーター。代表作に「白蛇伝」「長靴をはいた猫」がある。
東映動画のイメージキャラ“ペロ”をデザインしたのはこのお方。
ドラマでは生意気な若造たちを優しく後押しする善き先輩を井浦新が好演していた。

大沢麻子(貫地谷しほり)→ 中村和子さん
奥山さん同様日本の女性アニメーターの草分けで通称ワコさん。
ドラマでは東洋動画結婚退社してのち「マコプロダクション」を立ち上げるが、
現実は手塚治虫にヘッドハンティングされ東映動画退社後、虫プロダクション入社。
「これからのアニメはやたら動かさないのがカッコイイのよ」と大塚康生さんに嘯いたという女傑。
「三つ目がとおる」のワトさん、「リボンの騎士」のサファイアは彼女がモデルだと言われています。
そのワコさん、つい先日訃報がありました。ご冥福をお祈り致します。

下山克己(川島明)→ 大塚康生さん
元麻薬Gメンという異色のアニメーターで僕の大好きな「ルパン三世」(TV第1シーズン)の作画監督。
明るくトボケた性格ながらアニメーターとしての技術はピカイチというオイシイ役を麒麟川島が熱演。
現実では宮崎駿と結婚する大田朱美さん(演:渡辺麻友)を劇中でヨメにするというご褒美を得るw

森田桃代(井原六花)→ 保田道世さん
故人。東映動画で仕上げを担当、のちスタジオジブリで色彩設計を担当。
現場では男性アニメーターから恐れられジブリから逃げ出した社員が多数いたとかいなかったとか…w
ドラマの“ももっち”はそこまで恐い性格ではなかったけど、最終週ではまさかの宮﨑駿のヨメに…

神地航也(染谷将太)→ 宮﨑駿さん
日本が世界に誇る大アニメ監督であり最高のアニメーター。
恐らくこのドラマの中で一番キャスティングが難航したであろうが、結果演じたのは染谷将太。
東映動画時代はメガネのチビでモテなかったらしいが、確かにモテなさそうなキャラになってたw

他にも実在するアニメ作品が劇中で色々脚色されていたのも注目ポイント。

『白蛇姫』→ 『白蛇伝』(東映動画 演出:藪下泰司 原画:大工原章、森康二)
『わんぱく牛若丸』→ 『安寿と厨子王』+『わんぱく王子の大蛇退治』÷2?
『どうぶつ三国志』→ 『どうぶつ宝島』(監督:池田宏)
『百獣の王サム』→ 『狼少年ケン』
『神をつかんだ少年クリフ』→ 『太陽の王子ホルスの大冒険』(監督:高畑勲)
『魔法少女アニー』→ 『魔法使いサリー』
『キックジャガー』→ 『タイガーマスク』+『キックの鬼』÷2?
『三代目カポネ』→ 『ルパン三世』
『魔界の番長』→ 『デビルマン』
『大草原の少女ソラ』→ 『アルプスの少女ハイジ』(監督:高畑勲 作画:宮崎駿、小田部羊一)

う~ん、こうやって並べて見比べてみるとツイストが足りてない。
脚本の大森氏があんまり当時のアニメへの造詣が深くないのが原因だろうなぁ。
恐らく大森氏も参考にした漫画映画漂流記にはもっとドラマチックな当時のエピソードが書かれてるのに…
もっとアニメに詳しい人に脚本を担当させるべきだったね。
主演の広瀬すずは相変わらず存在感があっただけに惜しい!!


いっそのこと、オープニングのアニメをそのまま朝ドラにして、広瀬すずを声優で使えば良かったのに…

来週からは滋賀県信楽を舞台にした『スカーレット』。
主演の戸田恵梨香は先輩の意地を見せて広瀬すずの上をいく演技が出来るか?
期待しましょう。

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